北村笑店25周年の目玉として、「マーチン・ショウ」を興行したい隼也。
その縁で知り合ったつばきという女性が気になっていたら、突如、彼女が北村笑店にまでやってきました。
一方、漫才コンビのリリコとシローも、恋の予感?
彼らの思いはどうなるのでしょうか。
もくじ
勝負企画なら自腹でもプロに頼むべき
昨日の終了間際、突如、北村笑店の事務所までやってきたつばき。
芸人300人を抱える一大企業なのに、バックヤードへほいほい入ってこられる不思議はありますが、かつて栞の実母・志乃が、弁当持参で伊能オフィスへ強行突破したケースもありますし、もうそれがデフォでいいでしょう。
てんが訝しむのを見て、隼也はマンマンに移動します。
しかしここで理解できないのは、ナゼ北村関係者が入り浸る、ほぼ社員食堂状態のマンマンに行くのか、という点です。
案の定、万丈目夫妻にからかわれ、楓にまで色々と詮索され。
「設定上もちろん他の喫茶店はありますが、セットがありません」
ちゅうことっすかね。となると仕方ないのか……。
それにしてもつばきさんの行動力が、悪い意味で溢れています。
友人動員してまで資料翻訳をやらせたって言うからには、たぶんギャラは払ってないですよね……。
今よりずっと難易度の高いはずの翻訳は、プロのお仕事でしょう。
それを、もしもボランティア感覚だとしたらお気の毒……というか、ここは隼也が自腹切ってでもプロに発注すべき場面では?
あるいは死ぬ気になって自分でやる!
企画書は、コワモテ風太の厳しい目を通さねばならんのですよね。
私も瑣末なことに目くじら立てたくないんですが、こういったユルさが至る所で出まくりだから、
「文化祭!!!」
と言いたくなってしまうのでして><;
女心と秋の空
ここでつばき、あざといまでに隼也に接近。大仰なBGMも流れ出します。
悪いんですけど、絵的にハニートラップにしか見えません。
翻訳にしてもライバル企業がわざと誤訳させているとか、そういうオチがついて欲しいなぁ。
なんて思っていたら、突然、文芸部のエース・楓さんが……。
「あれは恋をしている目やわ」
「女心と秋の空……」
うっざぁー! うざうざうざうざ、うっざうざー!
いつから楓さんは、こんな極寒仕様の人になってしまったのでしょうか><;
記者になる――と言って、北村屋の米屋時代に自ら出ていったときは颯爽&凛としてたのに、今となってはなんだかよくわからない人になってる。
これ、本当に、つばきがスパイなら、最高の傑作ですよ。
楓のスカし顔も俄然活きてきます。
どうした、トキ!
てんの家に、トキが作りすぎたおかずを持ってきます。
最近のトキは、ふら~っとてんの前に顔を出して、風太との接触のきっかけを作り出す、ただのパシリになってしまったorz
リリコ・アンド・シロー売り出しの時は「おてんさんのためにがんばる!」と言っていたのにどうしたのでしょう。
ついでに言うと、娘・飛鳥の前で意味ありげにもやしを炒めていた場面は何だったのでしょう。
てっきり仕事と家庭の両立で悩む伏線かと思いました。
それともこのあと回収するのでしょうか。
風太は、てんに隼也の企画書を渡します。
よほどよくできた企画書だったのか、それとも努力を認めたのか、風太もマーチン・ショウをやりたいようです。
とはいえ、隼也の尻ぬぐいをしてやるのはどうか、と苦い顔。
ここでトキがギャンギャンとわめいて、頭が固いと言い出します。
結婚後のトキは、ただ夫の言うことに対して反射的に反対する、ギスギスした女性になってしまいました。
甘える場面も、人目も気にせず高校生のようにいちゃつくばかりで正直イライラ。
万丈目夫妻のような夫婦漫才にしたいのでしょうが、脚本家はネタが切れていて、演じる側も笑いに関してのアドリブはそこまで利かないのでしょう。
これは風太とトキが悪いというより、地力である程度リカバリができている万丈目夫妻が、2人揃って凄いだけではないでしょうか。
プレゼントを貰っても、失礼すぎて……
楽屋では、シローがリリコの顔も見ず、いきなりプレゼントを押しつけるように渡します。
看病のお礼だそうです。
スカーフを身につけたリリコは、
「ええな~。でも地味やないか? 地味やわ~」
と思い切り失礼なことを言います。
どう見ても、スカーフは結構派手です。
そりゃあ、意味のわからない魔女や竜王コスプレをしていたリリコセンスからすれば、地味かもしれんですが。
ああ~もう、ツッコミたくないんですけど、言いますよ><;
要はこれ、ツンデレ気味の不器用で照れくさい二人って言いたいんでしょ?
