なつぞら97話 感想あらすじ視聴率(7/22)鉄腕アトムに斬り込んで

先週はこの話題作が地上波初放映でしたね。

◆映画『万引き家族』地上波初放送。安藤サクラの演技に注目

いや〜、演技が素晴らしかった!
ここまで演技力のある女優を使いこなせないって、罪以外のなにものでもありません。まぁ、あのドラマのことですけれどね。

池脇千鶴さんの熱演にも目を奪われました。
大森氏の『風林火山』でも存在感ありましたもんね。

Gackt起用でザワついた大河ドラマ『風林火山』名作だったことを再確認

フロンティア(開拓地)の女

なつはなんと、取材を受けております。

『週刊文夏』の「フロンティアの女たち」というコーナーだとか。
時代を切り開く女性アニメーターというわけです。

開拓地の女!
泰樹も納得することでしょう。

北海道から上京して7年目にして、今なお子供の頃の夢を見続けているようだと語ります。

広瀬すずさんはなつにぴったり。
夢を見ている純粋さが出ています。

その出来上がってきた雑誌を読んで、亜矢美も感心しています。

「できる女って感じ!」

「目立ちたがり屋みたいで……」

そう照れるなつ。
これも彼女の性格で、目立ちたいわけではないのですね。

アニメーター試験で腕を振り回す。
階段や廊下で動きの確認をする。
服装が個性的。
言うことがキツい。

こういう言動で以って、目立ちたがり屋だの、アピールがウザいぶりっ子だの、そういう的はずれな指摘は困ったものです。まぁ、揚げ足取りですね。

亜矢美は雑誌を大量に買い占めております。
なんでも常連さんに売るみたいで、彼らも欲しがっているそうです。大好きな女将の娘みたいなものですからね。

本屋の営業妨害では……となつに突っ込まれますが、そもそも茂木社長の店から買ったそうです。ははっ、なかなか商売上手、持ちつ持たれつですね。

家族や信哉には送ったのか?
と聞かれると、なつは照れております。信哉は現在札幌の放送局勤務だそうです。

札幌といえば、駅のすぐ裏に北海道大学のキャンパスもありますよね。

大学を出たあと、あの軍師は何をしているのやら。
まぁ、広い街ですから、そう偶然に夕見子と会うとは限りませんが。

それでもなつの記事は買っていることでしょう。

なつはこう呟きます。

「千遥に送れたらいいのにな……」

「きっとどこかで見てるって」

亜矢美が励ましつつ、店内のポスターに目をやれば、漫画映画『わんこ浪士』に、
「奥原なつ」
の名前は掲載されるようになっておりました。

目標達成ですね。

なつぞら70話 感想あらすじ視聴率(6/20)天才なんだと褒めたいけれど……

「絶対見てるって!」

そう亜矢美が励ます中、咲太郎とレミ子がやってきました。
ちょっと髪型も変えて、服装もオシャレになって、すっかり社長ですな。

蘭子と雪次郎の関係は?

服装と態度でから【仕事が順調だとわかる】このセンス。

なんでもレミ子は、少年役として主戦力だそうですよ。
野沢雅子さんみたいですね!  あっ、世代的にも近いかな。

一方、訛りのダメ出しされてしまった雪次郎は克服したようです。
よかったなぁ。

なつぞら89話 感想あらすじ視聴率(7/12)天真爛漫、無邪気でずるい

それだけでなく当たり役も見つけた様子。
ここで藤井ディレクターもふまえたアテレコ場面が出てきて、雪次郎の提案したセリフのアレンジが蘭子たちに褒められます。

このアテレコドラマは『ビューティフル・ナンシー』。
『奥様は魔女』あたりがモデルですかねぇ。

強気な妻・蘭子と、気弱な夫の雪次郎が当たり役なんだとか。
劇中の台詞も面白い。

「二人とも料理を作って、おいしいほうが作るのがいいでしょう!」
と、妻の提案。
やはりこのあたり、ジェンダー観点を意識しているのかなと思わせます。

なつぞら84話 感想あらすじ視聴率(7/6)男子厨房に入るべき

このドラマは夕見子が絶対好きでしょ。
って……んん?
強気な妻と弱気な夫か。やっぱり夕見子と雪次郎は縁がつながっているのかな?

