なつぞら105話 感想あらすじ視聴率(7/31)坂場と結婚していいのか?

激動のプロポーズ、そして水曜日。
何が起こるのか?

冒頭、昨日の続きから振り返ります。

「僕の気持ち、ずっと前からわかっていたでしょう!」

は?

「いや、全然、わかりませんでした……」

と、これにはなつも困惑です。

きたよ。
こういう坂場の言動には、お約束のこれがふさわしい。

全くわからん!

だから、どういうプロポーズなんですか!

ここから先も、坂場のプロポーズが意味不明です。

「長編映画ができたら言おうと思っていたところなんです!」

「え、えぇ……」

「あなたの気持ちはどうですかッ!」

「はい、わかりました」

「えっ!」

「結婚します! あなたと結婚します!」

「えっ、結婚ですよ?」

「何を疑っているんですかッ!」

「映画が成功したらですよ!」

「それ……いる?」

あーーーーっ!
映像を思い出しているだけで頭痛がする。
頭痛、頭痛、こいつはなんなんだ!

とりあえず、プロポーズが【表裏比興】の極みすぎて意味不明なので、ゆっくり考えていきましょう。

モモッチに相談して整理しないと

とりあえず、なつは喫茶店でモモッチに経過報告します。

彼女に話して大丈夫?
流言飛語が広まらない?
噂は……?

と、懸念はさておきまして。

「なにそれ! いきなり言ってくるなんて!」

「びっくりするでしょ」

「つきあってたからでしょ」

いや、そうでないんだわ。
なつはそこは否定しつつ、諦めというか、納得しています。

「そういうものかな、やっぱりそうなるのかな、って……」

「なにそれ?」

モモッチもわかっていませんが、なつも無意識的なもので、なんだかわかっていない状況かもしれません。

なつは、押されて結婚するほど甘い性格ではない。
照男との結婚を画策した泰樹ジジイを、一騎打ちで負かしたわけですし。

なつぞら36話 感想あらすじ視聴率(5/11)世界一残酷な武器に刺されて

天陽や信哉は、不戦敗状態に追い込みました。

強いんです。
押されて負けて結婚するわけがない。

【表裏比興】枠の泰樹が心の師匠であり、同じ枠の夕見子は魂の姉妹です。

これも運命かもしれません。
こういう奴らは横で支えないとダメ。そう思ってしまうのかも。

一般的にフィクションでは、ロマンチックに演出するもの。

『半分、青い。』の鈴愛と律は、同じ日に生まれたことがそういう演出ではあったのですが。

本作はある意味それを深化させてきたので、わからない人には「全くわからん!」のドツボに突っ込むことでしょう。
度胸あるわ……。

困惑するなつに対して、坂場は自ら【長編成功】という条件を持ち出すわけです。

これも意味不明になりかねないところで。

【勝利条件:敵総大将・董卓を討伐せよ!】
とかなんとか出てくる『三国志』じゃないんだからさ……。

どさくさに紛れてか、モモッチも、実は同じ職場内の助監督とつきあっていると明かしてきました。
知り合いの紹介だそうです。

モモッチの恋愛エピソードは、なつと坂場の特異性と比較できるという意味でも、便利ではあるのです。

彼は「監督になるまでは結婚しない」そうでして。
なつはそういうものか、と納得したような、していないような。

「結婚と成功、関係ないのに……」

はい、ここで、それぞれの価値観を整理してみましょう。

【世間の常識、男のプライド】
◆モモッチの彼氏→世間的な成功を求めている。給料、男の甲斐性。そういうものがなければ、相手の家族に結婚を認められないかもしれないし

 

【愛が全て】
◆なつ→そういうことは関係ないしょ。愛情とか、一緒にいたいとか。そうでないかい?

 

【自説を証明したい】
◆坂場→世間がどうとか、なつさんの家族とか、それ以前に、自分の理論を証明したい。前提条件をまず満たさねば、それまでです

坂場よ……科学的な実験でもしているつもりか!

