『まんぷく』感想あらすじ総評 マイノリティが胸を張れる時代に

まずは結論から申し上げます。

『まんぷく』は、存在そのものが間違いです。

いくらフィクションだと言い訳しようが、朝ドラ史上見たこともないような問題を消し去ることはできません。

・台湾ルーツ削除のウォッシング

皮肉なことに同時期の日清食品そのものが世界的規模で炎上しました。

◆「大坂なおみを白くした」日清CMの超時代錯誤 責任者が知るべき「黒人たちの奮闘の歴史」 | 映画・音楽東洋経済オンライン

・台湾由来の発明を日本由来にする

寿司は台湾原産――。
そんなドラマが台湾で作られた場合、日本人は黙っていられますか? って話です。

◆なぜNHK「まんぷく」は、安藤百福の台湾ルーツを隠したのか

・犯罪歴がある主人公配偶者のモデル

薬物使用どころではありません。
お金がらみで被害者がいた事件です。

◆『まんぷく』では描かれない「安藤百福」もうひとつの逮捕(SmartFLASH – Yahoo!ニュース 

・家庭人としてもどうなのか?

ドラマですから、ある程度の美化はありですよ。
しかし、まんぷく夫妻が、法律的に夫婦じゃなかったら、さすがにマズイでしょう。

◆日清食品創業者・安藤百福の歴史から「消えた娘」は台湾でホームレスになっていた文春オンライン

もっとも、百福と日本人である仁子との婚姻については2005527日、大阪家庭裁判所が「黄綉梅との婚姻関係が法的に解消されていず、重婚であり無効」との一審判決を下している。

