まんぷく 45話 感想あらすじ視聴率(11/21)塩、ラーメン、食に謝れ!

男の所有物になれば女はハッピー

男の性欲は幸せなもので、女というのは所有物宣言をされたらうっとりするもの。
そういう価値観、ありませんか? 感じませんか?

「タカは俺のものだ」と言い合う従業員たちに対しては、微笑ましいどころか薄気味悪い感情が喚起されるだけでした。そういえば立花も、真っ先に福子に対して確認したのが「他の男がいるかどうか」でしたよね。

こういう、女を所有物にするメリットって、男側にしかないんですよ。

所有物扱いなら、会社備品で釣ろうが、身内を虐待侮辱しようが、臨月なのに連れ回そうが、ノホホンと笑って許してくれる。

父・忠彦の、娘・タカへの態度がうっすらキモイ件。
それもまさにこれでしょう。
父親の所有物扱いされる娘のことを「愛されて幸せだ」と言わんばかりに描いております。

忠彦の年代ならばそういうものと思われるかもしれませんが、それは違います。

『べっぴんさん』ヒロインモデルの父は、娘には機転を身につけてそういう価値観が分かち合える男性を見つけて欲しいと願っておりました。
娘が旅行先で知り合った青年との結婚を許しているのです。

朝ドラべっぴんさんモデル坂野惇子◆ファミリアを創業したお嬢様の痛快ビジネス道

「#父親を嫌いに…」お父さん、どうしたらいい?|けさのクローズアップ|NHK おはよう日本

こんなタグがあり、NHK『おはよう日本』でも取り上げられたようです。

一方で『まんぷく』のようなドラマを流したら駄目でしょう。
全然わかっていないと証明したようなもので、忠彦はタカをカワイイカワイイと連呼します。

これが娘への愛情?

・貶すにせよ、褒めるにせよ、しつこく父親に容姿をジャッジされたくない
・娘を所有物のように語る
・父である自分が許さない男は駄目なんだぞ、って何様のつもり?

こういう引っかかりを覚える、そういう女性もいる。
父が娘を所有物扱いする描写を、微笑ましいものとして扱う……そのセンスがもう絶望的に古いのです。

「女は俺のもの」という連中にビシッと反論

序盤でも、福子が容姿を貶される描写を、おもしろおかしく描いていておりましたっけ。
ハラスメントや性差別をお笑いにする。
2018年に流すようなことですか?

ちなみに、こういう「女は俺のもの」という連中に、ビシッと反論した作品があります。
『マッドマックス 怒りのデスロード』です。

ジェンダー関連の専門家監修の元で作られたこの作品は、女性を解き放つというメッセージを送っています。

その点がいかに優れているか。
本作と比べてみましょう。

・女を解放する主体はあくまで女のフュリオサであり、マックスはその相棒
→イモータンジョー(男)からマックス(男)が取り返すのであれば、女の所有権移動になるだけ。ゆえに主体は女のフュリオサであって、マックスは立ち去らねばならない
・老年女性が多い「鉄馬の女」は、若い女たちを救うために命がけで戦う
・奴隷扱いされていた女たちの心の叫びは「私たちはものじゃない!」

女性を圧迫する悪として描いた要素を、『まんぷく』ではことごとく踏み抜いています。
もう本作スタッフは、フュリオサと「鉄馬の女」にぶっ飛ばされればエエねん。ヒャッハー!

今さら戦争被害者に同情?

