まんぷく 73話 感想あらすじ視聴率(12/24)蓼食う虫も好き好き

『特攻くずれ』という挫折感

男性への罵倒だって、容赦ないものがありました。

この時代特有のものですと『特攻くずれ』ですね。

特攻隊に入りながら戦死せず、挫折感を抱えて生きる帰還兵をこう呼んだわけです。
『はだしのゲン』の主人公兄・浩二、『仁義なき戦い』の主人公である広能もこうした系統の若者です。

一応、出征したはずの忠彦も真一も、シェルショックなんで微塵もありませんし、そもそも本作では戦死者すらいませんからねえ……。

このレビューでもしばしば取り上げる『ゲーム・オブ・スローンズ』は、中世ヨーロッパベースの価値観ですので、女性蔑視も相当なものです。

ただし、男も酷い目にあいます。

こういう世界観で、
「女は産褥で死ね。男は戦場で死ぬのだ」
と言われたら、そういうものだと納得ができるのです。

それが本作は【男がらみの話だけイージーモード】にされている。
「そんな時代だ」と言い張ってる方がいるとしたら、いかに無知で都合よいところだけとりあげているかご理解いただけるでしょう。

鈴への敬意のなさも異常だわ

この時代は、女性の家事、いわばシャドウワークに理解があった部分もあります。

鈴がメインで、福子、タカ、赤津の手伝い程度であの大所帯を回しているのは異常な状況。
当時は電化製品も少ないこともあって、シャドウワーク要員に賃金を払って、雇用していたものです。

年配女性である鈴への敬意のなさも、あの当時にしたって異常です。

朝ドラで女性蔑視を描けないはずがないのです。
過去作品でも、しっかりと描かれておりました。

現代舞台の『あまちゃん』や『半分、青い。』だって、女性アイドルの消費される姿や、低賃金といった問題にちゃんと向き合っていたのです。
本作より時代設定が古く、女性蔑視があった時代が舞台の『あさが来た』、『カーネーション』ではそこをスルーしていません。

こうした作品と本作のどこが違うって?

本作のヒロインたちは、ニコニコ笑顔で女性蔑視をスルーするところです。
反発し、戦うことはないのです。

まぁ、
「当時はそういう時代です。受け止めましょう、時代考証として正しいんです」
とスルーして受け流す方には、ちょっとよくわからない問題かもしれませんがね。

世の中、皆がそうじゃないことくらい理解しましょう。

そして、本作以外の朝ドラヒロインのように、世の理不尽に対して拳を握り立ち上がる女性たちに対して、背後からくだらない悪意を投げつけることがありませんよう、そのことを強く願う次第です。

祝!主人公たちから離れた人たち

はい、続いて今朝の朗報ラッシュです。

【祝! 泉大津のラーメン店、RPG酒場システム終了】

よかったですねぇ。
立花組というロクでもない冒険者どもが出入りしなくなって。

それでも哀れを感じたのは、店主が出前すると言い張るところ。
うん、そのくらい尽くす姿を見せないと、福子も鈴も何するかわかったもんじゃないように思えるもんな。

そして福子のお友達もおめでとう。

【祝! 水島家、金貸しNPC=ATM終了】

もうこの夫妻の出番も終わりですかね。

いやぁ、酷い役でした。
常にニコニコ笑顔で、金をたかられ続けるだけ。

結局彼らがどんな人間であったか、それすらわかりません。
本当に借金NPC=ATM扱いをされ続けただけでした。

そして名優・橋爪功さんもお疲れ様です!

【祝! 三田村退場】

心の底から安堵です。
ただ、なんだか最期までしょうもないセリフを言わされてましたね。

それにしても、余命三ヶ月の大恩人に従業員再就職を見つけさせるとは、福子はどんだけワルで無能なんですか。

というか、福子にナゼこれだけ思い入れがあるのでしょう?
立花夫妻なんて余命三ヶ月まで音沙汰なしだった。

しかも福子、死を目の前にした人間を前にして「生まれ変わったら」とか言い出す始末です。
ほんと、どういう神経してんの?

三田村さん、生まれ変わっても、こんな悪党の娘になんかなっちゃダメですってば!

できれば東太一・菅田将暉さんも一刻も早く、できれば年内離脱して欲しいものです。

そうそう。
退場はよいことですが、キャピキャピナレーションで三日後に「死にました」ってのもなんだかなぁ。

しかも三田村の感動させる台詞、
「生きていれば希望は必ずある!」
と言った直後に死亡でしたからねwww さすがにこれは噴いた。最高にナイスなボケセンスです。

ロリメンたちの名前朗読は時間稼ぎじゃなくて?

