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なつぞら感想あらすじ なつぞら

なつぞら8話 感想あらすじ視聴率(4/9)「内向性」の描く世界

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なつだけでも、北海道へ連れて行ってくれ。
自分まで行ったら、妹・千遥を迎えに行けなくなって、かわいそうだ――咲太郎はそう気遣います。

なつも迎えに行く。
それまでの間、預かって欲しいと頼む咲太郎です。

しがみついて泣くなつ。
しっかり働いて、必ず千遥と一緒に迎えに行くからと誓う咲太郎。

ここは感動的であるだけではなく、作劇上重要です。
生き別れた人と、どう再会するのか。
これはポイントになりましょう。

『半分、青い。』の鈴愛と律は、この再会まで会えて引っ張ることをポイントとしていたのだとか。

「すぐにくっついたら、それは引っ張っていない。むしろもったいない!」

そういう考え方もあるのです。

「なつを幸せにしてくれ。不幸にしたら許さないから、覚えとけー!」

咲太郎が必死で叫ぶところも、よいものです(見ている方はここで号泣ですね……)。

預かってもらってなんだ、子供のくせに生意気だ、とならないところも本作の優しさです。

下の立場の者は、顔色を伺ってビクビクしていろ。
そうマウンティングすることって、もうかっこ悪いんですよ。

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怒りを通り越したらどうなるのか

ここまで聞いて、捜索隊の面々はホロリとさせられています。

本作の巧みなところは、説明をここまで取っておいたことです。
なつを引き取った当初にこの説明があると、ここまで感動しないはずです。

富士子はじめ大人たちは、兄の負担を減らすために我慢してきたなつを思い、胸を痛めています。

「会いたくなっても仕方がないさ」

なつは怒っているだろう。そう思いをはせる富士子です。

この言葉から、本作の女たちは不満があればガンガン怒ることも伝わってきます。

なんてったって、咄嗟に
「頑固ジジイ!」
と父を怒鳴る娘だもんね。思ったら、自然にそういう言葉が出てくるのです。

ここで、その頑固ジジイこと泰樹は、高い知略でこう分析します。

怒りなんてとっくに通り越してる。
怒る前に諦めとる。
それしか生きる術がなかった。
あの年で。

怒れる者は幸せだ。
幸せを守るために怒る。
争いごとが嫌いで、怒ることもできなくなった。
望みはただ、生きる場所を得る事だ。

この言葉は、ものすごく大切なことだと思います。

このレビューでも取り上げてきた【Metoo】のような怒りを示す運動をめぐり、バカにする動きも出ています。

◆マツコ・デラックス「フェミニストは想像だけで性を語る超ブス」。だからフェミニストはセクハラ批判の資格を持たない?

ここで、ちょっと泰樹流で考えてみましょうか。

怒ることは、幸せだ。
守るものがある。

そう! 怒るっていうのは、別にネガティブなことではありません。

・怒りはハッピーだ。幸せのため、自分のあとに続くため、よりよい世界のために怒ることは、実は幸せなんだ!

ここで、もうちょっと邪悪な真田昌幸流で、考えてみましょうか。

・怒ることを止めようとすること。それは相手が危険視しているということじゃ。この策でよい。もっと怒り、怒りを広げ、奴の城を焼き尽くすのじゃー!

雑な批判、反論は、むしろ弱点を晒します。
気をつけましょう。

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空気を読むより怒りを示せ

泰樹は、怒りをポジティブにとらえる。
そんな先進的な思想をズバリと付いてきます。

これは、実は日本ではむしろ伝統的な考え方かもしれません。

戦国時代、怒れば庶民だろうが武士だろうが、容赦なく反逆しました。
下克上ヒャッハーでした。

外国人宣教師がこれはとんでもない国に来てしまったぜ、と驚くほどでした。

外国人宣教師から見た戦国時代のニッポン 良い国?悪い国?鴨ネギな国?

江戸時代も、後期になると怒りに満ちた民衆パワーで、関東地方がとんでもないことになっていきます。

新選組の天然理心流はナゼ殺人剣法に? 幕末関東が『リアル北斗の拳』だったからです

明治時代も、この傾向は続きまして。
明治時代の政治家は、暗殺に倒れた、重傷を負った。そんな人物も多いものです。

自由民権運動も、実はなかなかアグレッシブな展開を見せております。

そんな彼らを情け容赦なく取り締まり、そのせいで暗殺ターゲットにされた人物。
『いだてん』三島弥彦の父です。

彼の母・和歌子が仕込み杖を携帯しているのは、夫を守るためのものでした。

三島通庸「鬼県令」と呼ばれて~2019大河いだてん三島弥彦の父は精忠組のメンバーだった

これを危険視し、取り締まりを強化し始めた。

それは日露戦争の後です。
言論弾圧もセットになっていました。

日露戦争は勝利に非ず!? ゴールデンカムイの帰還兵たちが翳を背負っているのはナゼなのか

むしろ伝統的にみてくると、日本人って全然空気読めないのよ。

読めるようになったのは、江戸時代中期や日露戦争以降。
やたらと怒っている人は、むしろ原点回帰してんの。

「最近はSNSでも怒っている人が多いけど、空気を読んで楽しく生きます」
みたいな投稿もチラホラ見かけますが、まぁ、それはあんまり伝統的な日本人の作法とは言えないんだわ。

