モデルの説明を萬平に振る不可解さよ
このあとの立花家食の場面。
幸がモデルを知らないというのも不自然でしたが、それよりも気になったのが子供たちのキャラクタ。単にシーンのつなぎであって、彼等から人格を感じられない。
それよりおかしいのは大人の態度です。
福子がモデルについて説明できずに、萬平に投げるのってなんなんですかね。
『(裸体画だったから)そんなエッチなこと、子供に言えないわぁ〜』
っていうニュアンスすらあったように思えたんですけど、画家とモデルをバカにしてません?
一方で、またダネイホンの看板自慢するあたりが気持ち悪い。
世間では、社長がモデルを務める広告なんて、うすら寒い笑いものですよ。
それとも笑うところ?
画家ならば、ヌードデッサンの経験ぐらいあるでしょう。
それに真剣にスケッチに打ち込むのであれば、スケベ心なんて封印しますよ。
モデルだって、プロとして振る舞わなければならない、そういう仕事です。
それをお色気に結びつけるって……。
自分たちが邪な妄想を働かせるからって、他も全員がそうだと思わないでください。
こんな調子で大丈夫ですか?
本作の出演者やスタッフでセクハラが発生していませんか?
朝から公共放送で、職業差別とセクハラ促進なんて、もう完全に終わっています。
忠彦、今、何歳ですか?
女性モデルのいるドラマで、女優を使うとこう揶揄されることがあります。
「美化し過ぎぃ!」
って、なぜ女性ばっかりそうなる?
男性モデルで、実物より美形が使われてもそんなことはない。
そこで思い出したのが、前作の執拗な女性脚本家叩きです。
男性が10歳年上の女性と交際していると書いただけで、
「ババアの妄想だ!」
と意味不明な叩かれ方をしましたが、本作はどうなる?
もう一度聞きましょう。忠彦、今、何歳ですか?
本作は、なにかにつけ妄想お色気世界の
【ファイナルオヤジファンタジー】
が連日垂れ流されています。
昭和はそういう時代だ!という擁護もありますが、ねーよ。
突然の男パンチラに喜ぶ女だの、義理の息子にヌードモデルになりたいと直訴する母親だの、父親からエロ目線でジャッジされて喜ぶ娘だの、そんなもん妄想内にしかおらんわ!
本作スタッフには、こちらの動画を送らせていただきます。
神部はエエ歳して構ってちゃんだしさぁ
「ただしイケメンに限る」
ネットでは、話のオチにちょいちょいこんな言葉が使われますね。
本作は、この言葉を地で行くようなモンだなぁ、と序盤は思っておりました。
序盤はよかった――と擁護する声もある立花萬平ですが、実は最初から変わってませんよ。
福子にまっとうに挨拶もせず、男がいるかどうか聞くわ。パンチラを披露するわ。ハッキリいってクズです。
忠彦は凋落著しく、初期はここまでおかしな人間ではありませんでした。
今じゃオロオロするだけの真一は、真っ逆さまですね。まるで頼りない。
序盤は、ハセヒロさんのセクシー拷問にほっこりきゅんきゅんだの、褌尻に興奮だの、そういう風潮もありました。
それももう、無理じゃないですか?
「本作の男性キャラ、イケメンなのに全員うっすらとキモい」
そんな声が女性視聴者から聞かれ始めました。
今朝は、神部も気持ち悪かったです。
ちゃぶ台の前にドカッと腰をおろし、妻のタカに構ってくれオーラをビンビンに放射。
保育園児かよ。
いるいる!
こういう不機嫌アピールをして、部下や女性から、
「どうしましたか? 何かありましたか?」
と聞かれるのをじっと待っている構ってちゃんオヤジ、いるいる!
