還暦夫婦の浴衣ごろ寝
還暦義父とアラフォー婿の入浴も相当きついものがありました。
が、いまだに浴衣でイチャつく萬平さぁんと福子も薄気味悪い。
いや、いちゃつくことそのものが悪いわけじゃないんですよ。
例えば『いだてん』の大森夫妻はよかった。
本作は露骨なお色気サービスで気持ち悪いんです。
もう60才なんですから、他のシーンで夫婦の気遣いを魅せる場面ってないんですか?
萬平は発明ができない
いよいよ最終ターンですが、萬平が「発明をしなければ!」と言い張っても何も出てこない様子が、もうシャレになっていない。
かなり辛い。
振り返ってみましょうか。
・幻灯機(※明治時代に普及済)
・根菜切断機(※似たようなものはとっくに存在)
・盗電密漁(※発明じゃない、犯罪だ)
・ハンコ(※印章文化の起源は、古代の中国大陸よ)
・ダネイホン(※有毒ガマガエルで作ろうとした)
・万能調理器(※全然便利そうじゃなく、類似品は既にある)
・まんぷくラーメン(※ん? ん? ん?)
本命かつ最後の即席麺の発明にしたって、疑惑マンマンですからね。
萬平を発明家にしたことで、盛大な墓穴を掘ったとしか言いようがありません。
半年かけて墓穴を掘るなんてすごいなっ!
福子が無能なのは最初からでしょ
「会社が困ったら何かする!」
と福子が言うわけですが、こう返すしかない。
「何するの? 何もできないでしょ」
本作関連でこんなニュースがあるようですが、
◆安藤サクラ主演NHK朝ドラ「まんぷく」に「女がバカな役回り」との批判が続出|ニフティニュース
いや、最初から女が無能っていう世界観はブレがないでしょ。
その答えは、熱い炎上仲間が出しておりますよ。
◆「働く女は、結局中身、オスである」 小学館の女性誌広告に批判、識者「時代遅れ」(J-CASTニュース)
どうして本作の女は、バカでろくに働かないのか?
鈴が黄忠になる一方、現役子作り世代のカワイコちゃん枠と思われる女性は違うのか?
頭がいい、仕事上有能。
そんな女は、
「いくらカワイイ顔をしていても、中身がオスじゃそそられないんだよね~~」
ってことでしょう。
カワイイ顔とバカな中身があってこそ、安心していられる。
大学に行っている幸も、どうせバカなカワイコちゃんでしょ。
「休講が多いノォ~」
ってセリフからもその傾向が見えたわ。講義がないなら、自習したってエエんですよ。
「大学はレジャーランドだ!」
と言いたげな、学歴大好きお勉強大嫌い世界観が滲み出ている。
そりゃ『半分、青い。』を血相変えて批判するよね。
働く女も、賢い女もいたもんね。
にしたって、どんだけ惨めな要求なんだ?
海外ドラマの知勇兼備ヒロインを見たら憤死しませんか? 大丈夫かな?
うん、やっぱり燃やそう。
武者は無関係な炎上と無理に結びつけている!
こんなものはレビューじゃない!
って、SNSで延々とブ~たれてる本作信徒さんもおられるようですが、炎上仲間は皆どこかでつながってるんですよ。
当人が当たり前のこととして気付かず流してしまうから炎上するわけで。
その無神経さがヤバイのです。
英語を勉強しないって自慢すること?
男もバカなこの世界。
世良は相変わらず下品な喋り方と威張り散らし方で、この世界を広く教えてくれます。
「お茶汲みなんて秘書にやらせればエエんや」
出た。
飲食物を女にサービスさせて、威張りたい【ファイナルオヤジファンタジー】やで~!
スタバのコーヒーをオフィスで飲む世代が、ついていけないやつですよ。
そしてこういう人は、年齢と性別だけしか威張れる要素がない。
中身がない。
それは世良を見ていればよくわかります。
「英語わからんからミュージカルなんか見てへんわ!」
このガハハ。すごい加齢臭だなっ!
