おはようございます。
今更ながらに妙な箇所が気になってきました。
名前です。
◆史実の結婚前→後
安藤仁子と呉百福→安藤仁子と安藤百福
◆ドラマの結婚前→後
今井福子と立花萬平→立花福子と立花萬平
一応、男性青&女性赤に色分けしたので、お気づきになりますよね。
夫婦同姓になる段階で、史実は夫が“安藤”百福と姓を変えたのに対しドラマでは逆。
福子が今井から立花になっております。
どうしてこんなコトをするんでしょうか。
こんな改悪のせいで、鈴の【ブケムスメプログラム】だってデタラメだってことが確定してしまいます。
序盤で突っ込みましたが、本当に武家の家名を残すことにこだわるのであれば、萬平が婿養子にする方がはるかに自然です。
ナゼ、こんな時代考証に無理がある改変をしたのか?
まったくもってダメなところで、再三指摘しましたように、本作は当時の男尊女卑は強調するくせに、男性が苦しめられた社会システムは徹底して消去します。
『結婚して夫側が姓を変えるなんてそんなもん、ありえねえし』
そういう戦後昭和に慣れきったあまちゃん男性が考えそうな話ではないでしょうか。
はい、ではいってみよ!
【83話の視聴率は21.6%でした】
カレーで勝ったって何なんだ
2018年は日曜夜の『西郷どん』がくるたびに恒例になっていながら、『いだてん』になってからはその心配もなくなったことがあります。
チェスト関ヶ原!
※『衛府の七忍』由良のネットスラングで「ぶっ飛ばせ」的な意味
しかし、2019年になっても平日朝は変わらずチェストしなければなりませんね。
今朝も、初歩の初歩である考証ミスが……チェストォォオオオオ!
世良と喫茶店オーナーの会話です。
「アメリカには戦争で負けたけど、カレーでは勝った」
って、アメリカにはそもそもカレーライスはない……いや、インドやイギリス式はあるでしょう。
しかし、日本と同じものは「日本式カレー」”Japanese Curry”と呼ばれます。
インドを植民地にしたため、その経由でイギリスに伝播
↓
そのイギリスに伝わったカレーを、明治時代に日本人がアレンジ
↓
日本式カレー誕生
こういう流れで、アメリカは関わっておりません。
視聴者の方も、ここは疑問符を浮かべていたのではないでしょうか。アメリカにカレーライスあったの?と。
英語圏でのイメージ カレーライス “Rice and curry”
日本式カレー “Japanese curry”
和食扱い、いや和風洋食扱いなんですよ、そのカレーは。
手元がよく見えないからインド式か、イギリス式かもしれない。だからって、アメリカのそんなモンに勝利したからなんじゃい!
マッサンがこう言うとしたら、まあわかります。
「わしの作ったウイスキーが、スコットランドに勝った!」
彼の性格的に、そういう下品なことは言わないでしょうけれども。
本場スコットランドで修行してきたマッサンが、そこに負けぬ味を作れたかもしれないと思っていたならわかるのです。
しかし、です。
本作のカレー勝利宣言は意味わからん。
そんな細かい会話に突っ込まんでも!
と言いますけどね。
これがもし、ハンバーガーやチーズバーガー、あるいはピザあたりならわからなくもないんです。イタリアとアメリカのピザは別物ですし。
当時の日本でもバーガーやピザを出すお店はありました。
ただし、味が劣っていてアメリカから来た人が食べると、
「うーん、イマイチ。アメリカのものと比較するとやっぱりねえ」
と感じたそうです。
そういうアメリカを上回るバーガーを出せたというのならば、わかるのです。
しかし、これが日本式カレーとなると、世良はそもそもアメリカのどこで食べたの?
日系人の店? わからん!
そう突っ込んでしまうのです。
それにこういうのって、センスが古いんですよ。
いちいちアメリカに勝ったと浮かれていたバブル臭。
はい、チェストォオオオオオ!
岩合さんの猫への態度を見習って
本編では、福子が恐ろしい顔をしながらまた前髪を触っています。
この癖と頬張ったまま喋る演技は、もうウンザリです。
福子の場合、昨日はクッキー、今日はミカン。
世良もカレーライスをモグモグしながら喋っている。
しかも世良は肘をテーブルについたまま、スプーンを置くこともなく喋っていて、食事マナーが本当に酷い。
源と幸も、食べる前に一言いただきますも、ありがとうもなく、貪るようにクッキーやミカンを食べてドヤ顔ですから頭を抱えたくなる。
子役の食事シーンですらここまでイライラするように描けるのって、ある意味すごいですよ。
松坂慶子さん一人が、常に凛としているのがこれまた……クソババアと散々周囲からバカにされておりますが、一番立派なのがどう見ても鈴さんなのです。
萬平の隠蔽残業でも、彼女が一番正論を吐いておりました。
岩合光昭さんの『世界ネコ歩き』において、猫が餌を食べる場面のほうがよほど礼儀正しく見えるんですからイヤになっちゃいます。
そうそう、岩合さんね。猫にちゃんと許可取ってから接近するあたりも、実によくできていますね。
本作の皆さん、岩合さんを見習ってください。
こんな労働態度を連日見せられましても
食事だけじゃない。勤務態度も最低です。
福子ぉ!
職場で知り合いの横に座って人生相談って、どういう性格しとんじゃーい!
あらためて問いたいと思います。
福子の喫茶店勤務は必要がありました?
