女はバカだと言いたい気持ちは伝わってきます
本作から伝わってくること。
それはインスタントラーメンの素晴らしさよりも、女をバカにしてゲヘゲヘ笑いたい――そんなマインドです。
CMと違って炎上しないのがフシギでならぬほど。
今日も女をバカにしておりましたね。
・赤ん坊の使い方が、源と幸と同じ。乳幼児を可愛いお人形扱いしている
・福子にせよ、タカにせよ、信徒は乳幼児を背負うことを禁じられているのでしょうか?
・「経営は怖いのヨォ~」何度目だよ、鈴さん! この【ブケムスメプログラム】、また繰り返すバグが発生しているよ
・しつこい偽福子ブサイクいじり。ちなみにこの偽物も安藤サクラさんです。主演女優を不細工連呼するってどういうこと?
◆【まんぷく】偽福子の正体は安藤サクラ「二重の幅を自力で変え」て役作り | ORICON NEWS
くそ度胸というか、本当にスゴすぎるわ……。
当時は#私が父を嫌いになった理由 なんてなかったね
ついでに言うと、
「男が家事育児を丸投げできた時代はよかったよなぁ~」
という、クソみたいな認識を褒め称えているマインドも伝わってきます。
「男なんてそんなものなのよ」
という、何の言い訳にもならないセリフを克子の口から言わせる、ゲス脚本が、今日もノンストップ!
忠彦はいい父だったとここで言われます。
どこが?
・仕送り頼りのネトゲ廃人同然
・娘の容姿をジャッジをする
・娘の交際相手に干渉する
・娘の薙刀稽古をバカにする
・娘と同年代のモデルをエロい目で見る
・娘二人がヌードモデル志願してもまんざらでもない
もう、クソ父コンボ待ったなしじゃないですか。
本作の親子描写って本当に不気味です。
だって、忠彦が息子を心配したことなんて、ありませんよね。
息子は放置。
娘には性的なニュアンスが込められたような干渉。
書いてて、吐き気がこみあげてきそうだ。
本作ってつくづく認識が、半世紀前くらいで止まっていて恐ろしいものがあります。
女にとって育児は楽しい、苦労なんかしていない。
男様がやることじゃないもんね~、げひひ♪ ってか!
これも時代背景を言い訳にはできません。
『いだてん』では我が子を思う父がちゃんと出てきましたからね。
そりゃあ本作信徒は『半分、青い。』が嫌いなはずですよ。
あのドラマでは、男性だって、きっちりと育児と家事に向き合っていました。
そんなもん見せられると、なんかチクチクするものがあったのかもしれません。
まぁ、チクチクする神経すらないから、気づかないまま垂れ流しているという見方もありますが。
平均智謀8パーティの圧倒的弱さよ
偽物騒動は、もう勘弁して欲しい。
「ハハハハハ!」と高笑いしながら登場する猿渡。
なんてバカな演出だろうと呆れ返ったのですが、納得できました。
パーティが圧倒的に弱いんです。
呂布・世良
マウンテン・真一
鬼武蔵・萬平←New!
全員悪人ならぬ全員バカ。
智謀が平均で8ぐらいなんですよ(満点100)。
だから敵は、アホみたいにベタベタな悪役っぽさを出すんですよね。
聞いていると、どう考えても猿渡に軍配があがるっちゅうかね。
「ほぼ同じものを作っていて、こちらの方が安い!」
と言われて、ダンマリになる萬平がもう見ちゃいられない。
そりゃそうでしょ。
そっちの方がいいでしょ。
信徒じゃない一般客は、そっちを買うってもんよ。
それとですね、萬平さぁん……人助けしたいなら、低価格にしてこそでしょ!