「降伏すると見せかけて、油のついた船で突っ込むと、燃えます! 証明してみましょう」
と、ドヤ顔で凄まじい作戦を立てる軍師か、おいっ!

なんなんだ坂場よ……。
口止めしたのに、仕上課どころか作画課でもバラしちゃいそうなモモッチも気になりますが。はてさて、どうなることやら。

長編映画フル回転、そして急ブレーキ

結婚話はさておき、長編映画はなつ自身の目標でもあり、フル回転で進んでいきます。

坂場が会議で映画の概要を語り始めます。

『神をつかんだ少年クリフ』仮タイトル

 

村の少年・クリフは、誰も抜くことのできない剣を引き抜きました。

 

しかし、その剣は砕けてしまいます。

死神、戦の神が砕いたのです。

 

死神は、人類に戦争をさせて滅ぼし、新世界を創造するつもりでした。

そしてクリフの元へ、死神の娘・キアラが降りてくるのです。

 

キアラとクリフは恋に落ちます。

戦争という運命の中、人々が善と悪を見出す――。

そんな物語が繰り広げられそう。なんだか面白そう!
けれども悪化というか深化というか進化というか、話がデカぁぁい!

坂場が喋り続けます。

途中で切り替わるのに、ともかく坂場はガーッと話していて、ちょっと中川大志さんが心配になってくるほど。
大丈夫ですか?
役に魂を吸われていませんか? ひと段落ついたら、ゆっくり休んでください。

なつぞら101話 感想あらすじ視聴率(7/26)背中で語る女の覚悟

はい、映画作りがフル回転しそうなところですが、ここで停止してしまいます。

恋と仕事は別です

また夏が来ました。

本作は、最近、季節経過が早いわけですが、これもなんとなくわかる気がします。
学生時代よりも、社会に出てからの方が仕事に追われてガーッと過ぎてゆく。そういうことはあるわけでして。

これも朝から結構心臓に悪いのです。
じっくりと、ガーッと、緩急つけて仕事をしている人からすると、背中に嫌な汗がにじむかもしれませんよ。

ストップした理由は、言うまでもなく坂場です。

キアラのキャラクターデザインが、決まらない。
なつがいくら出しても、通じないのです。坂場は容赦なくダメ出し。

見るからにあくどいデザインは違うのだ。
そう言われて、なつは困り果てます。じゃあ、かよわい外見なのか?といったらそれもダメ。

神地が横で、したり顔でこう言ってきます。

「強いのに、かよわく見えるなんて、ありきたりすぎる」

陳腐で全然面白くねえ。そういうダメ出し。
でもこれって、結構、現在のジャパニメーションに突き刺さることのような気もします。

胸のサイズ。髪の色。頰のあからめ方。
ゼリーのように、若い少女はぷるんぷるんとしている。

つり目のツインテールは、ツンデレ。
ハンコを押したような小さな鼻と、キラキラして大きな目。

戦国武将モチーフだろうが、ホストじみた髪型の男たちばかりで、そのキャラの年齢は? というと、さぁ、知りません。
おきまりの声優が、いつものパターンで息を吸って吐いて、同じようなセリフを言う。

そして壁ドン!

そういうお約束を、坂場や神地が見たらどう思うのか?

パターン化の方が楽っちゃ楽でしょうし、安心感もある。
でも、それでいいのか? と、そこまで本作は踏み込んできました。

それに「強い女性に、魅力が欲しい……」ってのも、指示が曖昧だーーーーーーーーっ!

倉田先生への天陽あたりからが始まりだった、指示ざっくり問題。
一番重大深刻な形で炸裂しおったーーーーーッ!

【曖昧指示・曖昧目標コレクション】

 

倉田→天陽「魂をキャンバスにぶつけるんだ」

 

泰樹→なつ「それでこそわしの孫じゃ、東京を開拓しろ」

 

夕見子→夕見子「これが私なりの開拓者魂です」

 

なつ→咲太郎「お兄ちゃんのやりたいことって何? それをしないでどうするの?」

 

先輩→蘭子→雪次郎「アマチュアの気持ちを忘れない演技をめざす」

 

神地→神地「何かでかいこと、動物ばかりじゃないでかいことをしたい」

 

坂場→なつ「樹齢が宿った作画にしてください」

 

坂場→なつ「強い女性に、魅力が欲しい……」New!