そんな当たり役のせいか。
劇団内では蘭子&雪次郎カップルの噂で持ちきりだそうです。

しかも、この手の噂はもう事実だというのが劇団あるあるのようで、咲太郎もそう言い切ります。
なつだったら何か情報を知っているのではないか?とレミ子が聞いてきます。

「恋の噂は当たってる。昔からそう」

亜矢美も自分の経験とあわせて、納得しているんですね。

「なつの職場もそうだろ」

咲太郎が言うと、なつの脳裏にはバレーボールで失敗する坂場の姿が浮かぶのでした。

なつぞら96話 感想あらすじ視聴率(7/20)結婚で男女が失うモノの差よ

おっ?
坂場が好きだったか……。

彼の面倒臭さを理解できるのは、なつぐらいしかいないもんね。
これは予想が外れたな〜。

夕見子先駆けの法則を考えると納得できるかもしれません。
あれもじいちゃんと似た【表裏比興】が好きでした。まぁ、高山は上辺だけの偽物でしたが。

つまり、なつは坂場に恋をして失敗する?
それとも成功する?

どうなるんでしょうか。

モデルの方はプライベートな情報を非公開としていました。
つまり、ドラマとしてはそれもありかな?

うーん、ひねりにひねるそういう着地点。
騙された感があって好きです。

あこがれの気持ち

なつは噂の真相を究明するため、雪次郎の部屋に行きます。
名目上は、雑誌掲載を話すためか、雪次郎の前に週刊誌を差し出しつつ、挨拶するわけです。

雪次郎は喜んでいます。
柴田家には恥ずかしくてまだ言えないというなつ。

彼女の羞恥心はかなり独特です。
階段や廊下での奇行はできても、雑誌を見せることは恥ずかしい。そういう人がいてもいいでしょ。

雪次郎は興奮します。
帯広でも買えるのかとワクワク。これは雪月でも買い占め販売しなくちゃ!
あの三人衆ならやってくれますね。

「演劇、楽しくやってる?」

なつはこう切り出します。
雪次郎は、レミ子と咲太郎から何か聞いたのか?と事情を察知します。

「蘭子さんとのことなら何でもねえんだ」

そう言いながら、あぐらから正座になる雪次郎。
この仕草ひとつで、彼女への敬愛がわかりますね。もう崇拝ですよ。

「蘭子さんに追いつきたいんだ。魂はやっぱりそこにある。惚れたのなんだの、そったらこと言ってる場合でねえ。芝居が好きなように、蘭子さんが好きだ!」

雪次郎っ、むしろこっちがお前に惚れたっ!
そう言いたくなるくらい、見事な言葉です。しかも北海道弁入り。いいですねえ。

本作って、そういう恋愛みたいで、そうではない崇拝がありますね。男女間、同性間双方であります。

マダムの咲太郎への思いとか。
茂木のなつへの親切とか。
なつの仲への敬意とか。

そういう憧れと恋愛を混同する――そこへ落とし込んだ上で利用しようとすると、反撃が待っています。抹殺パンチとか。

なつはそんな雪次郎を心強く思ったのでしょう。
こう語りかけます。

「雪次郎は昔のままだ」

「台詞はなまらねえよ」

「んだな」

「んだ!」

出た、「んだ」。これでこそ道産子だべな。

「写真の方が美人だな」

雪次郎がなつをからかう、そんな微笑ましい幼馴染の光景の後、なつの出社場面へ。
※続きは次ページへ

1 Comment

904型

昭和30年代は、確か週刊誌の発行部数が大幅に伸び、地方にも販売網が広がっていった時代。
今回の作中の台詞のように、帯広にも運ばれ、販売されるようになっていたでしょう。

この時代の週刊誌の輸送手段は、おもに鉄道小荷物(※「貨物」とは別です)。東京から各方面に向かう長距離急行列車に連結された荷物車(※「貨車」とは別です)に積まれ、指定された駅毎に卸しながら。北海道へは荷物車を青函連絡船で航送して。
はるばる帯広まで届けられたのでしょう。

こうしてイメージを膨らませてみるのも楽しいです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

CAPTCHA