家事を鈴にブン投げる。
髪の毛を触る癖の不潔感がアップ。
勤務態度がいちいち悪い。
喫茶店オーナーのルー大柴みたいな英語がイライラする。
もう、腹立たしい要素てんこ盛りです。
史実の安藤仁子が行ったことならばわからなくもありません。
しかし、史実における彼女に近いのは、むしろ鈴。
仁子は我が子がおそれるほど厳しい態度で、教育熱心でした。いわば昭和の教育ママですよ。
本作の学歴大好きお勉強大嫌いスタッフは、そういう教育ママが嫌なんですか?
萬平はもう突っ込むのも嫌。
真一も無能でストッパーにはならない。
梅田銀行からのアドバイスが何の意味もありません。秘書もそりゃ困惑しますってば!
しかもこれ世良の、
「町工場ヘルプは趣味やろ」
発言のせいでますます洒落になっていない。
萬平は、自分の趣味でこれから信用金庫を潰すわけですか。
立花萬平って、ずっと獄中にいたほうが世のため人のためなのでは……。
万能調理器開発から漂う疑惑
昨日、萬平の発明試行錯誤が見たいと指摘しました。
が、無理なんですよね。
その過程を見せることはできない。
今朝、設計図を前にして、萬平がジューサーの刃がどうのこうのと語っておりました。
ここから推理できること。それは……
【本作スタッフは、万能調理器の考証をブン投げた】
ということです。
まず、設計図にまるで書き込みがない。
線でざざっと描かれているわけですが、そこを訂正して書き直したあとも、赤鉛筆での書き込みもない。
そのまんま。綺麗過ぎる。
本当に試行錯誤しているのであれば、もっと汚くなければおかしい。
しかもこの設計図は、一瞬チラリとボケたカメラワークで映されるだけ。
萬平のセリフもそう。具体性に乏しい。
おまけに、抑揚があって夢中になって専門用語をガーッと語るようなものとは違う。
前作『半分、青い。』において、萩尾律が試行錯誤しながら扇風機を作っていた場面を思い出してください。
あのときは数式が画面に浮かび上がり、周囲が聞いても理解できないような、熱にうかされたような抑揚のない口調で、律はガーッと喋っておりました。
あの場面で流れる数式は素早い。
とはいえ、静止できる。
そうなれば突っ込まれてもおかしくない。
それを映すということは、そうなってもよいという覚悟と自信あればこそなのです。
ここ、重要ですよ!
『まんぷく』の万能調理器・設計図はボヤケていて、ツッコミできないほどわかりにくい。
萬平の語り口は発明家のものじゃない。詐欺師ですわ。
あるいは、中身がない発案を、いかにも素晴らしいように見せたいと考えている業界人か。
しかもこの萬平のセリフに、BGMがバッチリかぶっている。
中身が聞き取れないように演出しているんですよ。
ボロが出るのがそんなに怖いんですか?
ほんっと、大事なところで労を惜しむ作品だよなぁ。ごまかしばかりです。
考証大嫌い、試行錯誤大嫌い。
そんな作品で、チキンラーメンやカップヌードルの開発なんか、マトモにできるワケありませんね。
セレブ扱いでチヤホヤされ、気がつけばボタン連打で終了しているドラマですわ。
(続きは次ページへ)。
→立花福子のモデル・安藤仁子の生涯
画面に映っていた図面は、開発用のものというよりは製品完成後に作図する感じのものでしたね
年明けても、ここまで即席麺にかすりもしてないのですが…
チキンラーメンもカップヌードルもスペースラムも、あるのに…
子作り発言…これに関しては『舞台が夜這いシステムやくらやみ祭システム(群婚システム)の残る地方の農村や漁村』あるいは『夜這いシステムに慣れ親しんだ出稼ぎ労働者の吹きだまりであるスラム』であり、登場人物が『下層階級の人々』だったらリアルでアリでした。(赤松啓介著『夜這いの民俗学』参照)
しかし福ちゃん達は戦前の厳しいモラルが染み込んでいた『中流階級の都市民』でしょう。それで下ネタはキツイ。
どうしても下ネタを描きたかったら『あいつは下層の出身だから~』的な台詞を言って欲しかった。
もうだいぶ前から見ていないのですが、今日たまたま久しぶりに見ることとなりました。私がまず驚いたのは女性陣の服装が現代的すぎることです。福子も克子もタカも現在流行中の服を着ています。特に冒頭で福子が着ていた黄色いブラウスなどは大変人気のあるものです。ボウタイ、ボリュームのあるパフスリーブ、「とろみ」と呼ばれる生地、とトレンド要素がてんこ盛りなのです。克子の着ていたカットソーかニットか分かりませんでしたが、あのトップスはスタイリッシュで現代的なデザインであの当時ではあり得ないと思います。最後のほうの福子のちょっとレトロなスカートもそのほかの服もみんなデパートやショッピングサイトなどでよく見かけるものです。
レトロっぽい服が最近人気なのでそのまま使えると思ったのでしょうか。レトロっぽいのと本当のレトロは、シルエットや生地の質感が違うのですぐ分かります。もうあまりの違和感でストーリーどころではありませんでした。こんなことが馬鹿みたいに気になるなんて色々ドラマを見てきて初めてです。
現在の既製服を使っている件は、前からそうじゃないかと気になってはいましたが、少し豊かな昭和30年代になったのでますますその傾向が強くなっていると感じました。実際はまだまだ豊かとは言えない時代のはずですが、どうやら福子一家は裕福なようですね。(←最近見てないので…)
工場の女性がおぶっている赤ちゃんが可愛すぎてウルっとしてしまいました。なぜこんなことで泣きそうになるのか自分でも不思議でした。『ひよっこ』のちよ子と進にはよく泣かされたことを懐かしく思い出しました。
『まんぷく』見てると文句ばかり言いたくなってしまい、どんどん嫌な人間になっていくようで怖いですが、あの赤ちゃんに救われた気がしました。