鬱陶しくて無視したいけれども、そうするとキレ始めるんですよね。
こっちにも仕事はあるというのに、すぐにご機嫌伺いに行かないと、
「俺がこんなに怒っているのに構わないのか!」
とキレ始めるんすわ。んで、そうやってむっつり黙っている構ってちゃんの俺を、無口でクール、高倉健さん系のイケてる日本男児だと思っているらしいという……。
これまたプレイヤーにとっては【ファイナルオヤジファンタジー】だけれども、周囲にとっては【オヤジハザード】案件です。
爽やか瀬戸康史さんですら、今じゃ【オヤジハザード】の構ってちゃんゾンビにみえるんだから、本作って半端ない。
視聴率にもハッキリでている
私の感想だけだと、客観性に乏しいとキレる御方もおりますので、数字もみておきますと……。
好調だった前作を受けて23%で始まった本作の視聴率は、現在21%台へ、どんどん下がっておりますね。
以下にこれまでの全視聴率が掲載されており、確実に下落傾向にあることが見て取れます。
朝ドラの視聴率については、考えねばならないことがあります。
・前クールの影響を受ける
・現代ものより、モデルありの戦前からスタート一代記もののほうが高い
本作は、この二つの条件をクリアしておりました。
前作が取り戻した高視聴率スタートですから、かなり好条件です。
それと比べますと、低視聴率の『わろてんか』を引きずった前作は不利。
以下のページをご覧のとおり、19~20%台から始まり、確実に21%台→22%台へと伸びていくのがわかります。
いやぁ、数字って正直ですね。
むろん視聴率だけで作品を診断するのはナンセンスであり、あくまで一つの指標に過ぎませんが、『まんぷく』の放送当初は
「視聴率で前作を上回るからこちらが上なんだ、お前は見る目がない」
と私も散々ボコられました。
んで、この有様です。
下がっているのは視聴率だけではありません。
◆NHK 値下げで30億円の赤字へ | 2019/1/15(火) – Yahoo!ニュース
今やテレビではなく、動画配信サービスで映像を楽しむ時代に変わりつつあります。
AmazonのFirestickを挿し込めば、そのまま複数のサービスを簡単にチョイスできますからね。
アンテナ機能のないモニタを買えば、受信料を払う必要もありません。
ニュースだって、どんどんテレビ以外でも流れております。
そういえば昨日は本サイトのツイートでもこんなドラマが取り扱われておりました。
あー、ついに動画配信サービスの歴史本格攻勢が始まったかー!
今回はAmazon primeビデオっすね。
面白そう♪吉川晃司、9年ぶりの織田信長!ドラマ『MAGI-天正遣欧少年使節-』予告映像解禁 – BIGLOBEニュース https://t.co/CaG1JibZfc
— 武将ジャパン (@bushoojapan) January 15, 2019
吉川晃司さんの、信長、カッコエエ!!!
私も何度か指摘させていただきましたが、この一枚の写真だけでかなりの意気込みが感じられるじゃないですか!
こちら、放送されたらレビューを書かせていただくことにもなっています。
編集さんも楽しみなようで、どんどん増えていったらエエな♪
と期待しているところ。
大河や朝ドラは、それでも安泰でしょうか?
せっかく優秀な歴史コンテンツを送り出してきたのに、この調子ではスタッフまるごと引き抜かれて、外部での制作が始まるんではないですか。
考証をシッカリして、自由に描くことができる――それこそが歴史コンテンツの醍醐味なはずで、別に放送局にこだわる必要はない。
もちろんNHKでは、それがデキる可能性がある。
にもかかわらず、『まんぷく』のような体たらくが本気で残念なのです。
「今の朝ドラつまらないけど、このレビューを読むために見ている」
そんな嬉しいご意見もいただきます。
しかし我々の総意は、
「ドラマが面白い!それを二度味わうためにレビューも見てみよっかな♪」
ではないでしょうか。
希望は捨ててはおりません。
※『MAGI-天正遣欧少年使節-』が見れるのはAmazonプライムビデオです(1/17から180カ国同時配信)。
※スマホで『いだてん』や『八重の桜』
U-NEXTならスグ見れる!
↓
文:武者震之助
絵:小久ヒロ
※レビューの過去記事は『まんぷく感想』からお選びください
※まんぷくモデルである安藤百福の記事、ならびにラーメンの歴史もリンク先からどうぞ!
※コメントにつきましては、
・まんぷくここが好き!
・まんぷくここがアカン!
という意図でご自由に記述してください。
作品に関するものについては全て掲載しております。
攻撃的な書き込み等については、こちらの判断で削除させていただきますので、あらかじめご承知おきください。
>盾食う虫のライクライク様
ご指摘ありがとうございます!
