はい、まずはレビュー前におすすめ番組です。
◆NHKドキュメンタリー – ETV特集「アイヌらしく 人間らしく~北海道150年 家族の肖像」
明治時代以降、アイヌの人々がどんな苦労をして来たか?
これはもちろん『ゴールデンカムイ』の底にあるテーマでもあります。是非ご覧ください!
NHK関連番組は、もしも見逃した場合でも【U-NEXT】で見ることができます。
大河や朝ドラもございますので、ラインナップのご確認を。
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注目のニュースはこちら。
◆共生の心大切に「アイヌフェスティバル2018」初日は宇梶剛士さんがトークショー | 河北新報オンラインニュース
◆象徴空間の愛称「ウポポイ」 開設500日前 ロゴマークも発表:どうしん電子版(北海道新聞)
アイヌ文化が認められるまで、どんな道のりがあったか。
本作ファンになったことをきっかけとして、ともに学びたいですね。
そしてもうひとつ、こちら。
◆戦争の結果、北方領土はロシア領に…露外相 #日テレNEWS24 #日テレ #ntv
これも本作の底にあるテーマです。
遡れば19世紀から、江戸時代から、ロマノフ朝の頃から、領土でにらみ合いが続いてきた国。それが、日本とロシアです。
ここで忘れてはならないこと。
それは、日本とロシアが争ってきた土地には、先住民が暮らしてきたということです。
彼らにとってすれば、二国間の争いは災難に他ならないものでした。
詳細をご覧になりたい方は以下の記事へ。
では本編へと参りましょう!
金塊は夢幻なのか?
網走監獄に、第七師団到着!
杉元と白石はのっぺら坊主に会えず、アシリパともはぐれてしまい、逃げる他ありません。
ここで谷垣は、インカラマッの真意を確かめます。アシリパとのっぺら坊を確保できるとすれば、もはや鶴見のみだと語るインカラマッ。
しかも彼女は、アイヌの金塊はどうでもいいと語るのです。
これって結構重要なセリフでは?
アイヌからすれば、カムイを怒らせてまで掘り出したおぞましいものとも言えるわけです。
それに、原作よりもはるかに刺青人皮入手枚数が各陣営とも減少しています。
果たして金塊にたどり着けるのでしょうか?
仮に軍資金があったとしても、アイヌの武装蜂起は現実的ではありません。
武器弾薬はどうするのでしょうか?
彼女はそこまで冷静に判断しているのかもしれないですね。
鶴見と土方の勝ち目も相当薄いとは思いますけれども。こうした中央政府に不満を持つ武装反乱は、明治時代初期続発したものです。
それが西南戦争を最後に、やっと終息しました。
網走監獄囚人の中にも、こうした反乱で捕らえられた者も含まれているわけです。
あ、でも谷垣ニシパ。
「女というのはおそろしい!」
という二瓶の受け売りはどうかと思いますよ。
男の尾形あたりだって、充分恐ろしいです。
それって、女は安全で平和主義だという思い込みですね。
今日も月島軍曹はつらいよ
さて、迎え撃つ犬童もちょっと大げさです。
マキシム機関銃だとぉ?!
全員挽肉にして豚の餌にするつもりだそうで。確かに網走監獄には凶悪犯人もおりますけど……オーバーだな!
しかし、やっぱり鶴見の方が一枚上手です。
艦砲射撃ぃぃぃ!
この艦砲射撃は西郷隆盛の西南戦争でも猛威をふるいました。今年の大河ドラマ『西郷どん』ではそのへんサッパリわからなかったんですけどね。
西南戦争における西郷隆盛の敗因としてあげられるひとつが、海軍力が一切なかったことです。海軍を味方に付けた鶴見は、ある意味、西郷隆盛以上と言えるのかもしれません。
艦砲射撃の結果、監獄はぶっ壊れるわ、都丹は聴覚に打撃を受けるわ、大変なことになっております。
ここで流石に月島軍曹、暴れ過ぎて中央に報告しなきゃならないのでは、と確認します。
鶴見は、蝗害(こうがい・バッタ類による田畑の被害)の始末を鯉登少将に頼んだことにすればいいもん♪ だってさ。
月島、ここで鶴見がそれを否定する目撃者=囚人・看守皆殺しにするつもりだと悟ります。
そうそう、コミックス16巻の特典カバーの一種に、
「月島はつらいよ」
があるそうです。つらいもんな……いつもつらいもんな!
【『ゴールデンカムイ』書店さん特典ブックカバー配布決定!!】
全国の一部書店さんにて、全3種(月島、谷垣、江渡貝くぅぅん)のブックカバーを特典として随時配布中!コミックスとぜひ!!
※配布方法は各書店さんで異なり、なくなり次第終了となります。
配布書店さんはこちら⇒https://t.co/h49We8jhnU pic.twitter.com/kelx5wkGlY— ゴールデンカムイ(公式) (@kamuy_official) December 17, 2018
月島はいつまで鶴見について行けるんでしょうか……精神的な意味で。
ブラック中尉に仕えているけど、軍曹はもう限界かもしれないでしょ! 鯉登少尉も面倒臭いし。
北の声なんて、この国の中央には届かない
この鶴見のセリフはうまいと思います。
蝦夷地あるいは北海道のことなんて知らないし、というスタンスは日本史を貫いてきたものです。
中央朝廷「蝦夷って野蛮な奴らがいるよね!」
江戸幕府「松前藩がなんかヤバそうだけど、まあいっか……」
この状況、現在は変わったと思いますか?
例えば、今年の北海道胆振東部地震のときの対応を思い出してください。
同時に、日本史の時間を思い出してください。
「ペリーの黒船が来て、日本が西洋列強の脅威にさらされた」
「西南の諸藩は西洋列強の脅威に対抗しようとしたが、東北の遅れた諸藩はそのことがわからず、戊辰戦争で敗北した」
そんなふうに習いませんでしたか?
実はそうではありません。
江戸時代、真っ先に海外の脅威を感じていたのは、むしろロシアと向き合った蝦夷地や東北諸藩だったのです。
ではナゼ、一般的な認識は間違っているのか。
第一に、戊辰戦争で東北が敗れ、軽んじられてしまったことが大きい。
明治時代、北海道に屯田兵として送り込まれた人々は、こうした東北諸藩の出身者が多かったのです。
こういう北からの声が、中央まで届いて来ましたか?
本作を見ながらもう一度、そのことを考えてみても興味深いと思います。
「蝗害も暴動も、中央の人間はこんな地の果てまで確かめに来ることはまずない。中央にはいつだって事後報告で充分だ」
苦い嘲りを込めた鶴見の声。
それは誰に向けられたものでしょうか? 私たちの心に、届いてもよいはずです。
看守と囚人。
第七師団は容赦なく蹂躙してゆきます。
このあと、月島が投げた照明弾が、看守を爆死に追い込みます。月島、鯉登、宇佐美らは血に飢えているかのように、囚人を容赦なく死へと追いやります。
彼らは哀れな犠牲者であるとともに、二重の被害を受けています。
第七師団の暴力、もたらす死。
そしてそんな彼らを目に付かないところへと追いやり、労働力として利用した中央の冷酷さ。
網走監獄には、凶悪な犯罪者だけがいたわけではありません。
自由民権運動活動家や、士族反乱敗北者も含まれておりました(続きは次ページへ)。
※うわぁあああああああ、金カム、見逃してしもたっ><;
って、方はPC・スマホでゴールデンカムイ見放題のFODがありますよ
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