黒い過去の連続で、いったい事前のリサーチどうなってんの? という話です。
不倫をした朝ドラ夫妻はいたものの、前代未聞ではないでしょうか。

・受信料制作で一企業の宣伝するなかれ

ドコまで本当か不明ながら、チキンラーメンの売上が過去最高だそうです。

60年目の「チキンラーメン」、史上最高売上を達成/日清食品|食品産業新聞社ニュースWEB

しかも、『まんぷく』砲は、朝ドラにとどまりませんでした。

『歴史秘話ヒストリア』
『ザ・プロファイラー』
という、歴史番組まで侵食して、一企業の宣伝に等しい行為と歴史修正、ウォッシングを推し進めたのです。

受信料を原資にしていてこれはさすがにヤリ過ぎでしょう。
もう、この時点で、本作への評価はこれです。

「カリーシ、『まんぷく』をどうしますか?」
「ドラカーリス!」

ついでに。このニュースでもどうぞ。

◆勝海麻衣が猫将軍をパクった件:才能無きワナビーは地獄に堕ちる

以下、本文へ行く前に。
注意点をまとめました。

比較対象として、『半分、青い。』へのかなり長い言及と考察があります。
それが嫌であれば、読み飛ばしてください。

一部差別的な表現を、敢えて使っています。ご理解ください。

読んでいて気分が悪くなったら、遠慮なく他サイトへ移動してください。
好きなサイトを自由に選べる時代ですからね。

勝負は半年前から始まった

思えば半年前。
私はぐったりと疲れきっていました。

『半分、青い。』の感想を漁ろうとすると、好評意見に対してその十倍くらいの酷評が出てきて、ウンザリされられたのです。

SNSでは、疲れ切ったファン専用タグすらあったほどです。
しかし、そのルールすら破って突撃され、荒らされて使えなくなっていきます。

脚本家への個人攻撃を一日中投稿している、正気を疑いたくなるアカウントもありました。

批判ニュースにしても、無茶苦茶な論法です(10歳年上女性と交際するマアくんは脚本家の妄想等)。

◆『半分、青い。』正人の彼女の正体に飛ぶ推測、「北川悦吏子が彼女役!?」のブーイング

さらには武将JAPANのコメント欄やアカウントまでアンチは突撃、『西郷どん』レビューにまで延焼したほど。

異常でした。

今までだって、かなり厳しいことは書いてきました。
しかし、こんなことは初めてです。

ナゼ、ここまで粘り強く攻撃できるのか?
意味がわかりませんでした。

私は『まんぷく』に対して、放送開始直前から厳しい目を向けていました。

するとこう言い切られました。

「『半分、青い。』を褒めて、『まんぷく』を貶す、そんなお前との仲はここまでだ!」

いや、そもそもあなたと知り合った覚えもありません。

半年後。
謎は解けました。

半分、青い。総評(9/30)人生に深呼吸を与えてくれた

このレビューでは、
【悪質極まりない『半分、青い。』アンチ】

【狂信的な『まんぷく』ファン】
を、
【信徒】と呼びます。ご了承ください。

空気が読めない楡野鈴愛

『半分、青い。』のヒロインである鈴愛は、その言動を執拗なまでに叩かれ続けました。

生意気。

かわいげがない。

わけがわからない。

周囲に対してろくに感謝もしていない。
※そんなことはありません。感謝する場面はありましたし、母への感謝を込めて扇風機に『マザー』と名付けたほど

萩尾律に対しても、そういう傾向が見られ、こんな感想がありました。

「イケメンの佐藤健さんなのに、律ってキモいよね」

劇中でも、この二人や多くの人物が、変人や社会のはぐれものとして描かれていました。

劇中ですら、それは明確です。

・かわいいのに、モテない鈴愛

・デートや合コンですら、奇行が出てしまう鈴愛

・賢く眉目秀麗なのに、友達が少ない律

・愛し愛されることを「秋風塾」まで封印してきたかのような、秋風羽織

・老舗の後継でありながら、ゲイとして生き、漫画家を目指すボクテ

・海外生活が長いために、どこか浮いている健人

・かたつむりにこだわり続ける祥平

・緑色が好きすぎて、髪の毛まで染めてしまう恵子

・音楽センスがあるのにいじめられ、マスクをつける修次郎

鈴愛の聴覚障害。
ボクテの性的マイノリティであること。
健人の海外生活。

そういった要因も説明されますが、それ以上に大きいのは彼らの性格です。

【空気が読めない】

【社会の抑圧よりも、自分の価値観を信じて生きて行きたい】

これです。

障害があるから鈴愛は浮いていたのか?
それよりも、持って生まれた性格の問題でしょう。

本人もわかっています。
鈴愛が、就職活動の際に漫画家であったことを隠したのも、そのせいでしょう。

そんな彼らに、周囲は心配の目を向けます。

漫画家なんて目指さないで就職しろと、そう対立する晴。

我が子の友達の少なさを気に病んでいた、萩尾夫妻。

かわいいのにモテないのはもったいないと、鈴愛に語りかけてきたユーコ。

ハイスペである律と結婚にこぎつけたものの、互いを理解できず、別れを選ぶより子。

彼らは心配するあまり、なんとか軌道修正をしようとします。
しかし結局は、あれが彼らの生き方だと諦めているのです。

一方で、彼らを理解し、背中を押し、横で支える道を選んだ人もいます。

スパロウリズムを見守る、「ふくろう会」と「秋風塾」のあたたかさ。

戦争という非常事態の中、自分のゆきたい道を歩めなかった。だからこそ、孫を理解し、応援する仙吉。

姉のわがままさや突拍子のなさに呆れつつも、見守る草太。

秋風の信じた道のために尽くす、菱本。

いつまでも律と鈴愛と友情を保ち続ける、正人。

我が子のいじめを解決し、尊敬される父を目指す津曲。

そういう周囲の理解あればこそだと鈴愛と律は思っていたからこそ、あのラストシーンにまでつながるのです。

不器用で、身勝手な鈴愛。
そんな彼女だからこそ、我が子の夢を信じて、叶えたいと思っています。
経済的に苦しい中でも、フィギュアスケートを娘・花野に習わせる。そんな思いやりがあるのです。

