まんぷく 44話 感想あらすじ視聴率(11/20)義経でお茶を濁して出自を隠す?

女性の扱いが控えめに言って最悪

本作の女性の扱い。
控えめに言って最悪です。

・自腹を切らずに会社備品で釣る
・セクハラを受けても笑って流す様子をかわいいと言いたげに描く
・勉学に励むべき学生であっても、親戚ならば使い倒す
・肉体労働者だらけの場所に、ろくなガードもなく若い女学生を放り込む
・妻がネトゲ廃人のために夜更かしし、お茶漬けを作ることが美談扱い
・妊婦だろうと働かせる
・高齢者だろうが逃げ出すまで働かせる
・シャドウワークを見下している
・基本的に頭よろしくない
・父の忠彦が娘のタカを所有物扱いするような発言。

娘思いの父親とでも言いたげにお笑いにネタしておりますが、ジェンダー観点からすると未だにソレかよ……とゲンナリさせられます。

戦後というのは、ベアテ・シロタ・ゴードンの尽力もあって、女性の権利が向上した時代です。
そういう要素、『カーネーション』や『べっぴんさん』では扱ってきたでしょ!

それが「娘は父親のもので〜す」ってセンス悪すぎですよ。

日本国憲法の一部を起草したベアテ・シロタ・ゴードン 多国語を操る才女の素顔は?

半分、青い。は画期的だった

そんでもって。

「まあまあ、セクシー入浴と乳首、褌尻もあるから、女性の皆さんも落ち着いてくださいよ」
と言われているような無意味な色気路線もどうにもならない。

こんな虐待じみた扱いを受けても、ヒロインは子犬のように尻尾を振って「信じます!」を連呼する。
なんすか、これ?

『半分、青い。』は、このシャドウワークがらみで画期的な描写があったんですよ。

人気漫画家の秋風先生は、騙すようにして、鈴愛をシャドウワーク要員のメシアシとして雇ったわけです。

それに対して鈴愛は怒る。
なかなか際どい手まで使い「私は漫画家になるんだ!」と異議申し立てをしました。
そして勝利しております。

秋風先生はこのあと、シャドウワーク専属要員のツインズをきっちりと雇ったわけです。
このツインズが見下されていましたか?
そうじゃなかったはずです。

鈴愛には、そういう「都合のいい女」にならない矜持と知恵がありました。
秋風先生もはじめこそ鈴愛を騙したものの、きっちりと反省しているわけです。

ではなぜ、この問題で私が熱くなるのか、って?

シャドウワーク軽視は、安藤百福のインスタントラーメン発明にも悪影響を及ぼしかねないからです。

ラーメン開発の背景にあった調理経験

安藤百福に料理の知識があったのは、幼い頃から台所に立って調理をしてきたから。

それなのに、台所に立つ赤津を「男がエプロンして台所に立っているw」と薄ら馬鹿にしていては、発明に至る経緯がズタボロになりそうです。

というか、モデルを馬鹿にしてることになりませんか?

もしも
「台湾だと受けないから日本人にしちゃえ」
「男が台所仕事とかダサくて受けるよねー」
こんな発想でいるんだとしたら、時代逆行も甚だしいです。

その点『半分、青い。』は、ここでも画期的でした。

妻である和子が倒れたとき、夫の弥一が食事を作っていました。

やろうと思えば、愛があれば。
男だとか女とか、そういうことは関係ないんです。

愛しているけど、
「妻が倒れたからって男は台所に立つもんじゃない」
なんて言われたらズコーッてなりませんか?

あの作品は、そういうことにキッパリ決別を告げたのです。
それがナゼ今になって……。

台湾ルーツの削除。
それをプラスに活かせていれば、まだマシでした。
天涯孤独だった自分が、新たな家族を作ることができた喜びを味わい、義理の母を実母のように慕うなんて感動的じゃないですか。