偽物を見返すために価格改定や品質見直しをするのであれば、マシだったんです。
しかし、これでは発明に胡座をかいて、踏ん反り返って大失敗するバカにしか見えません。
反撃の材料が「物作りは真似するところから始まる」というセリフの言葉(真似)の
【揚げ足取りだけ】
になりそうなところも痛い……。
ったく知将がいないって辛いなぁ。
劉備も「三顧の礼」で諸葛亮をスカウトしたくなるわけだわ。
パクリ騒動はブーメランの調べ
しかし、このパクリ騒動は、
【ブーメラン】
になる可能性も孕んでいて、なかなかに際どいんですよ。
史実におけるチキンラーメンの【発明優位性】は今や風前の灯です。
要は「彼の発明じゃない」ってことで、いくつかのメディアでも取り上げられるようになりました。
特にツイッター展開している近代食文化研究会さんは各種資料の取り揃えも凄まじい分量で、まとめるとこうなります。
・チキンラーメンの元ネタは台湾
・日本でもチキンラーメンは最初の即席麺じゃなかった
・安藤氏の発明ではなく商売の巧みさ強引さで生き残った
よろしければ近代食文化研究会さんのツイッターをご覧ください。
ちなみに、日本人はパクリなんかしないという怪しい話にも、泥を塗っているともいえなくもありません。
そもそもが台湾由来のアイデアですからね。
昭和の頃は日本人も知的所有権の認識が低く、
「いかに欧米のものに似せるか」
を意識していた時代でもあります。
「漫画の神様」手塚治虫だって、ディズニーやバンド・デシネの影響は受けております。
「漫画の元祖は『鳥獣戯画』!」
というような、胡散臭い話にも飛びつかないようにしましょう。
だからこそ本作で、
「本物はウチ! 残りは悪!」
と、受信料で流すことが痛くてしょうがありません。無茶苦茶やで、ほんまに。
法律を恐れろと本作は猿渡に言い切るわけですが、ブーメランという怖さはないんですかね……。
老いたる馬は道を忘れず
本作の脚本家さんに対して、こんな言葉が胸をよぎる方もいることでしょう。
騏驎も老いては駑馬に劣る——。
ええ、まあなんとなくわかります。
しかし、年齢的には、前作と今作脚本家は同年代ですよ。
それなのに、
「もうお歳ですから」
じゃないでしょ。もっと別の問題なんですって。
その言葉にはこう返したくもなるのです。
老いたる馬は道を忘れず——。
その大脚本家とは『MAGI』の鎌田敏夫氏です。
本作の脚本家とは親子ほどの年の差だとのことで、調べてみますと、なんと25歳も年上じゃないですか!
それなのに、日本史だけではなく西洋史まで取り込んだ、伏線たっぷり、陰謀まみれ、深い機知に富んだ傑作を書いておられます。
ちゃんと2019年にふさわしい作品作りを意識しています。
性暴力被害者女性の境遇に怒り、その怒りが運命すら決めかねない――そんな人物があの作品にはいる。
これぞ2019年でしょう。
#Metooをふまえたドラマなんだな、ちゃんとアップデートしているのだな、と唸らされたものです。
本作はナゼそれができないのでしょうか?
※スマホで『いだてん』や『八重の桜』
U-NEXTならスグ見れる!
↓
文:武者震之助
絵:小久ヒロ
※レビューの過去記事は『まんぷく感想』からお選びください
※まんぷくモデルである安藤百福の記事、ならびにラーメンの歴史もリンク先からどうぞ!
※コメントにつきましては、
・まんぷくここが好き!
・まんぷくここがアカン!