怒りの可視化と北海道、そして2019年は、相性がよいのかな、運命かな、って思います。

ここでも取り上げている『ゴールデンカムイ』のアイヌ像は画期的です。
それも、怒り、かつ策略をめぐらせているからなのです。

和人は長いこと、アイヌはろくに思考回路をめぐらせることもできないと、見下し騙す傾向がありました。

アシリパ以下、あの作品は違います。
彼らは強く、賢く、遠大な計略を立てています。自分たちの搾取や差別に怒りを見せているのです。

そういうアイヌ像を、和人のフィクションが避けて来たのはナゼか?

怖いからです。

アイヌを見下すにせよ、善意を抱くにせよ。
彼らは無欲で無害、和人の行って来た搾取にやり返さないと思いたかった。信じたかった。

そんな時代では、もうないんだわ。

『ゴールデンカムイ』ファン必読の関連書籍3冊レビュー!重い読後感の先に

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生きるためには水だ

その頃なつは、川べりに行きます。
と、偶然、クラスメートの天陽が釣りをしておりました。

兄と買い物に来て、彼だけは暇つぶしをしていたようです。なつも、自分も買い物に来てここで待っているのだと言うのでした。

さて、ここで泰樹がこう言い切ります。

「一人で生きようとするなら、水だ」

知略99は、こうなります。
有能かつ勤勉の軍師タイプ。昌幸と完全に一致。

・子供の脚力を踏まえた行動範囲

・生存に必要な要素を経験から推測

捜索範囲を的確に絞る。こういうことができる。

これがもし駄作なら……わかるな?

タイプ:無能かつ勤勉

「片っ端から皆で捜索だーーーー!!」
→そして偶然見つけて、大仰なBGMで泣かせにかかる。もうエエわ。

天陽は、なつのおかしな様子に気づいています。

魚を食べたがること。
いくらなんでも、ここでそんなものを食べたがるのはおかしい。

家で何かあったのか?
寂しそうだ。

これも彼の観察眼のおかげです。
馬の絵からも伝わって来ましたが、彼は動きや様子をじっと見ているタイプなのです。

ここで、天陽の兄である陽平も登場します。
なつを気遣いつつ、学校で会おうと言い立ち去ってゆくのでした。

なつよ、そんなに寂しく笑って見せるな――。

そうナレーションが語る中、明日へ。

「内向性」の描く世界

ここでコメント欄で指摘のあった、鈴愛となつのタイプについて。

細かいところでは、違います。
実はかなりざっくりとした、心理学準拠の分け方で同じところに入れています。

それはざっくり言いますと、【内向】と【外向】です。
前者が少数派で、諸説ありますが四人に一人くらいとされています。

それ以外は、結構違いがありますもんね。

近年の朝ドラを中心に【内向】をちょっと示してみます。

内向+アーティスト:空気が読めない、夢みがちな子。基本的に優しく、不器用。男女比の差がそこまで大きくない。

・奥原なつ(『なつぞら』)

・楡野鈴愛(『半分、青い。』)

・秋風羽織(『半分、青い。』)

・天野アキ(『あまちゃん』)

・小原糸子(『カーネーション』)

・金栗四三(『いだてん』)

・古今亭志ん生(『いだてん』)

・真田幸村(『真田丸』)

・大谷吉継(『真田丸』)

・新島襄(『八重の桜』)

・上杉謙信(『風林火山』)

内向+研究者or軍師:一歩間違えると謀略ヒャッハー。気がつくと消えていてトイレあたりで考え事をしている。「あいつ、なんか気持ち悪いよな」と言われていると本人もわかっている。うるさいわ! 男性が多い。

・萩尾律(『半分、青い。』)

・菱本若菜(『半分、青い。』)

・西門悠太郎(『ごちそうさん』、娘・ふ久も)

・小野政次(『おんな城主 直虎』)

・酒井忠次(『おんな城主 直虎』)

・真田昌幸(『真田丸』)

・本多正信(『真田丸』)

・石田三成(『真田丸』)

・直江兼続(『真田丸』)

・西郷隆盛(『八重の桜』)

・山本勘助(『風林火山』)

・武田信玄(『風林火山』)

ちなみに****には、【内向】であるとはっきりと認識できる人物は、出て来ません。

他の作品と比べると、こうなります。

少年漫画黄金期とされる傑作

【内向】『ジョジョの奇妙な冒険』

【外向】『ドラボンボール』『ONE PIECE』

今では大人気作品と認識されている『ジョジョの奇妙な冒険』。
現在もアニメ5部放映中ですね。

原作の連載とアニメに、これだけライムラグがあるのはナゼなのか?

