半分、青い。153話 感想あらすじ視聴率(9/26)半分青いは半分暗い

時は2011年。
同じ日に岐阜の梟町で生まれた楡野鈴愛と萩尾律は【スパロウリズム】という会社を設立、肌に優しい「そよ風の扇風機」開発に取り組みました。

長い時間の試行錯誤を経て、ようやく完成。
投資家の資金を集めるためイベント披露会を開いたところ、大きな揺れが襲いかかりました。

東日本大震災です。

仙台に暮らすユーコとの連絡が途切れ、食欲も湧かない鈴愛。
娘の花野は、震災の影響でおもらしをしてしまい、学校でいじめを受けるようになっていました。

そんな娘を転校させようとしたところで、再会した涼次に「やり直せないか」と言われるのです。

【153話の視聴率は23.3%でした】

 

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「ママには大事な人がいる」「知っとる」

やり直せないか、と語る涼次。
このクズが!と思ってはいたんですが、この哀愁あるマジ顔だと、なんかこう感情が伝わってくる。

思わずホロリとするというか、三オバもそりゃ可愛がるわっていうか。
間宮祥太朗さんの力量ですよね。

「ありがとう……涼ちゃん、でも、それはもう」
鈴愛はそうしぼり出します。

「よいしょ、よいしょ!」
次の場面で、鈴愛と花野がベッドの上で寝転がり、足をくっつけあっております。
こういう自然な、母子の遊びが入るのってイイな。親子の生活一コマって感じ。

花野は、高くてビビってしまったという梟ブローチを返すと言い出します。
(あかり)ちゃんには、母子で作ったカニのブローチを渡すことに決定。一緒に御礼を言いに行こうね、と誓う母子でした。

転校に納得した花野に対し、鈴愛が聞きます。
「パパと一緒に暮らしたかった?」

続けて涼次から再プロポーズを受けたと話すと、
「サイプロポーズ?」
と、子供らしい勘違いをするところが自然です。

駄目なドラマだと、こましゃくれた子供が、大人が聞きたいようないいことを言い出すんですよね~。

「ママは別に好きな、大事な人がいる」
「知っとる」
「誰」
「律」

8歳児に見抜かれとると慌てる鈴愛。はははっ、だからこそのマグマ大使の笛でしょ。
見抜いているけど、都合のいい子ではない――そんな花野がいいなぁ。

 

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こんな状況だからこそ頑張ろうよ!

一週間後。
そよ風ファンの制作に暗雲が立ちこめておりました。スケジュールが大幅に遅れているのです。

岩堀工場長は悩んでおりました。
東日本は、工場自体が壊滅してしまった場所もあります。

なんせ原発事故もありましたからね……。再開のメドすら立たないところも。

「社長! こんな状況だからこそ、頑張ろうよ! ともかく気持ちだけでも前向きでいかないと」

これも、関東の3.11後らしい台詞だと思います。
東北のことを考えてしまう。助けることも出来ず、自分たちも部品の仕入先がなく悶々としてしまう。そういう状態。

そよ風ファンの部品を集めるべく、奔走しなければならないスパロウリズムでは、津曲が中国の工場もあり、岐阜犬もそうだったと振り返ります。

そんなとき、洋二から電話が来ました。
ユーコはまだ見つかっていないながら、洋二を気遣って秋風羽織が仙台まで来たのだと。

涙をこらえて洋二が語ります。

 

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秋風は『A-Girl』の続編を描いていた

羽織が秋風塾の三人に渡した原稿。ユーコは『A-Girl』でした。
秋風はその続編を描き、今度の『ガーベラ』に載せる予定なのだそうです。帰って来たユーコに、読ませるためです。

そこまでしてもらったのだから、ユーコは帰って来るしかない。そう思い、洋二は鈴愛に連絡してきました。

って、秋風先生……!

三人いたうち二人は絶筆、一人は破門。秋風塾は結果的に失敗だったとも思えます。
いやいや、そんなことはない。ちゃんとこういう交流が続いているではありませんか!

