経理担当者忿怒案件
ダメンズとブラック経営者には優しい本作。
そのせいで特定の経験者や職業人にとっては悪夢と化して参りました。
まずは一人目、経理担当者さん。
本作って、経理が舐められておりませんか?
経理というのは、
・数字と向き合うことが苦痛にならない
・計算、計算、計算!
・専門知識が求められる
・金が目の前にあろうと手をつけない高潔な精神
・小馬鹿にするウザい営業に我慢
といった要素が求められるわけです。
それを、鈴にぶん投げた挙句、業務のギャラに関する相談すらしませんね。
ダネイホン関連だってコストガン無視。
つい最近まで借金まみれでしたからね。経理担当者、泣きたいハズです。
エンジニア魂、げんなり案件
先日、思わず前作の萩尾律と比較してしまいましたが、とにかく立花萬平にはエンジニア魂なんてないッ!!
スモモを混ぜてダネイホンの味を改善したとドヤ顔で言うわけです。
そんなもん想像するだけでマズそうでしょ。
だいたい、知識を糧にして数々の候補を検討して選んだわけでもなく、土産だから思いついただけってインテリジェンスがゼロです。
【社長は思いつきでものを言う】を、地で行く萬平さん……辛い、辛すぎる。
まぁ過去のしょぼい発明の数々を見ていれば、そんなことは想像つきますけどね。
これも、発明の過程を丁寧かつ活き活きと描いていた前作と比べるとがっかりです。
実は一話目の時点で、前作で朝ドラにハマった層はやめておけ、と私は気づいていました。
視聴率だのなんだかんだ言いますけど、前作は従来朝ドラを見なかった新規層を開拓した功績があるわけです。
その開拓した層を、焼き畑のようにメラメラと燃やしているのが、本作の無神経さです。
前作との比較で特に印象に残ったのが津曲父子です。
あの二人を通して、ブイブイ営業マンタイプ(くりぃむしちゅー有田さん)が、エンジニアタイプをバカにするという嘆かわしい風潮に切り込んでくれたんですよね。
ブイブイ業界人の津曲ですが、アーティストタイプの我が子をダメな奴だと突き放さず、理解を示しました。
「お前はお前の世界を進め、それを邪魔する奴は相手にするな」
って励ましたんですよ!
これは、あの萩尾夫妻ですらできなかったことです。
律をこよなく愛してはいても、友達ができない、理解者に恵まれない我が子を不安視していました。
ところが津曲は「それでいいんだ!」と、かつての律に似た我が子を全面肯定したんです。時代の流れを感じましたね。
あの描写に、本当に救われた人はいると思うのですが、本作はそういう層を地獄に送り込んでくれそうです。
やりがい搾取っすよ、それ
ダネイホンの発売まであと一週間だ、それまでに新規業務を覚えるんだ! 総力戦だ!!
昇給?
増員?
そんなものに金を使えるか!
ダネイホンという新たな商品に関わることができるんだ、光栄だろ!
自分が頭を下げたら、皆感動してついてくると言いたげな謝罪も鬱陶しいことこのうえナシ。
あー、はいはい、やりがい搾取、やりがい搾取。
新規事業をやるというのに、人員は増やさずに、ラベルデザイナーすら雇わない立花萬平。
社長に向いていないどころの話じゃないです。
本作を鑑賞していると、喉まで込み上げてくる言葉があります。
「今時の若者は努力が足りない、わがまま、情けないって言いますけど。過去の社長にあったのは好景気という追い風ですよね? 今の若者のほうが、社長よりよほど気がつくし、頑張ってもいますし、弱いわけじゃなくて、繊細で周囲に理解を示しているだけです」
この言葉、ブラック社長に言いました。
辞表を叩きつけながら、思いの丈をぶつけました。
なんでそんな過去を思い出さないとあかんねん!
あーもうやだやだ、悪夢のようだ!
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文:武者震之助
絵:小久ヒロ
※レビューの過去記事は『まんぷく感想』からお選びください
※まんぷくモデルである安藤百福の記事、ならびにラーメンの歴史もリンク先からどうぞ!
鈴さんの仕事を塩メンも手伝うことになったと、映像なしのナレだけで処理されたのは、ナレの後付けではないかと考察された方はとても鋭いと尊敬いたします。
今回の福子と真一の件もそうでしたね。
しかもナレは「半年前の事」と言っていましたが、あれはまだ福子の妊娠がわかる前で、源ちゃんが生まれてから数ヶ月経っていますから、少なくとも10ヶ月以上は経っているはず。
時系列がめちゃくちゃです。
あの後付けナレーションは脚本家が書いていないのでしょうね。
本人が書いているのだとしたら更に問題です。
ツイッターで検索をしながら批判を受けそうなところをナレ修正する。
姑息ですね。
少し前から福子が常に赤ちゃんを抱いているのが気になって仕方ありませんでしたが、今日はそれが特に顕著でした。源ちゃんかわいい~の声が多いからサービス?それとも福子は育児が忙しいってことを強調しているのでしょうか?昔の母親はみんなおんぶひもでおんぶしながら家事をしてそのまま買い物にも出かけてました。のんびり抱っこって、それじゃなんにもできないでしょってイライラします。
幽霊システムがなんとも安っぽくなってしまい悲しいです。「カーネーション」で善作お父ちゃんが、「ごちそうさん」でかっちゃんが、それぞれ一回だけ出たと思いますが、どちらも涙なくして見られませんでした。これを書いていても涙が出てきます。今作となんたる違いでしょう。別に涙のシーンにしなくてはいけないとは思ってませんが、咲さんが人気があるからといって安易に登場させるのはやめてほしいです。前述の源ちゃんも然りです。作り手には、作品や登場人物を愛し心を込めて作って貰いたいと願うばかりです。もう取り返しがつかないとは思いますが。