 

まぁ、夕見子と神地は自分を鼓舞しているためだから無害っちゃそうです。周囲は巻き込まれますけど。

ここで、ちょっと気になることはありませんか?

一応、なつと坂場は結婚を前提にしました。
これを踏まえると……。

・結婚条件なのに、作品そのものを破綻させかねないほどのダメ出しをする坂場は何なのか?

 

・なつが「この人は本当は結婚したくないの?」と思いかねないと想像できないのか?

 

・「恋愛をしたことで作風が変わる!」というパターンこそ、王道でイージーではないのか?

 

・結婚するほど気のあう二人なら、以心伝心ではないのか?

と、なってもおかしくありませんよね。
前作****では、エロスの追求や恋愛、夫婦関係が勝利パターンとして機能していました。

・夫が妻の閃きで正解を得るパターン

 

・主人公夫妻の考え方は、基本的に一致している

 

・エロマンボダンスを見ると色覚異常が完治する

 

・若手の画家がブレイクしない理由は「恋愛経験がない」と言われる

あれは嘘だろう、男は女あってこそビッグになれるなんて、セクハラの言い訳でしかない――そう突っ込んだわけですが。

本作は真逆のひっくり返し方をしてきているとも、言えるわけです。

結果的に、ロマンチックどころか殺伐として来ましたが……。

仲さん、助けて!

ここで助けに入るのが仲です。

「なっちゃん、大丈夫?」

「いえ、大丈夫です」

仲はなつを励ましつつ、不安を見せます。

内容があまりに複雑すぎる、これで観客である子供たちが理解できるのかと。

「わかりやすくすれば大丈夫でもない……」

坂場は塩対応ときた。
なつはフォローに入ろうとします。

「他に何か? 好きにやらせてください。責任取りますので」

ドヤ顏坂場……本当にこいつは、どうしようもないな……。
当然、なつは焦ります。
※続きは次ページへ

4 Comments

904bis型

板場のようなタイプは、やはり本来はリーダーには向かないな…というのが、私の実体験。
無駄に部下を疲弊させる悪いリーダー類型として、悪い印象を強く持っています。トラウマでもありましょうが。

具体的にどうしたいのか、何がよくないのかを示すことなく、どう直しても不満ばかり。加えて前に言ったことと整合しない矛盾したことまで言い出す。※坂場にはまだ言動矛盾までは出ていませんが。
無理難題のレベルになってるのに、本人は省みることもなく…

坂場については、それでも皆と関係を修復したり、改めて打ち解けたりする機会もあって、関係は継続できているのでしょうが、私の場合はそうではなく、そういうリーダーへの嫌悪・反感は増幅して憎しみというレベルに。
人事異動で関係が切れるまで、対立したままとなりました。
今だったら、パワハラとして相談先に訴え出ているかも。

ドラマの中の板場たちはどう乗り越えるのかな。
そう思いながら見ています。

904型

坂場のプロポーズも「そう来るか?」という具合でしたが、

なつの反応も、「はい。わかりました」とは…?
そう返すか!
モモッチの反応も、むべなるかな。

坂場となつ、やっぱり妙にお似合いかも知れないですね。

仲さんの佇んでいた噴水の池の跡。水面が消えて暑さも一層という感じです。

あしもと

ところでコイキングからギャラドスのくだり、楽しいです!

武者さんのレビューはとても参考になるので基本楽しみですが、ハマった瞬間は何をされたか分からないポルナレフネタでした

まめしば

ドラマの間中、作中のアニメがメチャクチャ見たいと思いました。
そして坂場さんは「頭の中でキャラクターが勝手に動いてくれて、彼らの動きを追う」タイプなんでしょうね。
プロットを予め作っておいてキャラクターを作る、ある意味王道なタイプとは違う。
えてして天才クリエイターはこういうタイプが多いので、今後がとても楽しみです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

CAPTCHA