それなのに、義母の鈴はコキ使うわ。
我が子を妊娠している妻への気遣いも不足しているわ。
萬平さん、大丈夫でしょうか。

人の役に立つのは一つの道だけじゃないでしょ

それと
「人の役に立ちたい!」
という気持ちが生きるのは、業種次第じゃありませんよ

先日発売になったばかりのiPhone XR。
真田幸村や井伊直政みたいでカッコいいから真っ赤なモデルを選んだという歴史ファンの方もおられるでしょう。

あの赤いモデルはPRODUCT REDというもの。
HIV/AIDS治療チャリティに売り上げの一部が割り当てられるのです(サイト)。

もうすぐREDキャンペーン月間の12月が始まります。そうなりますと、赤くなったアプリが多数リリースされますよね。

こんなふうにどんな業種だって、人助けの志さえあれば売り上げを寄付する、人の役に立つ。
そういうことはできるんです。

「製塩は人の役に立たないからなあ」
って、そりゃあんたが思いつかないだけでしょ……としか言いようがないです。
製塩のせいじゃない、あんたの能力と無関心のせいだ!!

このへんも『半分、青い。』は後半でうまくできておりました。

善意ではなくてあくまで売り上げのために作った「岐阜犬」が、律と和子を繋ぐきっかけになる。
母への愛が起点であった扇風機マザーが、鈴愛と律を結びつける。

そういうアイデアの輝きが、人を幸せにし、その幸せが広がって世界を明るくするときっちり描いていた。

立花さん、あなたに足りないのは、そういうアイデアです。
今の姿から浮かんでくるのは、傲慢さに満ち溢れた発明家、そして子犬のような信者である妻だけ。

よくまぁ、こんな魅力のないカップルに仕立て上げたものです。
なんなんでしょう。

※『半分、青い。』や『八重の桜』がU-NEXTならスグ見れる!
他にも多数の朝ドラ・大河作品も視聴できます(時期によって対象番組が異なりますのでご注意を)。

スマホでもOKです。

文:武者震之助
絵:小久ヒロ

※レビューの過去記事は『まんぷく感想』からお選びください

まんぷくモデルである安藤百福の記事、ならびにラーメンの歴史もリンク先からどうぞ!

ではまた明日!

 

13 Comments

管理人

>ファンです!さん
あざーーーーーーーっす!
修正させていただきました。
今後もご愛顧よろしくです^^

ファンです!

管理人さん、タイトルの日付が…どこからかずれてるようですよー
(このコメントは残さなくて良いです)

匿名

今週はえらいゲス週になっちゃったな…
前までべっぴんさんが駄作と言ってた女友達が月曜でまんぷく視聴を辞め、私に今までべっぴんさんを悪く言ってゴメンと謝っていました。
たぶんチキンラーメンを作る所が一番盛り上がるんだろうけど、それまでに脱落者が続々と出て戻ってくる人が居ないだろう。

管理人

>ねこさん
ご指摘ありがとうございます!
修正しました。
今後もご愛顧よろしくお願いしますm(_ _)m

ねこ

記事中の星野源さんの漢字が間違っています… せっかく褒めているのに肝心のお名前を間違うなんて。。

タイツ

子供(6歳)が見たがるからつけていましたが…もう見たくないです。視聴率に貢献するのも本意ではないし。朝8時は情報番組にも飽きてきた頃で、朝ドラが丁度良いのですが…
萬平の崩壊がキツいです。昨日の鈴の話を聞いて笑い出すところなんて、追い詰められ過ぎておかしくなった人みたいで完全にホラーでした。CMでもいいからマトモなハセヒロさんが見たい!
ヒロインに「王道」を求めるなら、主人公の夫であり後の創業者となる人物には、私は知性と公正さを求めますよ。
最近、わろてんかと主人公カップルの役者が逆だったらまだ見やすかったかも、と思っています。まんぷくは、ベテラン感のある二人がショボいことやってるからか余計えげつないですが、若手同士だったらまだ許せた気がします。わろてんかは、二人のビジュアルが可愛らしすぎて笑いとかけ離れた感じがして、見る気が起きなかったものですから…安藤サクラさんと吉本芸人の絡みなら、見たかったです。

足元

昨年の紅白、ほぼ直虎スルーでしたが涙

視聴率など全て世間の表面的な反応で判断してるように思います。半青の出来は否定しませんが、紅白は星野源さん人気では?

でないと、直虎ファンとしては寂しいという、ただそれだけのコメントです、失礼しました!

