わろてんか1話あらすじ感想(10/2)ゲラにはキツ~い禁止令

おはようございます。
武将ジャパンという歴史サイトで大河ドラマのレビューを担当させていただいている武者震之助です。

今日から半年間、朝ドラを見終えた後、ホッとできるようなレビューを目指しますので、よろしくお願いします。
では早速内容へ!

 

祭り囃子に誘われ落語の舞台へ

明治35年(1902年)京都。
本編はヒロイン・てんと丁稚・風太が、祭り囃子に誘われてどこかに行くところから始まります。
芸人たちが様々な技を競う中、てんと風太は落語の席にそっと入り込むのでした。

舞台上の落語家を演じるのは桂南光師匠です。
短い時間ながら、先ほどの芸人ともどもこうした本物の「芸」が見られるのはなかなか贅沢です。

落語を聞いてアハハと元気に笑うてん。
しかし、こっそりと入り込んだことが見つかって、つまみ出そうとするスタッフに追い回されるのでした。

舞台上まで逃げ回るてん。
右往左往するてんたちを見て、笑い転げる観客たち。
明るい雰囲気の中、笑いこそ人間だけが持つ力であるとナレーションで語られます。てんの笑顔がいっぱいに映ります。

 

てんの実家は京都の老舗薬種問屋

ここでタイトルテーマ。
透き通った松たか子さんの歌声が、爽やかな朝を演出します。
タイトルバックは穏やかで優しいタッチのイラストと、赤い着物のてんで構成されています。

再度、本編へ。
てんの実家は京都の老舗薬種問屋・藤岡屋。
「藤」の字をあしらった藤色ののれんをかき分けて、てんの父である儀兵衛が顔を出します。
使用人から婿養子として大店を継いだ男です。かなりの切れ者なのでしょう。

見るからに生真面目で戦国武将にたとえるならば、上杉景勝タイプのお父さんですね。
篤実な性格で周囲の人望も篤い男ですが、起こると怖いと評判だとか。

ついたあだ名は「ギョロ目の鬼さん」だそうです。
その眼光に皆が驚いていると、くしゃみをしただけでずっこけてしまう、というのがここでのギャグ、笑いをとるところです。

笑いというのはセンスが大事で、なかなか難しいものです。NHK大阪のセンスが問われる局面ですね。

儀兵衛は背中に目が付いていると言われるほどの堅物で、バレないと思って薬草を盗み食いする丁稚・風太の動きすら察知しています。

 

生死に関わる薬屋の娘がゲラではアカン

一方のてんは、何かあるとすぐ笑ってしまう「笑い上戸=ゲラ」。

天真爛漫な新井美羽さんがのびのびと演じています。
関西弁で特質を示す「ゲラ」というのがNHK大阪らしくていいと思います。

一家と親戚筋の丁稚・風太は皆で食膳を囲みます。ちょっとした言葉でケラケラ笑うを見て、儀兵衛はてんを咎めます。

「人の“生き死に”に関わる薬屋の娘が、ゲラが過ぎる」

儀兵衛は近々ドイツの製薬会社の人を招き、ホームパーティを開くと告げます。
それまでにゲラを直せ、と告げる儀兵衛。
伝統的な漢方だけではなく、西洋の薬にも事業を広めたいわけですね。

儀兵衛は祖母のハツに、てんの躾けを託します。しかし、祖母の躾けを受けても、てんは相変わらず天真爛漫な様子でした。

兄の新一は、てんのゲラはむしろ長所だからと励まします。風太は「ホームパーティを乗り切ればええだけやろ。俺が止めたる」と能天気。

 

ドイツ語通訳を務める優秀な新一

そしていよいよ、ドイツ人一家がやって来ます。

豪華な料理と調度品でもてなす準備を整える一家。
ここで新一は、ドイツ語通訳をつとめています。優秀なんですね。

てんや妹のりん、風太たちも出迎えるためにやって来ます。

てんは銘酒の入った酒器をもち、来客を出迎えます。挨拶するよう促されますが、黄色い蝶がお客様の頭に止まっていることに気づいて、笑いそうになってしまいます。
風太がそれに気づいて蝶を払おうとしますが、背丈が低い子供では長身の来客の頭に届くわけもありません。

てんはついに堪えきれず、酒器を持ったまま笑い出してしまいます。

あわてて抑えようとしますが手遅れ。
儀兵衛はここでかばおうとしてテーブルクロスを引っ張って転倒。料理、そして貴重ないただきものの新薬の瓶までパリンと割れてしまうのでした。

来客は激怒し、帰ってしまいます。事情がわからなければ、顔を見て笑ったようにも思えますし無理もないところでしょうか。
大事な取引先との商談を壊したということで、てんは儀兵衛から笑い禁止令を出された挙げ句、蔵に閉じ込められてしまうのでした。

最後の場面では、ちょっと軽薄そうな旅芸人の青年が顔出し程度にチラッと映ります。

 

今回のマトメ

今回見て印象的なのは、新井美羽さんの明るい笑顔と、それに対する遠藤憲一さんの「ギョロ目の鬼」ぶりですね。

新井さんが心を掴む笑顔の持ち主であるのは『おんな城主直虎』で証明済みです。
魅力が生き生きと伝わって来ます。

遠藤さんはただじっとしていても生真面目さと、その奥にほのかなおかしみ、あたたかさを感じさせる人です。

儀兵衛のおかしみも本作のポイントとなりそうです。

著:武者震之助
絵:小久ヒロ

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吉本せい 吉本興業の歴史

【参考】
NHK公式サイト

 

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