夢を追ってこそ、輝くことができる。
そんな人生もあるのだから。

リアリティのあるいじめられっ子がいた

そんな鈴愛たちは、いじめられっ子としてのリアリティがあふれていました。

・明治村デートで、ガーッと妄想を喋り出す鈴愛

・頭にきたら立場を無視して、原稿で秋風を脅す鈴愛

・夫に呆れ果てたら「死んでくれ」と言ってしまう鈴愛

・マーブルマシンを延々と作り続ける律

・研究者マインドを取り戻すためならば、大手企業でも離職を選ぶ律

・よい夫になろとするものの、より子と向き合えない律

・五平餅への欲求のために、時にはあくどい突き進み方をする秋風

・食べ物、服装に異常なまでのこだわりがある秋風

・創作のためならば家屋を放火したらしい秋風

後先のことや世間がどう思うか。
そんなことはポーンと吹っ飛ばして、突き進んでしまう――周囲からすると、訳のわからないこだわりを持っている。

服装面ですら、これが現れていました。

こんな運動があります。

◆私が立ち上げた「#KuToo」運動キャンペーン石川優実

それに対して、こんな声も。

◆「何でも女性差別は、他にある幸福の道を見えなくする」元セクシー女優、「#KuToo」など女性差別反対論に(AbemaTIMES – Yahoo!ニュース

そうじゃないでしょう。
鈴愛タイプは【世間が考える幸福の道】を選ぶと、息すらできなくなってしまう。

それを理解せずに、「空気を読んで幸せになれ」と言われると辛いだけなのです。

息を吸わせてくれ。
生きていける場所をくれ!
そういうことなんです。

鈴愛は、服装規定に沿った行動ができていません。

就職活動用のスーツをめぐり、母と対立。

ボディコン着用も、好奇心でそうしただけ。

漫画家時代も、ユーコが嘆くほどおしゃれに無頓着。
幼稚で独特の、動きやすさを優先したモサっとした服装でした。

律との再会でも、自分と弟の不注意によって、せっかくのレダハーのドレスを台無しにしてしまいます。
そして結局、アッパッパ姿!

100円ショップ時代は、ユーコの流行遅れのお下がりをもらってありがたがっている。

律との再会後、美魔女を目指した時のズレっぷり。

こういう鈴愛のことを理解できない人は、彼女を憎みます。

「何あの女、ぶりっ子してさ! あざといのよ」

いや、鈴愛タイプは、狙ってあざとくできるほど器用じゃない。
自分がいいと思ったものを選ぶと、世間からズレる。世間の流行を取り入れても、やっぱりズレる。

それなのに、そこがどうしてもわかってもらえない。
実はこういうタイプの人間には、ネットを中心として酷い呼び方があるのです。

・コミュ障(コミュニケーション障害)

・陰キャ(暗い性格)

・無能

・クズ

そしてこれが究極の言い方です。

【アスペ】

【ADHD】

「アスペルガー」という名前があるものの、こうして縮こめられると、ただの悪意ある名称として定着してしまうのです。ADHDも然り。

人に対して使うのは、くれぐれも注意してください。使ってはなりません。

そしてこういうタイプは、世間からすれば少数派です。そのことを理解しつつ生きています。

『半分、青い。』の時、散々言われたものです。

「こんなドラマが好きなあなたは、少数派だと自覚してください」

いや、そんなこと、物心がつくと同時に知っておりました。

それが攻撃だと思うこと。
少数派は怯えて、俯いて生きていけ。それが当然だと思い、迫ってくる。そのことそのものが、正直に言えば恐ろしい。

そんなもん、ただの差別じゃないですか。
マイノリティ相手に銃撃した犯人の思考回路と、似たようなものではありませんか。

◆銃乱射の犠牲者を追悼=事件から2週間-ニュージーランド:時事ドットコム

青いアイデアに救われた人もいる

『半分、青い。』の評価は別れます。
ただ、圧倒的に救われた方もおりました。

「なんであれが叩かれるの? 好きなんだけど」

「いいと思うんだけどねえ〜」

「好き。だけどアンチがやたらと怖い!」

知人友人も含めて、そういう方にはこういう傾向がありました。

・研究職

・クリエイター

・フリーランス

・外資系企業に転職経験あり

全員がそうではありませんが、空気を読めないがゆえに特殊な職場環境に行くタイプ――と言いましょうか。

得てして彼らは、内向的、直感やイマジネーションを使いこなして生きていました。
飲み会やコンパに参加すると精神が壊れる。そんな傾向もあります。

芸能界という華やかな世界にいるからには、俳優やドラマ制作者は違うのではないか?