はいッ、本作の女性蔑視要素もういっちょ!

ナゼ、出産目前の福子が東京までホイホイ行くのですか?
臨月の割には体の動かし方もおかしいですし。

とにかく危険でしょ。

大阪から東京じゃ、主治医から離れてしまう。早産になったらどうするんですか?
それこそ母子の命に関わる問題ですよ。それとも、刑務所内出産チャレンジでもしているつもりかな?

面会室で、ボーッと名前どうするかではしゃいでる場合じゃありません。
福子なんて所詮無能なんだから、東任せでいいじゃないですか。

ロリメンたちの名前を朗読しての【時間稼ぎ】もいい加減痛々しいです。

ここからわかることは以下の通り。

妊娠は病気じゃないもーん! という言葉の誤解。
病気じゃない=気遣い無用じゃない、むしろ治せるもんじゃないってこと。

臨月の妊婦さんが笑顔でお腹を撫でている様子に、うっとりする不気味なフェチの発揮。
いますよね、電車で妊婦に席を譲ったんだから、お腹を撫でてニッコリ微笑むべきだとかよくわからんことを言い出す奴! 知らんわ!!

なんか本作の制作スタッフ、妊娠出産なんてタイマー式で余裕だとでも思っているんじゃないですかね。
こんな酷いドラマを、育児中の主演女優が出ていると思うと、別の意味で泣けて来ます……。

おぉーーーい! 本作スタッフゥーー!
妊婦シミュレーターでも鑑賞および体験せいやああ!

嫁姑問題って万国共通じゃないからね

最後に。
本作と炎上ともだちになりそうなドラマのニュースです。

ドラマ「ちょうどいいブス」、ネットで批判受け変更 新タイトルは「人生が楽しくなる幸せの法則」 

夏菜が演じるのは、 “自己表現下手くそブス”の彩香。 見た目的には美人ともブスとも言えないレベルで、存在感が薄く言いたいことを言えない受け身体質。

夏菜さんでも美人になれないのか!
ちょっと意味がわかりません。かつての大阪朝ドラヒロインやぞ!

これはタカ役の人も同じでしょう。

な・ん・で、この人たちがブス扱いなんだよ!
意味不明です。

それにしてもテレビ業界、大丈夫ですか?

「ちょうどいいブス」女性の容姿を揶揄した花王のPRに批判殺到

花王のPRで炎上した時点で、このドラマはあかんと誰か気づけないんですかね。
女性蔑視系の広告がガンガン炎上しまくっているのに、そこから何一つ学べないってどういうことですか。

大丈夫?
こんな時代なのに、こういうテレビ業界の闇を煮詰めたような朝ドラが、平成最後を飾るってどういうことなんでしょうか。

ドラマとしては駄作ですが、ゲスホイホイとしては高性能を発揮。
それが『まんぷく』です。

はい、今日もゲスが釣れました。

満島ひかりにバッシング報道が相次いだワケ 芸能界の「ルール違反」か

彼女に対する近頃の批判。それは、

満島の内面やプライベートにも報道が及ぶようになり、11月に「女性セブン」(小学館)は、女優・安藤サクラとの不仲説を報じた。ふたりは映画『愛のむきだし』で共演以来、互いに“家族のような存在”と認めるほど親友だったが、安藤が朝ドラ『まんぷく』で主演に抜擢されたことに満島が〈複雑な思い〉を抱き、〈なんで彼女が先なの? 許せない〉とショックを受けたという。その後、互いに距離を置くようになり、連絡も取らず、絶縁状態にあると伝えられていた。

これを見た時は、こう思ったものです。

「いや、むしろ朝ドラから距離を置こうと思うんじゃないかな……あの出来じゃあね」
ってね。
本作って出演者にとっちゃ罰ゲームですもの。

こんな報道がデタラメと喝破されたわけですが、この手の「女の友情はもろい」だの「女は対立する」だの、もう2018年だし、そろそろやめませんか?

ダメな朝ドラ&大河のあるある現象で、嫁姑争いを見所扱いするわけです。
女性差別の一種ですわ。

嫁姑問題って万国共通じゃないんですよ。はっきりとある傾向が見て取れます。

それは、嫁姑問題が好きな国というのは、ジェンダーギャップ指数が低位置にいるということ。

英語圏では、嫁姑の対立という概念はそもそもない。
義母と夫の対立があるあるネタなんですってば!

