まんぷく 46話 感想あらすじ視聴率（11/22）ガチロリ神部の姑息な口説き

酷いイジメで画面を直視できない

そして今週最大のどちゃくそ腹が立つところ。

鈴虐待問題です。

確かに鈴の性格には問題があります。
だからといって「こんなクソババア、いじめてなんぼでしょｗｗｗ」みたいな描き方には絶望感すら湧いてくる。

問題点を箇条書きにさせていただきます。

・論点すり替え
→鈴を無給でこき使ったことが問題の根底にある
→それが「武士ルーツをバカにされた鈴のわがままのせい」ということにされている

・シャドウワーク軽視
→誰のおかげで食事をして、快適な環境で暮らせると思っている？
→御輿が勝手に歩ける言うんなら、歩いてみいや、おう！

・鈴を寄ってたかって侮辱している
→立花萬平、実の娘たち、従業員など鈴の世話になって来た連中が、寄ってたかって鈴をバカにしている
→謝罪しろと迫る者までいる始末で、さすがにここまで来ると酷いイジメで見てられない

・主犯免罪
→責任者である萬平が、鈴と従業員に対して問題の根底を見直した上での謝罪をすればマシだったが、それもない
→世良の中抜きもすべて萬平の無能に起因していたのにことごとくスルーしている

いやぁ、しょーもない！

なんで、
【忠彦が鈴の容姿を褒めながら、絵のモデルにすれば解決】
になるんだよぉおおおおお！

忠彦の絵でウットリ♪じゃねーわ

褒めてなだめすかす忠彦って、相変わらず問題山積みです。

・妻子への愛をアピールする
→しかし絵をまともに売ろうとせず実家の仕送りにべったり

・タカが心配だとアピールする
→男みっちりの場所に泊まり込みで手伝いに行っても、その後は心配してない

立花夫妻も鈴もガードに入らない状況、ご存知ではないのでしょうか？

なんかもう、口先だけのカスって感じがヒシヒシと伝わってきて辛いのです。
こんなネトゲ廃人の口先にほだされて、鈴さん、それでええの？

それとですね。
絵のモデルって大変なんですよ。モデル料を払うくらいでいい。
『半分、青い。』の秋風先生は、律とマアくんに、学生バイトとしては破格の時給2千円を支払っておりました。

そういうのを本当に曖昧にしますよね。

克子がモデルになりたいと嫉妬するあたりもおかしい。実の母が描いてもらって嬉しいわ、ぐらいナゼ言えない？

これも【ババアと若い女は敵対している妄想】由来っすね。
鈴が褒められてうっとりしているのも、バカバカしい。

美術史も徹底的にスルーかい

あと本作の脚本家、日本史もろくに調べていないから期待していませんけど、美術史は調べてすらいませんよね？

美術史をかじってみれば、画家がキャンバスに描く女性像は、若くて美しい女性ばかりではないことくらいわかるはず。

鈴くらいの年齢の女性がモデルであれば、歳月を重ねて積み重ねた皺、表情、経験由来の知恵。
歩んできた人生が、尊厳として備わった素晴らしい肖像画が描けるんですよ！

現在「ルーベンス展」開催中のルーベンスの一例をあげておきましょう。
リンク先をご覧ください。

「ババアの絵なんて描いてどーすんのｗ　若くて綺麗なお姉ちゃんを描いてこそでしょｗ」
と言う方は、芸術家の適性がありません。

若くて綺麗とおべんちゃらを使いながら、描いている忠彦。
こいつの絵が売れない理由は、そういう精神性で描いているからでは？

考えてみると、本当にわからない……。
本作の美術史関連のすっとぼけぶりがスルーされて、前作の少女漫画関連にブーイングを浴びた理由がわからない。

この肖像画関連の背後にある思想も、腐り切っています。

【女なんて機嫌損ねても、可愛いと褒めてケーキでも買ってやればおさまるでしょ】
的なパターンですね。

この誤解がいくつの悲劇を生み出してきたことか……。

別に全員が甘いもの好きじゃない。
乳製品や卵アレルギーの人だっている。
ケーキを切るナイフが職場にないのに、持ってこられても大迷惑。

そんなもんで、相手が今まで受けた仕打ちがチャラになってくれると思うなよ！
そもそも、そこまで親しくもない相手から容姿をジャッジされたくないものなんです。失礼なんですよ。

こんな理由で、激怒が深く刻まれるパターン、実際の社会では往々にしてあります。

とりあえず本作制作陣は、全員まとめてハラスメント研修をみっちりマラソンしてから戻って来いとしか言いようがありません。

本作の使い道。
ハラスメント研修の、ダメ実例の教材としては最適です。

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↓

文：武者震之助
絵：小久ヒロ

※レビューの過去記事は『まんぷく感想』からお選びください

※まんぷくモデルである安藤百福の記事、ならびにラーメンの歴史もリンク先からどうぞ！

【視聴率参考：11/26に発表です】