修正させていただきましたー。
OP、2バージョンあったんですね。
確認取れ次第、対応させていただきますm(_ _)m
誤字脱字かもしれないのでご確認お願いします。
1ページ目 ダブルスタンダードが酷い
・妻子を褒める中身が、学歴や外見というブランドだけ
・妻子の性格面、知性、そういう中身については褒めていない
・かわいい娘に悪い虫がついたら心配だとぉ? 娘の交際相手は自分で決めるという意識が根底にある証拠。自分の所有物扱いしているってことだ
・妻子を褒める中身が、学歴や外見というブランドだけ
・一応克子に支えられたというものの、それも理解ある家事育児マシーンってことですよね
・いや、むしろ支えたのは実家からの仕送りやろ! というツッコミ。克子が働きに出ていたなんてこともない。克子は働く福子をけなしておりましたね
・息子は言及せず。息子への愛情欠如という可能性もあるけれども、ニュアンス的には女だけをジャッジしたいクソメン精神性ゆえかと
「・妻子を褒める中身が、学歴や外見というブランドだけ」を二回言っちゃってます。
もう一点、レビュー本文の内容についてです。
1ページ目 序文
そういえば本作って、OPがひとつのバージョンしかないのでは?
普通は、クレジットが長くなる月曜日はロングバージョン、その他の日はちょっと短いショートバージョンが一般的です。
それが、ない。
これも時間稼ぎ?
一応二パターンを用意しているようで、不定期にロングバージョンとショートバージョンを流しているようです。
本日はロングバージョンでした。
こちらも併せてご確認お願いします。
お手数おかけします。
潜伏さんの考証すごいですね!初めて知りましたし論文まであるなんてびっくりぽんです。
武者さんが日頃丁寧にご自身の見解や考証を纏められてるからこそ潜伏さんのようなハイレベルな方もサイトに来られるんだな、と感動しちゃいました。
まんぷくの制作陣が意図して今回のパターンを採用したのか、無知故にそのへんの考証も違和感も気がつかずにピュアに採用したのかは永遠の謎になりそうですが、新しい視点や歴史にアクセス出来て思わぬ収穫、と言う気分です 笑
「アリとキリギリス」の結末はアリがキリギリスを見放すという
ストーリーが一般的と思っています。アリが食料を分け与えるといった結末を
教わったという方は少数派ではないかと思っています。もしくは時代の若い人で
手をつないで一緒にゴールしましょう、という教育を受けてきた方々、というのが
第一印象でした。(蛇足ですがEテレでたまに放送する「昔話法廷」のアリキリの回は考えさせられます)
実はこの部分でこの脚本は30代前後の人が書いているのではないかと勘ぐった次第です。
ここまできても今作の脚本は複数人で書いているように感じます。(あくまで感覚的なものですが)
来週からラーメン作りが始まるようですが、この部分から福田氏が担当するのではないかと勝手に想像しています(面白くない展開に、わずかの希望も含めました)。
いつも楽しく拝見しています。まんぷく本編は既に観ていませんが、こちらのレビューで更なる惨状を知り、どこまで酷さを更新するのかと呆れ果てています。
さて、ドラマと関係ないコメントで恐縮ですが、「アリとキリギリス」改変版のこと。
本来のイソップ物語では「アリとセミ」だったかと思いますが、アリがキリギリス(に相当する虫)に餌を分けてあげるバージョンは、戦国時代にイエズス会宣教師が初めてこの話を伝えた時から存在します。
その経緯についてはウェブ上にも幾つか資料があると思いますが(「アリとキリギリス 宣教師」等で検索すれば出て来ます)、こちらの論文に、その後の絵本等でどうなっていたかということも合わせて詳述されています。
kokusainihongaku_6_1_59.pdf
明治大学のサイトに掲載されたようです。
http://m-repo.lib.meiji.ac.jp › bitstream
上記論文にも少しだけ言及がありますが、ディズニーの初期短編映画(もちろん戦前です)にも「アリが餌を分けてやる代わりにキリギリスは楽器を演奏する」という脚色があるそうです。
というわけで、「アリとキリギリス」改変版の歴史は案外古いというお話でした。
余計なことでしたら申し訳ありません。