そうではないと思います。
彼らは想像力と創造力を発揮するために生きています。

あの作品は、出演者が脚本を褒めている印象が強く残ったものです。

衣装や小道具にも、工夫がありました。
強い創造力を持つ人たちが、自分の居場所で楽しく生きている。

そんな空気がそこにはありました。

海外には「空気の読めない主人公」がいる

『半分、青い。』には、何度となくショックを受けました。

「想像力が豊かな女の子って言っても、どうせ賛美一色で、空気が読めないからと責められたりしないんでしょ。んで、最終的には良妻賢母路線で着地、と」

はじめのうちは、そう思っていたものです。
それが安心できたのは、明治村デートでの場面でした。

鈴愛は、着地すらしませんでした。
良妻賢母とくくれない、そんなわがままで豪胆なヒロインでした。

これは日本の作品だからこそ、特異性があったのかもしれません。

実は海外の作品では、こういうタイプは主役となり得ます。

『SHERLOCK』のシャーロック・ホームズ。
犯罪オタクの変人であり、そのことを本人も理解しています。
現に、彼の言動は問題が多いものです。

退屈をもてあまし、銃を撃ちまくる。そんな奴です

ベネディクト・カンバーバッチはこの手のキャラがハマります。
『ドクター・ストレンジ』も、このタイプでした。

高慢ちきなところもありますね

『イミテーション・ゲーム』、『スタートレック イントゥ・ザ・ダークネス』もこのタイプです。

女性だと、海外でも未だ少数派です。
しかし、いないわけでもない。
『ドラゴン・タトゥーの女』で知られるリスベット・サランドルがまさにこのタイプ。

ずば抜けて賢いにも関わらず、愛想笑いとは無縁。
奇抜なファッションと空気を読まない言動ゆえに、職場では「あの残念な子」扱いだったのです。

知勇兼備なのにねぇ

こうしたキャラクターは、だいたい服装に特徴があるもの。

シャーロックは、全裸にシーツ巻きでバッキンガム宮殿に行ってしまっても、平然としていました。

リスベットのゴスルックは、あれが好きだし、それでいいという彼女の着地点です。

服装まで気が回らない。
鈴愛もそうでしょ?

彼らは自分の持つ力に、信念があります。
だからこそ、迎合せずに生きています。いや、そうでないと生きられない。

そういう彼らを受け入れ、主役にする――そういう理解と度量の広さが、海外では確立できているのです。

日本では未だにできていないのが『半分、青い。』からわかります。

鈴愛程度で袋叩きにする人、大丈夫か?
何度もそう思いました。

「死んでくれ」どころか、無言で殺しにくるヒロインだって、いくらでもいます。

どうしてこんなに狭量なのでしょうか?

「女王の前に跪け」とかさぁ

「海外ものは好きだもん! シャーロックもリスベットも、大好き!」
「でも鈴愛と、あの女脚本家は許さない! 生意気だ!」
という方が、一番深刻です。

自身の中にある差別に無自覚であり、これまでも、これからも、誰かを傷つける可能性が高いでしょう。

そろそろ『まんぷく』の話をしよう

はい、それでは『まんぷく』ですが。

出演者は、適材適所というよりは話題性重視。
脚本は行き当たりばったり。

ただ、空気を読むことだけは得意です。

エロ、CMパロディ、しょうもないフレーズ。
そういうことを繰り返して、ネットでわっと風が吹くようにする。それだけでした。

このチームの姿勢は、まさしく『半分、青い。』とは真逆であります。

外交的で、現実を見て行く。
飲み会や上司のご機嫌取りがうまいタイプ。

一人で仕事することに耐えられない。
成果を自慢したい。
そういうお調子者タイプです。

これは萬平の人物像にも反映されています。

萬平は、
【創造力のない人間が考えたクリエイター】キャラ
でした。

萩尾律のような不器用さはなく、人の顔色と利用できるかどうか――そこをキッチリと見ているのが萬平。

使える大物、政治家にはアピールを欠かさない。
裏切った世良だって、使い物になるからつきあいを続ける。

逆に使えないとなれば、我が子のイジメすら突き放す。
弱い立場の人間を小馬鹿にし、威張り散らし、自分がサボったときにはクリエイターであることを言い訳として利用する。