はい、本編のツッコミへと参りましょう。

本作はもう何もかもが、とてもプロの仕事だとは思えなくなります。

とあるプロの方に失礼なことを書いてしまったらしいのですが、申し訳ありません。
演技派である主演二人ですらお遊戯会に見えてしまうので、呪いでもかかっているんでしょう。

とにかくなぜこれがプロの仕事なのか?と思うほど脚本がひど過ぎ、絶句するしかない。
箇条書きでまとめますね。

・立花萬平(まんぷくモデル安藤百福)、今日も仕事をしない
・臨月の妻を平気で連れまわす(臨月の腹で歩くのがどれほど大変か)
・行方不明者の捜索をするのに、手がかりもなく歩き回るだけの無能っぷり。警察に行こうよ!
・そう思っていたら、真一の勤務先に押しかけてやっと掲示板を活用すること思いつく。仕方ないんだ、こうして主人公の知能を下げて、歩き回る【ファミコン8bitRPGクソゲーシステム】だから
・アバンの鈴家出といい、神部の回想シーンといい、異常なまでに長い。時間稼ぎが露骨過ぎやしませんか?

はい、それでもって、ここから先、
「人の役に立ちたい!」
と思うきっかけとなる【戦争被害者】の姿を見て驚く場面です。

今さらって鈍感すぎ!
歴代朝ドラ主人公の中で、一番気がつくのが遅い!

こうして街中で見かけないと、被災者の苦痛に思い至らないというのも絶句です。
あなたのところにいる若い従業員だって同じような境遇でしょ?

そういう従業員をさんざんブラック労働でこき使いながら、ここで今更、
「人の役に立ちたい!」
とか言い出したら本気で人格を疑います。いや、もうとっくに疑っとったけどな!

なぜこんなシナリオが通過してしまうのか。
いっそ、そのバカな感性の奥底に迫るドキュメンタリーでも作って欲しいわ。

食への関心の薄さが痛々しい

最後に、私の中でくすぶり続ける台湾ルーツ削除につきまして。
本作で、台湾ルーツを削除しちまったなあ、としみじみと感じる点があります。

それは中国語圏の方が持つ儒教的な美徳がないところ、食への関心の薄さです。

中国が舞台の作品を読んでいると、
「老母がおりますので、あなたにお仕えすることはできません」
「親の服喪中ですので、今はちょっと……」
という描写があるんですよね。

『三国志』の趙雲もそうです。
男性だろうとそう。親の世話を妻に任せたきりでは、親不孝者として軽蔑されます。

こういう祖先、親、年上の方への敬意は、中国語圏であれば美徳の中の美徳です。

妻にとっての祖先である武士を小馬鹿にし、義母を虐待じみた目に遭わせるなんてありえない。
中国語圏ならば主役がやらかした時点で、大ブーイングになりますよ。

そして食への強い関心。
中国語圏の男性は、日本よりも台所に立ち調理をするハードルがはるかに低い。

中華鍋を振るって、うまいものをささっと作ってこそクールガイ!
そう言いたげに、鼻歌を歌いながら料理をちゃっちゃっと作る男性の場面を、中国語圏の映画やドラマでご覧になられた方も多いのでは?

日本の戦国武将もそうでしたね。
細川幽斎なんかが、熱く包丁の使い方を語っておりました。

こういう、中国語圏の食べ物へのこだわりでぐっと来たシーンと言えば?

『男たちの挽歌 II』でしょう。

レストランで争っていたマフィアが炒飯をひっくり返した時、周潤發(チョウ・ユンファ)扮するケンが落ちた米を手で貪り食いながら、こう言い放つのです。

「米に謝れ!」
そうなのだ!
これぞ米を箸で食ってきた男が放てる、最高のセリフですわ!

香港映画では、
「茶水」
というスタッフがクレジットされます。

ケータリング担当という意味ですが、食事担当者は大変ありがたがられて、スターからも敬意を払われているとのことです。
中国語圏の感覚がご理解いただけたでしょうか?

そんなものはない(横山光輝『三国志』関羽顔で)。

うん、知ってた……こういうところにこだわってルーツを活かしていればなぁ。
嘆いても遅いんですけどね。

本作に対しては、發(ユンファ兄貴)からこう言って欲しいです!

「塩、ラーメン、本作中に出てくる食の全てに謝れ!」

※スマホで『半分、青い。』や『八重の桜』
U-NEXTならスグ見れる!