という意図でご自由に記述してください。
作品に関するものについては全て掲載しております。
攻撃的な書き込み等については、こちらの判断で削除させていただきますので、あらかじめご承知おきください。
歴史的ぐだぐだ作が終盤に来て実話に部分接近、盛り上がるという快挙。
もう少し性格をどず黒くして裏社会と絡ませ虚言癖つければ猿さんはまんま百福さん。
黒萬さんと融合させつつみるのもいい。おもろなってきた。
簡単に解決せず(するだろうけど)、ぱくり夫婦にはしっかり失敗させ落ちぶれさせてほしい(しないだろうけど)。
あと、モデル会社の歴史捏造謝罪会見にも期待がふくらむ。
匿名さんと羅蜜王さんのコメントを見て、これから1ヶ月かけて、萬平たちが猿渡の卑怯なやり方に完敗、最終回で猿渡が「テイコー食品は社名を変えて即席ラーメンをメインの会社にする!新社名は“日清”だ!ハッハッハッハッハー!」で終わったら大絶賛するのに、と想像して楽しかったです。
今の『べっぴんさん』では、さくら・健太郎が不満を持つ一方、従業員の間には、彼等に対し看過できない反感が生じてしまいます。
とは言え、
さくらにせよ、健太郎にせよ、未熟であるがゆえの思慮不足・自己過信等が表に立ってはいるものの、悪意などあろう筈もありません。
他方、従業員らにしても、動揺・反感が生じてしまうのは、あの経過では無理からぬこと。責められる謂われもありません。
かように、『べっぴんさん』では登場人物の全てに、それぞれの正義がある。ご都合主義的な「絶対悪」は出てきません。最も絶対悪的か?という人物でさえ、彼なりの立場・理由はあります(ネタバレ…)。
それに引きかえ『まんぷく』は…
あの当時即席麺製品が乱立したとき、真相は、「どの業者にもそれぞれの正義があり、それぞれが自分なりに『この即席麺で人を幸せにしたい』という理想がある」というものであった筈。
無論、悪質業者も跋扈したろうけど、そんなものは早期に市場から淘汰される。
なのに、『まんぷく』作中では、「まんぷく食品だけが唯一絶対の正義。他は全て悪意の偽物」などという、不自然極まる描写をする。
競合他社に、立場・正義は一切存在しないことにされている。
そんな気持ちの悪い世界などあるわけない。そんなものを描かれても気持ちが悪くて見ていられない。
…としか、私には感じられないのですが。
これを本気で楽しんでる人は、果たしてどれ程いるものなのでしょうね。
来月末になれば、終わりが来るのはわかってますが、それでも早く終わってくれと、思わずにはいられません。
しかし裏腹に、『べっぴんさん』も終わってしまう…
ああ…
いっそ、東明、日清、大和の三つ巴の戦いをドラマで描いてくれれば、面白かったのに、と思います。
日清が善で、他社が悪というこのドラマの単純な図式は、歴史の影に消えてしまった発明者たちの名誉を著しく損ねるものになるでしょう。
また、台湾人である主人公を日本人のように描写することは、例えば、外国の人が「日本人の功績を韓国発祥のように紹介する」ことと何ら変わりません。
この2点から言っても、このドラマは朝ドラ史上最悪の汚点を残すものと思います。
批判を毎日書かなければいけないからなのでしょうか、毎回、レビューが武者さんらしくない気がしてますが、上記の2点に関してだけは同意します。
今日の『べっぴんさん』第122話。
健太郎よ、君もか! それは甘いぞ。
足立部長、さすが。
紀夫も。今まで目立たなかったキアリス男性幹部が光を放ってきました。
嬉々として調理に取り組む龍一。それにしても見るからに美味しそう。買って来たくなる。
『べっぴんさん』で料理が出てくるときは大抵いつも食欲を誘う良い感じです。
…どこかの、食品作りが主題の筈の作品とは段違い…
今度も、『まんぷく』には比較の対象になるようなものは無し。
何か、類似品がどうこう…とやってるようですが、
あんなひどい「偽大急百貨店」をしつこく出していた番組で、主人公サイドが「ウチが本物だー!偽物とは違うんだー!」を連呼するとは…
失笑を禁じ得ませんでした。
立花萬平は安藤百福と同じ時代と同じ関西に育ち、
バッタもんのラーメンを作った有象無象の名もない変人発明家であり、
福子はその妻という設定なら納得いくかも。
そして、猿渡は安藤百福でしたというオチ。
もちろんそれじゃあ朝ドラにはなりませんが。
あの猿渡は、実際の安藤さんかな、と思った。
もしかしたら、既に近代食文化研究会さんで取り上げていたかも知れませんが、6年前のこんな過去記事を見ました。
日清の言いがかり特許侵害訴訟「日清戦争」
http://1000nichi.blog73.fc2.com/blog-entry-3406.html
「訴訟をふっかけて他社の進出を阻むという手法は日清さんのお家芸」の一文にゲラゲラ笑いましたよ。
ライバルの東洋水産に対する安藤百福氏の、アメリカでの特許取得の嘘、和解の条件に1億円を要求など、これが真実だとしたら、そんな真っ黒い人物を朝ドラの主人公にしたNHKは浅はか過ぎます。
大好きだったてるてる家族の千吉さんのイメージは完全に壊れました。