英語には、“Mother-in-law joke”(義母むかつくあるあるジョーク)という言葉すらあるほど。

そんな海外から見ると、こういう女性同士の対立ネタは、
「まーた男尊女卑国家日本人あるあるだよ〜」
と小馬鹿にされるそうですよ。
もう、心の底からくだらない話です。

ちなみに、今年の大河ドラマはこのくだらない嫁姑対立や脚を引っ張り合う女同士をプッシュしました。
それをきっぱりと否定していたのは、一昨年と昨年の大河です。

昨年の『おんな城主 直虎』では、家同士では対立しているにも関わらず、井伊直虎と寿桂尼の間には、殴り合うからこそわかり合えるような、同性の深い関係がありました。

一昨年は、北政所と淀の対立――そんな手垢の付いた関係性を最新研究に基づいてキッパリと否定。
同性同士対立の危険性としては、石田三成と他武将の方がはるかに豊臣政権にとって危険であると描かれておりました。

NHK内部でも、わかる人はわかっているんです。

こういう女性同士の対立ネタを、おもしろがっていて一番いけないのは、言うまでもなく「女性自身」なのです。このニュースの出所が『女性自身』というのも、皮肉な話っちゃそうですね。

根っこにあるクソ差別を見ぬフリなんてデキないんやで

最後にひとつ。
もっと大らかで、素直にこのドラマを受け止めろなんて言わないでくださいね。

本作の根っこにあるのは、台湾ルーツをブチ抜くようなクソ差別ですわ。

そこを見ないフリをして、
「夫婦愛にほっこりきゅんきゅん♪ それができない武者はカスで、私はハッピーでやさしいの」
なんて言われても知ったこっちゃない。

差別を見て見ぬ振りをすることは、私の中では断固として優しさなんかじゃありません。

中身にケチをつけられなくなったら、態度が悪いだの何だの言い出す――そりゃ、万策尽きたって証で、そんなもんかよ、とガッカリ感すら湧いて来ます。

せっかくだから、ここはひとつ、ガマガエルを食べて無毒と証明なさってみるとか、そのくらいなされたらいかがでしょうか?

※こちとらレビューを書いているときは、こんな可愛らしいウサギちゃん精神なので、どんと来いだっせ!

※スマホで『半分、青い。』や『八重の桜』
U-NEXTならスグ見れる!

文:武者震之助
絵:小久ヒロ

※レビューの過去記事は『まんぷく感想』からお選びください

まんぷくモデルである安藤百福の記事、ならびにラーメンの歴史もリンク先からどうぞ!

※コメントにつきましては、
・まんぷくここが好き!
・まんぷくここがアカン!
という意図でご自由に記述してください。
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9 Comments

匿名

「ちょうどいいブス」炎上の件をまんぷくに結びつけるのは無理矢理ではありませんか?
タカの容姿問題とは根は違うと思います。

なかの

蓼食う虫問題が酷すぎて成人男性が子供を恋愛対象にするヤバさが忘れ去られそう、というかそんなのばっかりですねこのドラマ

岸井ゆきのファン

岸井ゆきのさん出演の「映画」のファンです。
彼女がブス扱いされてる事に怒りを覚えます。
これからますます伸びて行くであろう若手女優なのに・・・

管理人

>匿名希望様
ご指摘ありがとうございます。
手紙のところは確認させていただきます。

それからタカの容姿についてですが、
一度でも「蓼食う虫」発言があり、同じ様な会話が複数回に渡って行われていれば
すべて同じ意図での会話と見るのが普通の感覚かと思われます。

タイツ

残念な朝ドラと言えば、私が見た中では「まれ」と「どんと晴れ」が思い浮かびます。
まれの放送時、どなたかのレビューで「突っ込む人間がドラマのなかにいないから痛い」と指摘されているのを見て、なるほどと思いました。好評だった「今日から俺は」だって、主人公が卑怯なやつだと周りが呆れているから面白いのであって、「すごい!」て言っちゃったらダメですもんね。
どんと晴れでは、数あるダメポイントの中でも、大女将が主人公にわけもなく肩入れすると言う設定が特に受け入れ難くて、白けてしまいました。
まんぷくを見ていると、「ハイブリッドだよぉ~」といつも感心します。

ガブレンツ

【使用例】
「こんなひどい手抜き、いい加減の限りを尽くした作品を、『王道の作品』などと誉め称える人がいるんだって!」
「へぇ~! とても理解できない。全く、蓼食う虫も好き好きだね。」

通りすがり

お前の蓼は日本には生えていない。残念!

Susuka

そもそも、「ブス」の定義って何なんでしょうか。
容姿を指すのか、性格を指すのか、頭の回転を指すのか、学歴、収入、恋人の有無、etc…
件のドラマがどんな粗筋なのかは知りませんが、夏菜さんのキャラに全く合わない設定にされていたら、本人もとんだとばっちりだなあ…

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