なつぞら135話 感想あらすじ視聴率(9/4)絆が人を生かすのだ

時は昭和48年(1973年)。
なつと優は、故・山田天陽のアトリエにおりました。

目の前には、遺作となった馬の絵があります。

「ねえ、ママ。これが本物のお馬さんでしょ。本物のお馬さん、やっと見られたね」

「動かないのに、どうして本物なの?」

「だって、絵を動かすのはママのお仕事でしょ」

優にそう言われて、なつの目から涙がこぼれます。

「ママ、泣かないで。ママ」

そう優が母を慰めるのでした。

家族に会いたくて帰ってきた

山田家の遺族が、天陽の死について語ります。
タミが言葉を絞り出します。

ある日突然、来週退院だから、と帰宅した天陽。
病室で待っていられなくて、絵を描くために戻ってきたのだと。

ここで正治の口から、衝撃的な真相が語られます。

そんな事実はなかった――。
病院で確かめたところ、言っていなかったのです。

嘘だったのかと、衝撃を受ける剛男。

「どうしてそんな……」

自分がもう駄目だとわかっていた。
医者も、いつそう告げようか迷っていたのだと。

最後に、家族に会いたくて帰ってきた。あの体で自転車に乗って、家族の元に帰ってきた。
残された遺族は、そう涙をこらえきれません。あの自転車の場面は見ていて怖くなるほどでした。

靖枝も、ここで目をぬぐっています。

悲しくないはずがない。
生活のために、絵を売って来たから。家族のために絵を残そうとした。

正治がそんな思いを語るのですが、これからの展望を聞かれると、離農しかないと苦い思いを口にします。
天陽亡き今、それしかないのだと。陽平とも相談して、そうすることに決めたのです。

遺児である道夫と彩子も、絵を全部画廊に売ればなんとかなるだろうと。

「当面の生活には困らない……」

そう、現実的な展望を口にする、正治でした。

命を蒔く人、受け取った人

「いやです! 私は絶対、ここから動かない! 絵も売らない!」

ここで、靖枝が叫びます。

「お義父さん、お義母さん! あの人は、ここに帰ってきたんですよ! 家族と一緒にいるために。陽ちゃんは、自分の畑で亡くなったんです。私には、陽ちゃんがあの日、自分の命を、この土地に、この土に、命を蒔くために帰ってきたとしか思えません!」

この母の言葉に、地平、続けて彩子がたちあがります。

「じいちゃん、僕がやる。母ちゃんを助けて、僕が働くからここにいたい!」

「私も働く、ここにいたい!」

タミはここで泣くしかない。

「そんな、昔の天陽みたいなことを……」

なつぞら11話 感想あらすじ視聴率(4/12)「この土に、勝ちたいよ、くそっ!」

「この土に、勝ちたいよ、くそっ!」

山田家に、天陽の蒔いた生き方が届いてゆきます。
正治がこう答えます。

「それなら、じいちゃんだって働くさ!」

陽平はこうきました。

「この家族の言葉が、きっとあいつの遺言なんだろう」

「はい!」

靖枝がそう思いを込めて言い切ります。

ちょっと陽平が寂しいといえばそうかも。
東京に出た彼は、山田家とは血縁関係はあって相談には乗ります。現実路線を伝えるのです。

でも、この地に根は生えていない。そういう存在になってしまった。

そのとき、優はなつの手をぎゅっと握りしめるのでした。

そこに天陽がいる

天陽の乗っていた自転車の横を通り、陽平はなつをアトリエに案内します。

「好きなだけ、あいつの絵を見てやってくれ」

そこにあるのは、彼の自画像でした。
狭いアトリエの中で、じっと座っている自画像です。

「こんな風に、あいつはずっとここにいたんだよな。ここはあいつそのものだ」

そう陽平は語ります。

天陽はある意味ここにいる。
だからこそ、靖枝は離れたくない。

「絵を描いて売ることも、あいつは自然なことだって言ってたよ」

陽平はそう振り返ります。

病室で、兄弟は語り合いました。

なつぞら133話 感想あらすじ視聴率(9/2)魔王が男女で降臨だ

絵を売るために描くことは、狩りみたいなもの。
家族のために狩りをしていると思えば、自然なこと。
子供を養うためにもやるべきこと。

そう天陽は語っていたと、陽平は振り返るのです。

そのころ、靖枝は天陽が倒れていたあの畑に寝転がり、土のぬくもりを感じています。

なつぞら134話 感想あらすじ視聴率(9/3)涙も号泣もない 遺影とのリアルな再会

「あったかいな……」

そこへ、泰樹がやって来ます。靖枝は割烹着から土を払いながら、立ち上がるのでした。

「天陽に会いに来た。天陽はここにおる。そのことを、あんたが忘れなければ、天陽はいつまでも生きていられる。わしの中にも、天陽はおる」

泰樹はしみじみとそう言います。
彼がなつの願いを聞き、天陽のためにここを耕したからこそ、山田家はここに根付いたのです。

めぐる人の絆が、そこにはあります。

まだ何も終わっていない

なつは、アトリエで天陽の自画像の前にいました。この絵は、なつの絵を塗りつぶした上に描いたという設定があるそうです。だから、なつ自身との対話でもあると。

「どうした、なっちゃん」

「どうしたは、そっちでしょうや」

なつは、そこで天陽と語り合います。

彼にはわかる。
なつが、アニメーターをやめるかどうかで悩んでいることが。

「それはもう答えが出てるでしょ」

答えは優ちゃん。優が答えを言っている。
絵を動かすことが、なつの仕事だと言っている。

「それで十分でないかい」

今のなつを動かしているのは優。
優のために、狩りをすればいいだけ――。

「なっちゃんは、ここを出て行った日からずっと、俺との約束を守ってくれた」

なつぞら42話 感想あらすじ視聴率(5/18)それぞれのキャンバス

「なっちゃんも自分のキャンバスに向かってくれればいい」
そうすれば、天陽となつは広いキャンバスでつながっていられるから。
「がんばれ、がんばってこい、なっちゃん!」

なつは天陽のために握手しようと右手を差し出し、彼がいないことを悟ります。

なつは、泣いて、そして笑います。

「天陽くん……ありがとう、ありがとう、天陽くん……」

ここで父は語るのです。

なつよ、まだ何も、終わっていなかったな――。

その父の声が聞こえたように、なつは力強く言います。

「うん」

悲劇は金になる、ネタになる、けど……

天陽はもう遺骨となり、遺影と位牌と並んでいます。
その死を、週の真ん中で噛み締めて来ました。

山田家の話にあった今後のこと。これも残酷な現実が凝縮されていました。

天陽の絵を売れば、当分の生活には困らないって。天陽自身、絵は狩りだと言うからには、それもそうだと思えてしまうかもしれませんが。
それでも、画廊の言い分を想像すると朝から気分が重たくなりましたね。

「夭折の天才画家!」

「もう新作は出ないから見逃せません!」

そういう、なんちゃら鑑定団ワールドです。
あの番組の話をしてどうかってことではあるんですが、個人的に苦手なんですよね。
※続きは次ページへ

2 Comments

匿名

いつものAKアンチ集団の煩いこと煩いこと。
そこに広瀬すずサンのアンチも加わってTwitterは酷い状況です。
私は広瀬サンの演技が下手だとかほよ顔ばかりとは思いません。
常にペッパーくんみたいな貼り付いた笑顔だったおてんちゃんに比べたら表情豊かですよ。

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