リアルな世良世代、戦中派はもっと英語に対して危機感があったものです。
史実での安藤仁子氏は、母の配慮もあり英語力を身につけていました。
ドラマでは下手くそな使い方をされた挙句、いつの間にか消滅しましたけどね。
現代の若い世代も、語学力で海外進出を目指している方が多い。
『MAGI』では英語のセリフをきっちりこなす若手俳優がいて、素晴らしいと思ったものです。
英語なんて学ぶ必要がない、日本はよい国だ、外国人が日本語を学んででも来たがるんだ。
世良の描き方はそういう世代。
どちらかといえば世良の息子世代ですね。
んで、そういう世代と下の世代では、深刻なジェネレーションギャップが生まれるものです。
「コンビニにいる外国人従業員の下手くそな日本語、おもしろいよなあ!」
「大坂なおみちゃんのたどたどしい日本語、ウケるよね」
こう話を振られても、こんなモヤモヤ感で胸がいっぱいになるばかりです。
それなのに、テレビですらやるんだからどうしようもない。
「私がもし外国で英語をバカにされたら、もういたたまれない」
「あの外国人だって母国語はちゃんと話せるよ。日本語しか話せないくせに、なんでえらそうなの?」
って言い返したいわ。ハァ……。
そういえば『MAGI』の酷評でも差別ど真ん中があって驚きました。
あのドラマには、日本語を話す宣教師役で、外国人俳優が出ております。
彼らに対する感想の中に
「ガイジンの下手くそな日本語が耳障りだ!」
というものがあったのです。
いや、だからね。
流暢な日本語だったら設定が破綻するでしょ。
なんでわかんないの?
あのドラマで英語を一生懸命に話している日本人俳優に、
「日本人の汚い英語は聞くに堪えない!」
って評価がついたらどうですかね。そんなことも想像できないの?
下ネタで笑いを取りに行く時代はもう終わる
大介の放屁も、痛々しいものがありましたっけ。
屁をこいて笑えると思っている世界観に、もうついていけないんですよ。
放屁はまだいい。炎上しないから。
しかし、そうでない下半身ネタは燃えますよ。
今、広告で権限を持つトレンディクリエイター大御所と、朝ドラ脚本家さん。
同年代で似たような価値観をお持ちでは?
こんなお仲間を発見しました。
何をお詫びしたのか?
何が問題だったのか?
というと次のようなフレーズです。
「手クニシャン、そろってます」
「ハードプレイがお好きなあなたに」
もう、セクハラ感覚が満載以前に寒いし、面白くもない。
本作におけるこういう表現ど真ん中って、忠彦のエロモデル騒動(しかも二回!)と同類じゃないですか。
性的なニュアンスがそこかしこに漂っていて、作っている側、信徒だけ大喜びが伝わってきてシンドイ。
「エロマンボダンスで色覚が治る!」
って、一体なんだったんですか?
もう、チベットスナギツネ顔になるしかないわ。
このニュースでも唖然としました。
◆美術家・会田誠氏が“セクハラ”訴える女性に反論 ネット上で賛否両論(デイリースポーツ)
この件では、訴えた女性が30代。
そしてニュースに出てくる反論している漫画家の娘が50代、漫画原作者が80代なんですね。
それなのに、
「エログロナンセンスこそがトレンディな若者感覚! それにケチをつけるのは、三角メガネをかけた狭量なおばさん!」
と言いたげな論調がある。
いや、年齢層が逆だ、逆!
この【エログロナンセンス=トレンディな若者の感覚】ってなんなんでしょう?
『ゴールデンカムイ 』の話になった時、こんな経験がありまして。
「あの作品はアイヌに対する考証、時代考証がきちんとしていて、そこが現代にふさわしい力作だと思えるんですよね」
「まさか! あんなエログロ青年漫画なんて、何も考えずにパーッとノリでやっているだけだし、ファンだって裸と殺しを見て笑っているんでしょ!」
あの漫画の巻末を見たことないんでしょう。
どんだけ参考文献が掲載されているか。
専門家の監修がついているか。
私もアニメ版レビューでは、調べ物に結構苦労したものです。
そういうことすら把握できずに、
「エログロでパーッとバカやってこそトレンディ! そういう面倒なことを気にするのは三角メガネのPTAおばさんだけ!」
で止まっている世界観は、どういうことなんでしょう。
80年代のバブル若者やぞ、それ。
『ゲーム・オブ・スローンズ』、『マッドマックス 怒りのデスロード』でも、起こる話です。
何も考えずにパーッとしているだけの傑作なんて、そんなもんないんです。
萬平ラーメン教は永遠に不滅です!