実は、高評価を受けてはいたものの、そこまで人気がなかったのです。
アンケートシステムですと、掲載順位が低迷するのです。特に複雑化した5部以降は顕著でした。

その理由として、難解かつあまりに【内向】傾向が強いからではないかと思います。

5部主人公のジョルノ・ジョバーナとその父ディオ・ブランドーは、はっきりと【内向】傾向があります。

一応形式的には、ジャンプ黄金原則「友情・努力・勝利」に則っています。
しかし、その一方で『ジョジョ』は相手の特質を見極め、それに対して頭脳を使い反撃しないと、どうにもならない世界観です。

「オラにみんなの力を分けてくれー!!」
という世界観からは遠い。
そのため、難解なのです。考えなければ、スタンド使いは勝てません。

この作品根底にある安心感

さて、ここで考察の続きを。

上であげた通り、脚本家・大森寿見男氏は【内向】傾向のある軍師・山本勘助主役の『風林火山』をきっちりとこなしました。

今にして思えば、あの勘助も結構気持ち悪い言動がありました。
ただ、勘助が邪悪というよりも、空気を読めなさすぎてそうなっていた……。

【内向】を理解するクリエイターの作る【内向】タイプの物語は、よいものとなり得ます。
特に歴史モノとの相性は抜群です。

ちなみに【内向】傾向のある人物は、人生において結構楽しくないこともあるものです。

空気を読めない。
陰キャ。

そうよく言われます。
うるさいわ!

じゃあ【外向】型はどうかって?
地道に勉強するなり、意見を取り入れるなりすれば、よいものを残せます。

しかし、間違えてしまってはいけない。駄作を作りかねない条件を備えることもあるのです。

【外向】傾向しか理解できない、しようとしないクリエイターが、【内向】キャラクターを描くとおかしなことになります。

【内向】が好きで得意な、地道なロジックによる組み立てができない。

一人で考えることの大切さがわからない。空気を読めるように書き換えてしまう。
最悪の場合、ただの不愉快な奴になる。

本来【内向】のモデルを【外向】にした結果、歪んだ一覧:

****の人物全般(※ただし**さぁんモデルである安藤百福氏自身は【外向】)

小橋常子(『とと姉ちゃん』)

白岡あさ(『あさが来た』、後半が顕著)

亀山政春(『マッサン』)

村岡花子(『花子とアン』)

西郷隆盛(『西郷どん』、彼以外もそういう人物が多い)

梶取美和子(『花燃ゆ』、吉田松陰はきっちり【内向】でしたが)

黒田官兵衛(『軍師官兵衛』)

直江兼続(『天地人』)

どうしてこうなるのか?

それは、世間の求める人物像が圧倒的に【外向】であるからです。

「その理屈はおかしい」と言って怒るとか、反論するとか。そんな奴はいらない。

そうなってしまう、このままじゃ嫌われ者だよ〜と言われるから、余計なお世話で性格を変えた結果、何かがズレてしまうのです。

特に、これは女性ほど顕著な傾向にあります。
だから【内向】ヒロインは朝ドラでまだまだ珍しいのでしょう。

あとこれです。

【オタク=内向】
ではありません。
これはものすごく重要です。

ハッシュタグで祭りをしている時点で。

SNSのフォロワー数の増減をいちいち気にする時点で。

受け狙いの投稿を考えている時点で。

LINEグループの投稿にそわそわしている時点で。

大量投稿で世論誘導したいという時点で。

大丈夫だ。
キミは【内向】じゃない。
まだまだ、大丈夫だ。多数派につこうとしている。空気を読んでいるからねッ!

そしてここで一番困るのは、**さぁんタイプなんです。

自分は本来空気を読める【外向】。
お勉強嫌いなのに【内向】クリエイターだと思い込んで、いじめとマウンティングに走るタイプ。

そういうのはもうやめようね!
約束だよ!

※スマホで『なつぞら』や『いだてん』
U-NEXTならスグ見れる!

文:武者震之助
絵:小久ヒロ

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【参考】なつぞら公式HP

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主要7社ぜんぶ入ってみました
当サイトのリポートです


 

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