一事が万事、そんな人物でした。
というか萬平だけではなく、ほぼ全員がそうでしたよね。

まんぷく143話 感想あらすじ視聴率(3/21)本当はそうじゃない人が考えた人物像

だからこそ、剽窃やオカルト頼りを恥とも思わない。
そういうことでしょう。

想像も創造もできない。
単にクリエイターだと名乗りたいだけなのです。

福ちゃんの前に、より子について

再び『半分、青い。』に戻りますが。

鈴愛ではなく、律は先に別の二人の女性と交際します。
清とより子です。

この二人は、鈴愛とは異なるタイプでした。

清は大胆で、駆け引きが得意であり、そこに律は惹かれたものです。
この清以上に、鈴愛と対照的であったのがより子です。

容姿が地味であるより子を見て、ボクテはこう推理します。

より子は、傷ついた律にパンを持ち込む「パン女」ではないか――。

鈴愛のような生き生きとした個性よりも、すっと馴染む良妻賢母型のアピールによって、律を得た。そういうタイプではないか。
そう推察するのです。

このことは、単なるボクテの妄想と片付けてよいものでしょうか。

確かにより子は、モテるタイプに思えます。
容姿は横に置くとして、鈴愛より結婚相手としては上位とみなされるタイプです。
ともかく、女子力高いのが売り。

・服装は上品で悪目立ちしない。わけのわからないセンスの鈴愛とは違う

・合コンでのサラダとりわけ、さしすせそができそう。鈴愛は無理

・感情をセーブできる。実際にセーブしておいて、律を怒らせて先手を取ろうとしていたほど。鈴愛はこの点、まるでダメ

・おしゃれな料理ができそう。胃袋でつかみにいく。実験精神で五平餅を焼きまくっていた鈴愛とは違うのだ

・教育熱心な母親である。鈴愛はちょっとタイプが違う

より子はステキな夫と愛を得るために、女性向け雑誌を思春期から読み、そのふるまいを身につけてきた。
そんな女性に思えます。

より子が鈴愛の立場だったら、絶対にやらなかったことがあります。
「秋風塾」でのメシアシ騒動です。
【食事を用意するアシスタント】になれと言われた鈴愛は激怒して、一悶着あった末に漫画アシスタントの座を勝ち取りました。

もしもより子タイプなら、抜群に美味しいご飯を作り続け、胃袋から掴む――そういう行動をとるだろうと思うのです。
彼女は男性と社会の理想の中にいる【理想的で賢い女性】ですからね。

一方で鈴愛は、父親のコレクションである少年漫画を読み漁って過ごしてきました。

より子タイプの視聴者からすれば、空気を読まずに好き勝手に突き進んでおきながら、律を得る鈴愛はムカつくチートキャラみたいなものかもしれません。
シンデレラが、野生児に負けるようなものですからね。

劇中では、より子にも理解が示されていました。
鈴愛のダメさ加減も描かれていました。

しかし、より子タイプ、あるいはそう育てられた人からすれば、『半分、青い。』は無茶苦茶ムカつく作品だろうなぁと合点はいきます。

ちなみに史実の安藤仁子氏は良妻賢母かつ教育熱心。
より子タイプと思われます。

じゃあ福子はより子と同じかって?

それはどうかな。
福子は、より子からは下方修正されています。
より子のような知性が、福子にはありませんでした。

7 Comments

mayajoyjoy

思えば北川悦吏子さんがこちらのレビューをリツイートされたのを見て初めて拝見してから毎回楽しみにしていました。「半、青」の世界を深く掘り下げ、隅々まできっちりとわかりやすく解説してくださり、目からうろこでした。その流れで「まんぷく」レビューも読んでいましたが、単に好き、嫌い、だけでなく、なぜ好きか、なぜ嫌いか、を深く考察することで人間の本質をあぶりだしてくださり、本当に読みごたえがありました。北川さんもこちらのレビューがバッシングを受けていた時大きな支えになったと仰ってましたね。こちらのレビューが楽しめたので、まんぷく視聴も無駄ではなかったか?いや、どうだろう。無駄な時間?でも本当に新朝ドラは期待大です。そして武将さんのレビューも楽しみです。(私もいじめられる側だわ。)

匿名

鈴愛タイプのヒロインですが、少女漫画やプリキュアシリーズには山のように登場します。戦隊ものもそう。
コレを見て世の中もそういうものだと思いながら社会(スクール)デビューをするものの、集団主義や空気を読め!(俺たちの考える)女らしくしろ!男らしくしろ!圧力の前にボロボロにされ、生きるために福子(男尊女子)や萬平(ホモソー男子)と化して行くのが今の世を生きる女の子達、男の子達です。
そんな苦しい連鎖はもう断ち切らなくてはなりません。