ほんと、うんざり&げんなりです。
もう、いっそのこと【リリコ・アンド・シロー】ではなく【うんざり・げんなり】というコンビ名にしてください。
リリコの天真爛漫キャラもいいですが、こうなると単に非常識過ぎますって。
見ていて辛い。なんで私の心臓がキュッとさせられなきゃならんのか。
シローは許しても、視聴者が許すかどうかは別ですよ。
「い~のち~みじ~かし~♪ 恋せよお~~とめ~~♪」
リリコは、藤吉の遺影を前に手を合わせます。
そして、てんに、
「シローが気になる」
と恥ずかしそうに言うのです。
これ、百歩譲って、
「うちはアホや! ほんまはシローが気になるのにひどいことを言ってしもた……orz」
という体なら、まだマシですが。
今回のような言い様ですと、空気を読めないレベルじゃないバカ女が自慢してるかのような印象すら与えかねません。
んで、てんは脳天気に、
「いくつになってもおなごはおなご」
とか、しょーもないことを言い出すのですが、極め付きはその直後のことでした。
「い~のち~みじ~かし~♪ 恋せよお~~とめ~~♪」
やめて><;
やめて、やめて、やめて><;
人前で突然、
慣れもしない歌を平気な顔して、
楽しそうな表情で歌う、
その所業――
恥ずかしさの極み!
ハマカーンさんのこの名ゼリフ、文字でも意外に合いますね。思わぬ収穫。
とか言ってる場合ではなく、直後のリリコのセリフもあんまりでして。
「忘れてたわ、こんな気持ち。藤吉、かんにんな」
って、これは藤吉からシローへ心変わりをしたという宣言ですよね。
それを藤吉の妻・てんちゃんの前で言うって、どんな感覚なのでしょう。
いや、もうカオスですわ。
だから何が問題なのかサッパリわかりませんて
企画書がよかったのでしょう。
てんは、マーチン・ショウをやると決めてスポンサーを募りました。
そしてスポンサー候補を前に、説明会を始めたところ…。
「アメリカの自由きままなショウをやるのは……」
「今外国のショウをやるのは難しい……」
「目立って反発されるのも……」
参加者からは、軒並み浮かない顔をされます。
が、さっぱり意味がわかりません。
アメリカが問題なのか。
自由気ままが問題なのか。
目立って、ドコから反発されるのか。
一体彼らは誰と戦っているのでしょう状態。
やはり悪いのは敵性文化ということでいいんですかね。
栞は動員数と経済効果っぽいことを、ぺらぺらとしゃべり、最後のアピールポイントにこんな話を付け加えます。
「北村笑店の若者が、皆に笑顔を見せたいと推してきた」
だから何やっちゅーねん!
笑顔になれば当局もお目こぼしにするんか?
若者が笑うからと何でもかんでもオッケー?
それにしても、
「隼也もつばきも、マーチン・ショウの魅力の本質を頑なに語らない」
「具体的な良さを語らない」
の、ナイナイ尽くし。栞もてんも、そうでした。
やっぱり、マーチン・ショウが何なのか。
調べてませんよね?
今日のマトメ「やっぱり当局の目とは」
人が人を愛する、恋をするのは自由です。
それはいくつになっていようと、他人から咎められるものではありません。
しかし、リリコとシローのような、中高生のような恋愛をいい年こいてやられると、つらい……つらいのです。
リリコは、恋をしていても藤吉にはぞんざいな態度を取りませんでした。
むしろ、栞はじめ、他人には無礼なのに、藤吉相手にはややおとなしく、素直でした。
ですから、リリコのシローの態度にますます不快感が募るのです。
なんだか上から目線の恋心に見えるのです。
「うちのような美女に、こんな冴えない男が惚れたんや。多少ぞんざいに扱ってもどうせついてくるやろ」
という打算が透けて見えます。
無意識にせよ、そう思っていませんかね。
本当に好きでたまらなくて、嫌われたくない「大人の恋愛」なら、相手が選んだプレゼントにさんざん文句つけるワケないじゃないですか。
本作のスタッフは、ビジネスお仕事ドラマ、近代史歴史ものができないから、恋愛ドラマに逃げているように思えます。
しかし、その恋愛ドラマすらも出来が非常に悪い――そんな現実に向き合って欲しいところです。
それと、昨日突っ込みさせていただいた「当局の目」と「世間の目」。
マーチン・ショウのモデルとなったマーカス・ショウは、衣装の露出度が高く「わいせつである」と警察から目をつけられました。
そのため衣装を変更したり、肌を一部隠したりしたそうです。
ところが、それがかえって「どんだけのもんやろ?」と好奇心を刺激し、売り上げ増につながったという経緯があります。
昨日、レビューを公開した後、
「あ、当局の目って不謹慎よりもわいせつだったかー!」
と思い直し、加筆させていただきました。
しかし、今日の内容を見るとやはり「外国の娯楽は自粛せよ」ぽいんですよね。
それにしたってなんだかわからん!
マーチン・ショウの中身がわからない。世相がどこに向かっているのかもわからない。それなのに、
「視聴者の皆さんもおわかりでしょうが、マーチン・ショウはアレなので、当局から見るとコレのせいでけしからんのです」
みたいな話にされてもぉおお><;
あと、こんな記事がありました。
◆「わろてんか」に「直虎」と共通点 高橋一生が助ける点も│NEWSポストセブン
本作の場合、偶然似せたのではなく、二番煎じとして意図していた確信犯という気がします。
他の部分はともかく、高橋一生さんの使い方は、『あさが来た』の五代、『おんな城主 直虎』の小野政次へ露骨なまでに似せてますよね。
「五代様+政次なんて人気キャラになるに決まっている!」
という打算をひしひしと感じるのです。
しかし、本作の場合は、かなりの劣化コピーなんですよ……。
著:武者震之助
絵:小久ヒロ
【参考】
NHK公式サイト
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