文:武者震之助
絵:小久ヒロ

※レビューの過去記事は『まんぷく感想』からお選びください

まんぷくモデルである安藤百福の記事、ならびにラーメンの歴史もリンク先からどうぞ!

【視聴率参考:朝日新聞デジタル

 

6 Comments

菊之助

松坂慶子さんがいい味出してる、と思うのは私だけかw
確かに酷い扱いを受けていますが、そのリアクションが全部(個人的には)面白いです。「お母さん、可愛そう」と言いながら笑ってる。
「源義経の子孫」なんている訳無い訳ですが、お母さんが知っている一番有名な武士が「義経」、ってことで、つまりアレは可愛い思い込み(もしくは嘘)ってだけで笑えませんか。
それを見て「源義経」をググるって視聴者の行動も可愛いような。
ま、ウチの母親ですが。

匿名

ココまで展開が酷いと、視聴率下落が目に見えるよな。
完全に安藤百福の物語から逸脱し過ぎて本末転倒。
おまけに日清食品の顔に泥を塗るやらかしだし。
脚本にNHK出入り禁止令が出るんじゃ無いかと余計な心配してしまう。

かなた

普段も事故続発におののいてますが、今日のダレは格別でしたね。
お湯入れたのをすっかり忘れてたラーメンみたいで、
「なるほどそう来るか…」と心震えました(笑)

それにしても、よりにもよってこんな時代に
セクハラ・パワハラ・モラハラてんこ盛りドラマをただタレ流す公共放送って…
ハラまんぷくで倒…

あ、でも、もしかしたら、
そういう考え方の人たちを反省に導き、やがて改心してもらうことを狙った
深遠かつ壮大な物語の〜序章〜なのかもしれません。… 。

正直、あまりの情けなさに傷は深いですが、ここに来るとほんと元気出ます。
みなさんの聡明爽快なコメントもしっかり味わいたくて、
わざと遅めに来たりしています(笑)

匿名

塩作り編になってから、女性の描き方や、仕事に対する姿勢や考え方が加速度的に酷くなっていますね。
「半分、青い。」や今の再放送「べっぴんさん」では女性たちの頑張りや、仕事に情熱を傾ける人たちが、厳しくも温かく描かれていたので、ギャップが大きいです。
ツイッターも荒れてきています。
無理矢理「まんぷく」を上げるツイートが減って「これはおかしいのではないか?」という意見が一気に増えたのは健全な傾向だと思います。
前作でも大暴れして恐ろしかった「BK作品はとにかく褒めちぎる、AK作品は徹底的に叩く」人たちのトーンも落ちているようです。
脚本の福田さんはヒット作を沢山書いた方らしいですが、どうも朝ドラとその視聴者を軽く見ているような感じがしてしょうがありません。

choko

先週までは何とか見れたんですが、今週はどうしてここまでひどい展開になってしまったんでしょう。制作側が何を考えているのかさっぱり分かりません・・
さすがに脱落者が続出するんじゃないかと思います。私ももうやめようかと思いましたが、怖いもの見たさで見ようかと迷います。

「この時代に女性の扱いが低いのは当たり前だった」というコメントを見ましたが、実際は目上の人への敬意はあったはずですよね・・「この時代だから」とかいう問題じゃないですよね。
秋風先生の件で「目上の人に逆らうな」と言った人は今作でどこに行っちゃったんでしょう・・

それだけじゃなくてツッコミどころもありすぎて、立花夫妻が今さら戦争被害者に気付くのも今まで何見てた⁉︎って感じだし、福子もダーリンのことしか見えてなくて、あそこまで周りに関心がないのはもはやサイコパス夫婦じゃないかと思えてきます。前作の鈴愛は自分勝手などと言われていましたが、思いやりのない子ではなかった。

インスタントラーメンができる話だと聞いて面白そうだと思っていたのに、どうしてこうなった・・

三太夫

危うし
鈴は家出で、主人公夫婦は姉克子の家にお泊り、と‥。
「タカちゃんは俺のものだ」って言い合っている連中の中に
タカが一人で取り残されているのですが。

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