朝ドラの話になった時、ある人がこんなふうに切り出したんです。
「最近の朝ドラで好きな作品? 『あまちゃん』でしょ、『ひよっこ』も。あ、あと、そのぅ……『半分、青い。』もいいかな……って。賛否両論だとはわかっているけど、結構、嫌いじゃないっていうか、ね。あっ、アンチの気持ちもわかるけど!!」
「いいと思いますけど。好きですよ、あれ。何をそんなにビビってんすか?」
「やったあああああ! よかったああああ!」
(以下、『半分、青い。』トーク)
なんでも、会社の上司から『半分、青い。』をちょっと褒めただけで無茶苦茶に罵倒され、あんなドラマが好きならばこれまでだとまでだ、と凄まれたらしい。
「隠れキリシタン」かよ! 『沈黙ーサイレンスー』の世界だなっ!
ちなみにその人は『まんぷく』をベタ誉めしていたそうで。
執拗なまでの前作叩き。
そして本作信徒。
そこから見えてくるのは、ジェネレーションギャップです。
悪質な前作アンチの言い分って、会社でパワハラセクハラする上司や学校のいじめっ子そっくりでした。
「女のくせに鈴愛は生意気なんだ!」
「この俺様を怒らせてタダで済むと思うなよ!」
「生意気だ!」
「こんなものが好きなファンなんて、どうせ友達もいない人間のクズだろう!」
そんでもって、私みたいなしがないレビュアーにはネチネチ絡むのに、映画監督とか著名な団体にはダンマリという……。
いじめやハラスメントが悪いと思わないまま、育って来た世代には、本作教義は最高かもしれません。
しかし、もうそんな時代じゃない。
あと一ヶ月、萬平さんを崇め奉ってください。
MANPEI!
MANPEI!
MANPEI!
MANPEI!
萬平ラーメン教は永遠に不滅です!
※スマホで『いだてん』や『八重の桜』
U-NEXTならスグ見れる!
↓
文:武者震之助
絵:小久ヒロ
※レビューの過去記事は『まんぷく感想』からお選びください
※まんぷくモデルである安藤百福の記事、ならびにラーメンの歴史もリンク先からどうぞ!
※コメントにつきましては、
・まんぷくここが好き!
・まんぷくここがアカン!
という意図でご自由に記述してください。
作品に関するものについては全て掲載しております。
攻撃的な書き込み等については、こちらの判断で削除させていただきますので、あらかじめご承知おきください。
いだてんを偏差値で批判している人って、自分の論法が偏差値信仰だって気づいてなくてイタいなと思いました。
戦後の闇市で儲けた日本一の金持ちが安藤百福(呉百福)です。
世良が安藤百福と言う説が正しいと思う。
男性だけではなく、前作の脚本家を毎日朝から晩まで叩いていた4,50代の女性(つまりは脚本家さんと同世代の女性)層も目立っていました。
「自分の周りにもこういう人間がいたから、何を考えているのかわかる。(脚本家は)最低の人間だ」と怒りを撒き散らしていた人などは、勝手な決めつけと、むしろ同族嫌悪としか思えませんでした。
それに嫉妬も混じっていたのでしょうね。
そういう方たちの多くは「まんぷく」を絶賛していらっしゃいます。
ダブスタも凄くて、滑稽以外の何者でもありません。
朝ドラって、そもそも主婦層も職業人も含む女性を主な視聴者と想定して制作しているものと、ぼんやり思っていましたが。
いつから、差別主義むき出しの連中(オヤジ層…と言いそうになるが、どうも性別・年齢を問わずいるらしい)に乗っ取られてしまったのか。
そんな連中のご機嫌を伺って何になると言うのだろう。
まんぷくを見ていると『のび太系男子』という言葉を思い出します。
『のび太系男子』の特徴
・重い責任を背負いたがらず、キツイ仕事も嫌がる。
・だらしなさは恥じるのではなく、さらけ出す事こそ誠実だと思っている。
・賢くて強い女性は怖いので、絶対的な力の差で確実に上位に立てる未熟な女性を好む(そうでない女性は怖いからこそ大声で叩いて恐怖心を誤魔化したり、下剋上を防ぎ地位を守る)
・専業主婦家庭で育っているため、家事・育児・男のケアは女の仕事だという価値観が染み込んでいる。知識としてアップデートが必要とわかっていても、面倒だしやりたくないしで逃げる
……なんだかまんぷくの登場人物にかぶりませんか。
このドラマはバブリートレンディ層だけでなく、のび太系男子のハートもがっちり掴んでいるんでしょうね。
となると、思ったよりもかなり広い層に人気があるんでしょう。
初期の予定だと、鈴さんはこの前で退場予定だったのかな。