鈴さんが【ブケプログラム】されたペッパー君に見えてきた……
そして結婚式。
「寂しくなんかありません、私は武家の娘」
うん、本作が武家の娘を誤解していることはもうわかりましたので、もう本当にお腹いっぱいです。
さすがにボケ?
それともブケをバカにしてるの?
ダメだ、もう鈴さんがそういうプログラムをされた【ペッパー君】か何かに思えてきましたよ。
大女優をつかまえていいたかないですが、演技指導はどうなってんだ、本作は?
「新婦咲の妹の、福子でございまぁ〜〜〜す!! この日のために特別な出し物をよーいしましたぁ」
姉の結婚式場でも、振袖を着ていてハイテンションの福子。
これもリアリティがないんですよ。
当時の18歳といえば適齢期です。
花嫁候補として見られることを意識して、もうちょっとしっかりしているはず。
いやいや、現代の10歳だろうと、姉の結婚式でこんなはしゃぎ方しないでしょ。
しかし、幻灯機の準備が遅れます。
仕方ないからとペラペラと余計なことを話し出す福子。姉がいかにモテたか、それを監視していたという内容です。
そこは姉の人柄とか、将来への展望とかあるじゃないですか。しみじみと落ち着いた口調。そこに涙をにじませるくらいの緩急があってもよいんでは?
ドジっ子アピール。もう完全に食傷気味です。
まぁ、本物の武家娘だったら、式場の外までは静かに連れ出し、裏でビンタぐらいしているかもなぁ。嫁ぐ前ですし、無神経アピールをしていいはずがないです。
追いかけて謝金を押し付けたらまだマシだった
「真一さん、咲姉ちゃんを幸せにしてください。咲ねえちゃんも真一さんを支えてあげてくださいね」
このあと、幻灯機が使われます。
エエ場面用BGMが投入されるので、感動する場面のつもりではあるようです。
が、登場人物のセリフが、歴史に疎い人が考えそうな【戦前パラダイスのエエセリフ】で、もう予測ができてしまいます。
この場面でも、福子が幻灯機への興味を持つあたりならばよかった。
しかも、このあと今日で一番強烈な兆候の札が出ました。
謝礼金を断りおったー!
美談にしおったー!
百歩譲って福子が追いかけて謝金を押し付けたらまともだったー!
これはもうダメだ。
負け戦じゃ。
これまでじゃorz
安易な美談が狼煙をあげた
今週は、まるでいらなかったことになりそうな予感がします。
総集編では3秒でもよいのでは?
昨日指摘した、戦前の家名存続路線を取っていれば、なぁ。
長女が婿を取り、長女夫妻と鈴と福子が同居していても、おかしくないと思うんですよ。
戦前ならば、その方がむしろ自然でしょ?
その設定だと、今週の「福子と二人きりになるなんて!」という、鈴の仮病腹痛にウンザリさせられることもなかったはず。
結婚前を盛り上げるにせよ。もっとやりようがあるでしょうに。
考証ミスがあるうえに、プロットとして面白くもない。
しかも福子が、機転や鋭い味覚を示す展開もなく、アピールされるのは幼稚さとドジっ子ぶりばかり。スタートからこの調子では……。
そして今日は、不吉な札が出ました。
【金勘定をしないで、身内贔屓や公私混同を美談にする】点です。
ダメな朝の連続テレビ小説では、ブラック労働とヤル気の表現を混同しがちです。
「24時間コンシェルジュ」という奴隷制度のような働き方を描いた『純と愛』。
無給でパティシェの元で働くことを、やる気として描いた『まれ』。
本作の場合、ちょっとアレンジをされていて、本人ではなく勤務先に迷惑を掛けるようになっています。
どっちにせよ、駄目なんじゃ!
好きな女のために、缶詰を盗む野呂。
好きな女のために、商売に使うものをタダで使う立花。
ちょっと考えてみてもくださいよ。
会社の同僚が、かわいいお姉ちゃんのために備品をあげるとか。それをイイ話気分で語る奴がいたら、大問題じゃないですか?
「うぇ~い。会社の倉庫からかっぱらった缶詰、うぇ~い♪」
って、ツイッターに投稿してるバカがいたらドン引きするだけでしょ?