彼がまだ弟子を思い続け、漫画を描いている。鈴愛の漫画家としての人生が、今も続いています。

「はい、そうです。その通りです」
秋風羽織に自分のためだけに漫画を描かせて、帰って来ないなんてありえない!
そうだ、こういう形で、東京にいる人間も被災地に祈りを届けることができるんだ!

ユーコがどんだけ師匠から愛されているか、ってことでもあります。

秋風塾だもん、というボクテの携帯メールを思い出しますね。秋風塾、フォーエバー!!

 

東北ほどではない それでも変わってしまった日常

恵子は【グリーングリーングリーン】のボードにユーコの無事を祈ろうとして、破ります。
ここに書くことじゃない、心で祈ること、心でじっと祈ることなのだと。

何かできることはないかな、そう思っていたあの年、東北以外の人々。
死者、行方不明者、不便な生活をしている人たち。

そんな人たちと比較して、自宅で暮らし、食事を取り、あたたかい寝具で眠る。そんなことすら辛くて、申し訳なくなってしまう……それもまた、2011年の春でした。

「私たちに出来ることは、昨日と同じように今日を生きることだ。もう昨日とは違う今日を生きることだ」
テレビから流れてくるニュースを見て、恵子はそう思うのです。

関東でも輪番停電が続き、外資企業は撤退。
揺れて破壊されたものもあり、物流は滞っていました。放射性物質も、静かに降り注いでいたのです。

東北ほどではない。
それでも、何か自分たちの日常が変わってしまった。この恵子の言葉に、あのころのことを思い出します。

立ち止まっていてはいけない。
仕事がある。
【グリーングリーングリーン】は人を幸せにする。出来ることをする!

そうなんです。
あのころは自分を鼓舞するしかなかった。全く同じ気持ちになった人も多くいるのでは?

 

鈴愛ちゃんをよろしくお願いします

ここで涼次が律のオフィスへやってきました。ツーショットは初めてかな?

律は、ホームページ用プレゼンムービーの話をします。ちょっと短くして欲しいのだと。
こんなときでも出来ることを思い、動こうとする律は偉いと涼次。

「よろしくお願いします!」
ここで涼次、鈴愛のことを頼むのでした。
プロポーズは断られたからには、鈴愛ちゃんをよろしくと言うしかないわけです。

やっぱり涼次、根っから悪い男ではないんですね。別れ方がとてつもなく酷かっただけで……。

鈴愛のところにはボクテがやって来ました。NHKニュースで、震災の犠牲者名をチェックしてしまうんだそうです。
しかし鈴愛はできない。テレビを見ていない。

彼女が無責任なわけではなく、精神の差でしょう。
無神経だの怒りっぽいだのいろいろ言われていますけど、感受性が強すぎて、=心が強いタイプじゃないんです。
よい子ちゃんとして、そういう弱さが出せないんです。

だから、かわいらしく控えめに「私は弱いの、守って」なんて誰にも言えないし、自分で困難に向き合った結果、満身創痍になってしまう。

そんな性格だから、堪えるか自分でも気づかないうちに心に傷を負い、限界点がブチっと切れて暴走したり、キレちゃったりする。
そういう場面、何度か見てきました。しょうがないんだ。鈴愛は、仕方ないんだ……。

「大丈夫だよ、鈴愛ちゃん」
これをあげよう、とボクテはポケットからお守りだというキャラメルを出して来ます。

四角いと安心する。しっかり四角で、甘い。
変なお守りだと言いながら、鈴愛は受け取ります。

 

「ユーコちゃん見つかったって」

こんな状況でも、そよ風ファンは投資を受けたからには、7月には売り出さねばなりません。

津曲が提案します。
中国や韓国の工場も、円高だからアリ。
そうなんです。震災があっても止められないことはあったのです。

商売は、待ってはくれません。

ここでボクテから電話が入ります。

廊下で鈴愛が出ます。

「ユーコちゃん見つかったって。駄目だった」
「ん……」

鈴愛はそう言うしかありませんでした。

 

今日のマトメ「半分青いは半分暗い」

あのとき、関東で何が出来たか?

