眠気は酸欠の症状だ!
月島は無事でした。
が、江渡貝は岩盤に脚を潰されておりました。
ここでの彼の言い分がなかなか悲しい。彼の世界を理解できたのは、鶴見だけ。そのことが嬉しかったのです。
そんなふうに若者を籠絡してきた鶴見ですが、出来ていない人物もいるわけです。
尾形とその仲間が筆頭で、月島も心酔しているのかどうかちょっとわからないところがあります。
杉元と白石は、ガスのせいで猛烈な眠気がしてきました。
酸欠の症状だ!
尾形は江渡貝の屍のみ確認します。
月島を確認できなかったこと。これが伏線となります。
ここで登場したのが、なんと牛山でした。
見事に杉元と白石を救い出した彼に、アシリパもひからびたハンペンを差しだしつつ喜びます。
ナゼ牛山がここにいるか?
と言いますと、連れを探しておりました。
牛山の連れというのは、土方組に加入していた尾形です。
髪の毛をかき上げつつ、ここで登場します。
偽物人皮のもたらす混沌
屋敷に戻った尾形は、偽物の刺青人皮6枚が出回ることになったと説明します。
月島が生きていたら、そうなるのです。
ここで、猫ちゃんを抱っこしながら土方登場!
土方と杉元の出会いというのは、なかなか興味深いものがあります。
この二人、意図的に似ている部分が設定されていると感じるんですよね。
そのあたりにどんな意図があるのか、気になる!!
実は一度、土方と出会っている杉元。ここで白石が焦り出します。白石は、杉元陣営の情報を土方にリークしていたわけですから。
こういうスパイじみたことをしたら嫌われそうなのに、そうならない白石のキャラクター性、本当にいい味を出しております。尾形とはそこが違いますね。
あ、尾形が絶大な人気ということは知っておりますよ。
あくまで、作中での扱いです。
杉元は、土方に“のっぺら坊”は本当にアイヌなのかと疑問をぶつけます。
アイヌの金塊争奪戦として始まったこの物語、第二期から明確に、アイヌだけではおさまらない事情があると明かされてゆきます。
原作以上に、区切りがあったせいか、そこを明確に示しています。
ここが本作の深いところ。
日本とロシアの間に潰されていった人々の声を拾う、そういう役割がある。
尾形がアシリパを“のっぺら坊”の娘なのかと見つめて驚く、この心理も気になるところ。
父によって人生を変えられた子供は、本作においては一人だけではありません。
ここで永倉も登場です。
国を憂いて欲しいとは持ちかけないものの、分け前で嫁でももらえと持ちかけます。
このセリフも、なかなか辛いものがあります。
永倉にせよ、土方にせよ、彼らの仲間は嫁すらもらうことなく、散っていった者があまりに多いのです。そういう平凡な幸せを掴むことがどんなによいことか、そう伝えたいのかもしれないですね。
杉元は、アシリパのために金塊を見つけるつもりだと言い出します。
そうそう、杉元の金塊を求める動機、原作とアニメだとちょっとニュアンスが違う部分があるんですよね。
幼なじみ・梅子の眼病を救うという動機が、見えにくくなっております。
ここで、ゴロゴロという奇妙な音が響き出すのです。
ナンコ鍋と「最後の晩餐」
ここで家永が登場。
食事の支度ができたと言い出します。
食事場面が出てきますが、人物の構図やポーズが『最後の晩餐』と一緒!
ユダがどこにいるか、注目しましょうね。
家永の料理は、ナンコ鍋。
人肉がないかどうか、確認する白石です。
ナンコは馬の内臓を使ったものと説明をされて、キロランケが吐き出します。
ちなみにこのナンコ鍋とは、元々はマタギの食事だったとか。
谷垣なら平気でしょう。
キロランケが吐き出したのは、馬を愛好しているから当然といえばそうなんですけれども。
ここも気になるのですが、狩猟民族でもあるアイヌが、そこまで肉のタブーを気にするだろうか、という点。
西洋の国では、馬肉タブーが厳しいところがあります。
キロランケの見せた乗馬技術も、思えば特異なものでした。
彼のルーツに関するヒント。
実は結構、伏線が張り巡らされております。それを見ないようにしてしまうのは、それだけ彼が魅力的だからこそ。
ここで杉元、尾形が寝返らないかと警戒します。
そこを明るく笑って否定する尾形なんですけどね。
尾形を演じる津田健次郎さんの声。怪しいのか、優しいのか。どちらにも解釈できる絶妙さがありまして。
毎回こういうところでは「むむむ……」という顔になってしまいます。
聞くところによれば、日本のみならず、海外でも、尾形の魅力にメロメロになるファンがとどまるところを知らないとか。
それも納得しかありません。
芸術家の本懐
月島は鶴見の元へと帰還しました。
前山と江渡貝を死なせたものの、偽刺青人皮回収には成功したのです。
鶴見は「芸術家の本懐は作品を残すことだ」と言いながら、くんくんと人皮の臭いを嗅いでおります。
見分け方は「鉄」と言い残したと報告する月島。
それを聞き、江渡貝のタンニンなめしについて思い出す鶴見です。
タンニンを用いた手袋で鉄にふれると酸化してしまう――そんな言葉でした。
手袋ごしに鉄瓶に触れる鶴見。
と、黒い斑点が浮き上がります。
偽物の見分け方でした。
ここも気になるところです。
月島が理解出来ているのか、そうでないのか?
無言で雨の中を歩く月島は、鶴見が江貝の死を悼んでいないことをどう思っているのでしょう。
戦友だった前山の死に激昂した月島。
鶴見とは別の感情があるのです。
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文:武者震之助
絵:小久ヒロ
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