ゴールデンカムイ アニメ感想あらすじ 第二期22話「新月の夜に」

箱館戦争で戦った父の子

数日後。
いよいよキロランケと杉元は、トンネルを掘り進み監獄内へと入り込みます。

ここで待ち受けていたのが、あの門倉です。

ここは門倉の宿舎です。
彼の手引きで、“のっぺら坊”とアシリパを引き合わせることになります。

判明する門倉の正体。
彼の父は土方の戦友である旧幕府軍だとか。

この状況から推察できることは、こんなところですかね。

・ 死んではいるが、戦死かどうかはわからない
・幕臣か、旗本か、佐幕藩士か? 新撰組隊士である可能性は除外してもよいはず(それならばそう告げるはずだから)
・戦死したかどうかはさておき、門倉の父は少なくとも新政府に仕えてはいない
・ 門倉はあまり恵まれていない境遇の者として、北海道で生きるほかなかった

門倉の父がどういう経歴か気になりますねえ。
年齢的に、門倉は幕末時は子供であったのかもしれません。

ちなみに箱館戦争で亡くなった幕臣の中には、なかなか熱い人もおりまして。

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箱館戦争って、結構皆の思いが違うんですよね。
死に場所を求めていた土方タイプもいれば、新政府で居場所を見つけられるような、スキルが高い人物もおりました。

この後者の典型例が、榎本武揚。
福沢諭吉からボロクソに、
「函館戦争まで戦いながら新政府に仕えるとは、ゲスの極み!!」
と『痩せ我慢の節』でさんざん叩かれました。

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門倉の父は、おそらく前者でしょう。
彼は新政府に求められるほどのスキルがなかったか、あるいは誇り高すぎるゆえに戦場で散ったか。

息子の門倉は飄々としていますが、土方と戦友であった父は熱い幕臣だったのかもしれません。

ここで土方が、尾形のことを呼び出します。土方は、第七師団長庶子の尾形は出自がややこしいと投げかけます。

尾形の出自も気になるところがありますけれども、ナゼ彼の父は庶子の尾形を捨てたんでしょうね。
一応世間体を気にしたとされてはおりますが、あの当時って政府の偉い人でも下半身事情はなかなかゆるゆるなものでして。まあ、庶子一人くらいどうにでもなったと思うんですよね。
それだけ妻への愛が深かったんですかねえ。

新月下潜入作戦

白石は、インカラマッに“のっぺら坊”の正体について占ったことがあるのかと尋ねます。

なんとその占いは、半々。
はじめのうちこそ偽物と出たのに、最近はそうでもないのだとか。

この占いの使い方もうまいなあ、と思いますね。
フィクションでは百発百中の占いを出してもそれはそれでよいのです。

インカラマッの場合は、その的中率が半々くらいですし、彼女自身の推理が入っている場合もあります。なかなか面白い使い方だと思います。

そしてついに、月のない夜。
いよいよ網走監獄侵入作戦開始です!

さてこの網走監獄。スゴイ場所なんですわ。
脱走も侵入も至難の業です。

網走監獄(網走刑務所)が過酷だったのはナゼ? ゴールデンカムイと共に歴史を振り返る

潜入作戦は、いきなり見つかってしまいピンチに。
これで門倉はもう無職決定だと牛山が語ります。うぉーい!!

その門倉は、茶碗を割って注意を逸らし、それなりに頑張っています。

土方は仲間とはぐれる中、アシリパはついに“のっぺら坊”の房へ。
しかし、この“のっぺら坊”は黒い瞳!

つまり、別人です。
アシリパはほっとした顔になるものの、侵入が音で判明してしまいました。

門倉の小細工で看守の銃が故障しているものの、絶体絶命であることには変わりはありません。
どうやら“のっぺら坊”は替え玉です。

なんだかすごいことになってきた!

犬童典獄は、この事態を察知していた様子でした。
しかもインカラマッは、何か危険を察知して谷垣に逃げるようにと言ってきます。

インカラマッは、やはり鶴見と通じていたのです。

陸軍の第七師団だけではなく、海軍まで動員している鶴見。
「雷」型駆逐艦がやって来ております! ここまでするんかーい!!

大湊要港部司令官・鯉登平二海軍少将は、あのお坊ちゃま鯉登少尉の父でした。
そんな大物まで動員してウキウキワクワクの鶴見は、シャチになると言います。その横で今日も月島軍曹は苦労しています(多分)。

それぞれの父と子

さて、本物のお坊ちゃまであると判明した、鯉登のちょっと不思議な点。

・明治時代といえば薩摩は海軍、長州は陸軍が優勢(例外はありますが)
・しかも父は海軍少将
・アニメでカットされた場面で船酔いしていた場面はあるものの、下を向いていたことが原因。並外れた運動能力からして、乗り物酔いと関係する半規管はむしろ発達しているはず

ここまで揃っていて、ナゼ陸軍を選んだのでしょうか?
推察できる点は、現時点では以下のあたりでしょう。

・鶴見の影響は考えにくい。陸軍幼年学校選択時(十代前半)に鶴見の影響を受けたとは思えないから
・おそらく海軍に入った兄弟がいる

いずれこのことも判明するのでしょうか。
気になりますね。

今回の話は、なかなかワケアリ父の子が揃いました。

負け組・箱館戦争幕府軍参戦の父を持つ門倉。
勝ち組・薩摩閥海軍少将の父を持つ鯉登。
勝ち組・薩摩閥陸軍中将の父を持つ尾形。

皮肉なことに、尾形は残りの二人が持っているものを持っているようで、持っていません。

門倉には、現在でも父の戦友を慕うほどであり、父子の情愛があるはずです。
鯉登には、父の七光りも、情愛もあるはずです。

尾形には、父の七光りもなければ、情愛すらない。
何も持たない子なのです。
こうした父子の関係も、このあと影響を及ぼすのでしょうか。

そして忘れてはならないもう一組の父子。ウィルクとアシリパ。
アシリパがアチャ(父)から受け取ったものは、深い情愛とアイヌの知識だけなのでしょうか?
アチャは誰の父と似ているのでしょうか? 門倉? 鯉登? それとも尾形?

※うわぁあああああああ、金カム、見逃してしもたっ><;
って、方はPC・スマホでゴールデンカムイ見放題のFODがありますよ


文:武者震之助
絵:小久ヒロ

【参考】
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1 Comment

まめしば

結婚差別で思い出したのですが、以前、書籍にて『結婚に反対している人に話を聞いてみると、意外にも彼らの中で差別感情を持っている人は、ごくごく少数だった。それなのになぜ反対するのかと問えば、彼らは一様に「世間には差別が蔓延していて、被差別者と縁ができれば、子供や孫が叩かれる。」「自分たちを恨んでいて仕返しされるかも。」と固く信じ、ひどく怯えていた。恐怖と猜疑にとりつかれていた。相手に無知な者ほど、その傾向が強かった。』という一文を読み、ひどく悲しくなると共に
「それならば、相手を知って、その”恐れ”を、なんらかの方法で取り除いてやれば、かなり過ごしやすくなるぞ!」
と前向きな気持ちになった事を思い出しました。
この作品がきっかけで、アイヌへのネガティブなイメージが、クールかつポジティブになった人々はかなりいると思うので、この調子でガンガン行って欲しいと願っております。

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