祈ること。
日常生活を送ること。
今日を生きること。

ドラマでは……。
秋風羽織の新連載。
ボクテのキャラメル。
恵子の決意。

鈴愛も律も津曲も、そよ風ファンのために前に進むしかありません。
それが現実であり、日常です。

そうして進みながらも、東北のあの人には何も出来ないというもどかしさがあった。
そういう日々でした。

それにしても本作は……。
普通、秋風先生がここまでしたなら、ユーコが生きていて、漫画を読むでしょうに。

思い出すのは、鈴愛の絶筆です。
あのときも、普通の展開ならば、あそこまでギリギリまで追い詰められたところで、最後の最後に奇跡が起こるんじゃないかと思ったもの。

しかし、起きなかった……。
あのときも、今回も……。

そういう無力感が本作には通底していますよね。
いくら頑張っても、どうにもならないことがある。何度も、何度も、そういうことがある。

これが半分だけ青い世界なのか?

半分、青い空という希望がある。
でももう半分は暗くて悲しいところがある。

そういうところが、嫌いな人には嫌なのかもしれません。
半分暗い部分があるからこそ、青さが際立ち、目に染みるのかも。

本作の震災について、はなっから話題性重視だの、軽薄だの、そういう意見もチラホラ見かけたのですけれども、このタイトルで、そういう作風で、むしろ最終週まで半分暗い雲がなければ、何か違うんじゃないかとも思います。

そりゃ最終週ですからね。
何もかも奇跡的に真っ青に晴れ上がって、ハッピーエンドもありでしょうけど、それじゃあ本作ではない。

2011年の春を描く作品としても、ちょっと出来過ぎじゃないかな。
確かにユーコのことは辛い。辛いです。こういうのが嫌だというのもわかります。

本作はこういう意地悪な、半分だけ青い作風なんだなと噛みしめてしまいます。

律との成就や成功の予感もあるけれど、その青い色だけではない暗さがある。
これが鈴愛と律、そして仲間たちの物語です。

恵子の台詞もよかったなあ。
まさにあのときの自分もこうでした。
二度とあの日以前の日常に戻れない。その不安で潰されそうな中、なんとか前を向いて歩いていた頃。

あの日々を思い出すのです。

文:武者震之助
絵:小久ヒロ

半分青いも過去の朝ドラ大河も!

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詳細は以下のサイトを覗いてみてください。
スマホでもOKですよ。

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【参考】
NHK公式サイト

 

7 Comments

管理人

>くまさん
やってまったぁあああああああ><;
自宅の洗濯機があまりにボロくて、
そろそろ乾燥機付きを買おう!と思って検索してたら
検索履歴に残ってて、やっちまいましたorz

管理人

>みもん様
やってまった><;
ご指摘ありがとうございます!
修正させていただきました。今後もご愛顧よろしくですm(_ _)m

ヒグタツ

先日、久方ぶりに被災地、大川小学校跡地に行って参りました。現地に出向くと、あの時心に渦巻いた思いが去来します。

ビーチボーイ

鈴愛にとってこれまでの人生で最も辛い別れが来てしまった。
鈴愛が一番心の支えにしていた仙吉爺ちゃんは、天寿を全うし大往生なのが救いだった。次には、義母になるはずだったワコさんで、彼女の死も衝撃でしたが、かなり前もってある程度心の準備ができていました。でも今回のユーコは……

ひよっこは、主要な登場人物が誰も最後まで死なず、やっぱり甘いハッピードラマでした。わろてんかは論外です。兄や父親や夫の死に逢ってもどこか他人事だったりメルヘン調だったりで、切実な悲しみは何も伝わって来ませんでした。
本作は、本物の人生のドラマ。その一言に尽きると思います。

いししのしし

今日も素晴らしい解説ありがとうございます。以前からタイトルの真意を考えながら観てきましたが、残り数日になって親友の死とは。まさにお書きのように、「人間万事塞翁が馬」がテーマなのでしようね。半分も青いと見るのか、半分しか青くないと見るのか。このドラマは全て人々の人生への応援歌でした。先程も母親が子供三人と無理心中したらしいというニュースが流れていました。そのお母さんはこのドラマを観てくれてなかったのかなー。ふと思ってしまいました。

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