実はこの点『西郷どん』でも美化して描かれています。
身内を救うためならば全力で依怙贔屓無茶振りをする姿が、
「愛情深いでしょ!」
と描かれるのです。
これまた私の知っている話を一つ。
ある男性の話です。
順調に出世した彼の両親が会社に来たあと、部下が気を利かせて料理店に連れて行きました。
それを知った男性は、顔面蒼白になって怒り狂い、飲食代を全て支払ったのです。
「上司の俺のご機嫌取りに、そんなことをするんじゃない!」
しかしこういう作品だと、そうはならんよね。
むしろ、
「俺の出世のおかげで、両親もタダで飲み食いできてよかったなぁ」
で終わるのじゃ。
本作と『西郷どん』のコスプレ時代劇。こうした作品の特徴は……。
・女はドジっ子で可愛いタイプばかり
・セクハラしても女は受け流してくれる
・女は化粧や服装、甘いもの、恋愛のことしか考えていない
・女は男より愚かだから安心感がある
・身内贔屓をしても誰も厳しいことを言わずに、見逃してくれる
・公私混同して、気になる女に粉をかけるくらいいいじゃない
そんな時代はそもそもない!
脳内ファンタジーもいい加減にしてくれ……というものなのです。
本作を見ていて思い出したのが、とある広告です。
その内容が、あまりに【ファイナル男上司ファンタジー】なので、見るたびに唖然としていたのですが、それにはこんな理由がありました。
クリエイターに好き勝手にやらせてたまるか!と言わんばかりに、会社のトップ自ら「俺のやりたいようにさせろ」と指示を出していたのです。
まさか朝ドラで……と思いながらも、あまりの稚拙な出来に『何か事情でもあるのではないか?』『脚本家やスタッフは自分の思い通りに作れてないんじゃないか?』と、勘ぐってしまうんですよね。
本作を見ていて膝を打ったのが、このニュースです。
◆ノーベル賞のNHK解説に「キズナアイ」は適役なのか? ネットで炎上中(千田有紀) – Y!ニュース
◆「表現の自由」はどのように守られるべきなのか? 再びキズナアイ騒動に寄せて(千田有紀) – Y!ニュース
福子ちゃんって、このキズナアイみたいですよね。
相槌をハイテンションで打って、男の横にいる女の子。
この問題は、コスチュームや萌え絵が焦点にされていると誤解されがちですが、そうじゃないのです。
男の横で可愛い女の子が相槌を打つ、そういうことでいいのか?という話です。
世界基準では、理系の知識をわかりやすく説明する女性キャラクターはどうなりつつあるかと言いますと……。
『ブラックパンサー』のシュリがおります。
シュリは、主人公ティ・チャラの妹であり、ワカンダの王女です。
まだ若いお姫様とはいえ、キャピキャピせず、理知的に技術的な説明をして、ブラックパンサーのスーツはじめ様々な発明をします。
ちなみにシュリは、現時点の福子ちゃんより若いはず。
比較してぶっ倒れてください……。
※レビューの過去記事は『まんぷく感想』からお選びください
※U-NEXTでスグ見れる!
『まんぷく』や『半分、青い。』全話ほか多数の朝ドラ・大河作品を視聴できます。
スマホでもOKですよ。
↓
文:武者震之助
絵:小久ヒロ
以下は、まんぷくモデル安藤百福氏の生涯です。
私の言いたいこと全て言ってくれました。何だかやたら安易に話が進む。あんなに萬平さんとのこと反対してたのに、直ぐに結婚許すし、歯医者咲が亡くなったのに恵に求婚するし。とにかく微妙な心理描写がないので共感が持てない。
多分分かりやすいものが良い人には受けるんでしょう。
>あうこ。さん
一話レビューに理由が書かれているので、
そちらをお読みくださいm(_ _)m
見ていないので、記事の感想ですが、「姉がいかにもてたか」を姉の結婚式で話したのですか?それだけで破断になりそうな気がします。私の母は昭和4年生まれですが、恋愛ははしたないと言われていたそうです。小説も読むと怒られた。父とは写真による三択で結婚しました。
9月に予告編などが流れたとき、「『わろてんか』のノリ丸出しで作ってるみたい」と感じ、嫌な予感がしていましたが、始まってみると果たしてそれは的中。
なので、2話で視るのをやめました。
NHK大阪では『わろてんか』の教訓はまるで活かされてない…と言うより、むしろアレを「成功作」と勘違いしているのではないかと、疑わざるを得ないひどさ。
この調子では、同じような愚作は繰り返されるでしょう。
コメント、書かせていただいて反映されたのも確認したのに今見たら消えちゃってたので、ちょっと短めにもう一回書かせてもらいますね。
前2作に関しては最初の1ヶ月くらいは描かれたことに関しての感想といい点、悪い点を書かれてた気がしますが
『まんぷく』には最初から手厳しいんですね。
なんでそんなに戦いモードなんですか?
自分などは、顔が可愛いというだけで何を言っても許される鈴愛さんの方が大問題だと感じてましたが…
不細工な女の子や男性が言ったらアウトなセリフのオンパレードでしたし…
人の目線て、本当に色々ですね。