匿名

昨日の放送を見て、絶対に家出は萬平が謝罪して回収されると思っていたけど、
まあ案の定、制作陣は問題の本質がさっぱり分かっていないってことが今日のでハッキリしましたね。
鈴の家出の原因を「”先祖は義経”を笑ったから」とする脚本。
「そうですね、そうですね。と聞いてあげないといけない」とか、本当に酷い。

「仕事でもなんでもない家事をやってるだけなのに、
はいはいと話を聞いてあげないとヒステリーを起こすワガママババアを皆で笑いましょう」というコメディ回でしたね。
脚本家達、正気とは思えません。これが2010年代のドラマですか?

これが架空の登場人物を描いたただのフィクション要素ではなくて、
女性を年齢で差別し、シャドウワークを見下す脚本家達の思想の現れだと断言できるのは、その後の鈴の描き方にあります。
ラーメン屋に匿われながら鈴が漏らした不満。
「塩作りなんかはじめたから、飯炊き女をやらされてるの」
「たいだい、最初からあの二人の結婚には反対だったのよ」
そう、鈴本人が、問題の本質である無賃労働・過重労働に言及しないのです。
というか、言及できないのです。
なぜなら、脚本家に、それらの行為が問題であるという倫理観がまったくないから。
ないものは書けない。当たり前のことです。

お母さんがいなくなってた~~いへんなのよ!と借金先に吹聴して回る割には、
茶飲み話に花を咲かせる、支離滅裂な思考の主人公。
鈴が家出をしている、萬平と福子が探しに来ている、という2つの事実を見て、今タカは製塩所で男たちのなか一人きりだ、と気がつかないボンクラ忠彦。
年寄り女を追い出して、若い女が来たことに色めき立つ従業員たちを描く女性蔑視表現。

本当に1日でもはやく打ち切りになってほしい。
福田靖、完全に枯れてます。これ以上醜態をさらす前に、筆をお折りになったほうが良いかと。あと過去作品の盗作疑惑はどうなりましたか?

100作品目がより良く見えるように、わざとやってるのかもね。

羅蜜王

私の祖母は終戦後まもなく近くの海岸で1畳ほどの鉄板で海水を煮詰め、
出来た塩をへらでこそげ落し、袋に詰めて売り歩いていたそうです。
錆などの混入よりも砂の混入の方が品質を左右し、いかに砂を取り除くかに
懸命だったとのこと。
幼いころの母(祖母の実娘)は着るものが貧しく、新しい服を欲しがって
母親にねだっていたこともあったそうです。
祖母はその服を買うため一生懸命海水を煮詰め、塩を売り歩く毎日で、
ある日念願の服を娘に買ってきてあげたということです。

そのことは今でも母は覚えており、あの時の感激と母親のありがたさは一生
忘れられないといっております。
田舎の小さなお話ですが、
少なくとも、祖母がした仕事は母親の心に深く刻まれております。
セリフ一言で塩作りを蔑まれたような表現になってしまったことは
残念の極みです。

塩ラーメン好き。

塩がなかったら人間、死んじゃうんだよ。
なのに、塩づくりが
人の役にたってないかのごとき
台詞はひどすぎる。

匿名

「人の役に立つ仕事をして欲しいんですう〜」には仰天しました。従業員、タカちゃん、お母さんの汗の結晶の塩はひとの役に立たない、なんて、ヒロインが自分たちのして来たことを否定してストーリーをぶち壊すのは前代未聞ですね。

お母さんの家出も笑いのネタにしたいようですが、全く笑えないエピソードを「さあ笑って」みたいな演出が多くてもう辟易です。どうしてここまで脱線するのか、ひょっとして脚本家さんは「朝ドラを根本から破壊しよう」としてわざとやっているのか…? そうだとしたらあまりにナンセンスでシュールです。

このドラマをどう解釈したらいいかわかりません。これに比べたら散々批判された前作は、誠に常識と良識を備え、脚本の辻褄もきっちり合った王道の朝ドラだった、となりそう…。

匿名

台所に男が立つのを笑う… 百福さんの研究小屋には台所しかなかったような。
制作の人たち 大丈夫…?

(*^◯^*)コメントを残してもいいんだ!

朝ドラの王道()って言うより、もはやNHK大阪朝ドラワースト作品の寄せ集め状態と化したまんぷく・・・
ウェルかめ(倉科カナのセクシーシーンしか印象に残らなかった)と純と愛(うるさいのと不幸のワンパターンで胸糞)とわろてんか(主人公空気化と時代考証崩壊)のごった煮になってきてる・・・

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