むんむん

信徒のプロファイリングを見て、ものすごく憐れになってきました。
『ありのまま』を受け入れてもらえず、どころか苛められるので、生存戦略として『空気を読む』『集団に従う』事を選ばざるを得なかったんだなと。
社会の被害者だなぁと。(しかも社会や大人は『どうして空気を読まないといけないのか』『忖度しないとダメなのか』ハッキリとした理由を言わず、問い詰めれば牙を向いてきますからね。)

匿名

武者さま、本当にお疲れ様でした。リタイアして見ていない私でも終わってくれてほっとするくらい気色の悪いドラマでした。無神経で下品でした。何故そう思うかの分析は武者さまがきっちりして下さったので、有り難かったです。
「半分、青い」の狂信的アンチと本作の信者がだぶっていることは私にもよくわかります。それだけに、本作を語ろうとされると「半分、青い」に言及なさらずにはいられないお気持ちがよくわかります。
この週末に放映されたNHKの「朝どら100選」の人気投票結果を見ると、「半分、青い」の共感者はもはやマイノリティとは言えないのではないでしょうか?どれほどたくさんの人が勇気をもらい、エールを送ったか。数字は正直に結果を伝えていると思います。大きなうねりを感じるからこそ、アンチは恐れをかき立てられて逆上したのでしょう。
時代は動いていて、それに応えられなければドラマは消えてゆきます。これからもつぼを打ち抜いて下さるレビューを楽しみにしております。

匿名

武者様
総評お疲れ様でした。私的には、『半分、青い。』のレビューで惜しかったのは、離婚のきっかけになった小説家の脚本のエピソード時に休載された点です。あそこは、スタッフがかなり考証されていた様に思いました。 何故こういう話をするのかと申しますと、昨日の渡辺謙のドラマが中々のものでした。そりゃ「台本が面白い」と言うのもわかります。『まんぷく』の信者は、「小説の脚色なんて、簡単」という認識をしていそうです。もちろん、そうじゃない人もいると思いますが、批判意見への弾圧を見るとこう思ってしまいます。長くなってしまって申し訳ありません。

こけにわ

武者さん、お疲れ様でした。
ひよっこ2や、べっぴんさんでなんとかのりきりました。やっぱり朝ドラで楽しみたいですよね、朝は。
半分、青いの叩きが響いたのは、
自分がアスペだからです。シャーロックもリスベットも、繰り返し見ている大好きな作品で、黙ってられなくなりました。生きづらさから逃げないことだけで、よしとしていますし、
世間並を目指すと体を壊すので、
理解されなくても、邪魔されなければラッキー。日本は型が多いなあ、と常々思っていました。
でも鈴愛ちゃんがドラマの主人公。
日本は変わってきましたよ、いい方に。
話題になることは、アスペルガーには嬉しいことです。ありがとうございます。

武者さんの言われる信者?さん達って、
ちょっと変わってるけど、そこが好き、というお友達がいなかったのかな、と思います。必ず身近にマイノリティはいたはずです。けっこう人気者ですよね、本人は狙ってませんけど。
見つけていじめていたら自分の人生が歪むだけです。

朝ドラは応援歌なんだから。
まんぷくの福ちゃんは、
つまらない女の子で、
気持ちのわからない母親で、
敬意の無い娘で、
まったく魅力が無かった!
早く忘れよう、次が楽しみです。
終了おめでとうございます!

匿名

半年間お疲れ様でした。ときどき、どうなってるのか覗きに来てました。
ドラマ本体はときどきBS-プレミアム見た流れで見たことはありますがドラマ空間として薄気味が悪いとの第一話見ての所感が覆ることはありませんでした。
むしろ、Twitterで流れてくる近代食文化研究会さんの連ツイに、心踊るような日々であったかと。
新ドラマについては期待してませんが(毎回恒例)、録画は再開する予定。
第一話、見終わったら所感の答え合わせを求めてレビュー見にきます(まんぷく第一話では武将さんがドンピシャだった)。

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