な、何ーっ! 策だとぉおおお!
ここでなつと咲太郎の父であるナレーターが、こう言います。
なつよ、明日を信じようね。
まぁ、自分の息子がなんか訳ありになっちゃったもんな。ナレーターの人選も、効いてきたな。
乱世なら終わっているところだった
この脚本家さんは、才能がある。
努力もしている。時代考証もぬかりない。
ただ……ヒロインが下克上にもほどがある。
強い。大物だ。家庭でジッとしていていいものじゃない。
いっそこのまま、大河ドラマにスライドした方がよいのでは?
そう思ったドラマがあります。『ごちそうさん』と『おんな城主 直虎』のことです。
そういう思いが、本作からも湧いてきました。よいことですけどね。
大森氏の描く女性は、軍師と知将があまりに多すぎまする!
今朝もぬかりなく、また軍師追加ではないですか。
マダムですよ。
相手に宿と食事を提供し、おもてなしをするって、謀殺の世界的なセオリーでして。
真田昌幸「わかる。結婚式とか狙い目だよね」
※何が狙い目だ!
タイウィン「そうそう。わかりみある」
※閲覧注意
アリア「食事を安心してする側にも問題あるだろ」
※パイおいしいねん
これが乱世なら、明日でゲームオーバーだったぞ!
朝ドラでよかったな!!
知とは新しいセクシー
『SHERLOCK』でアイリーン・アドラーが提言していた「知とは新しいセクシー」にまで、朝ドラが挑んでいる。
そう思えてきた本作。
夕見子は、まだちょっと若すぎて、憎まれ口先行型ではある。
妙子は、地に足をつけた実践型。
そんな中、ここで満を辞して登場した知のセクシー軍師が、このマダム光子ではありませんか!
にっこりと微笑み、親切と見せかけて、逃れられない罠を仕掛ける。
これや、これやで!
前作レビューでも、散々突っ込んできたこと。
それは朝ドラヒロインの不自然なまでの幼さです。
・声が高い
・作りものめいた笑顔
・身振り手振りが大げさ
・知的な言動をしない
・ベタベタと甘えた行動を取る
“Born Sexy Yesterday”だよ。
これ、****だけじゃありませんからね。
シャーロット・ケイト・フォックスさんを思い出しましょう。
『マッサン』と『いだてん』を比較して、どうでしょうか?
『あさが来た』だって「びっくりぽんのかっぱー!」と頭のてっぺんから奇声を発しておりました。
『花子とアン』もひどかった。
そういう幼くて可愛い子がいても、別に悪いことじゃない。
問題は、****のようにそれ一種類しかいないか、あるいは史実はどう考えても気の強いタイプなのに、精神年齢を落とされてまで改変されていいのか、って話です。
やっぱりぬかりがない本作
100作目を迎える朝ドラは、その時代にふさわしいヒロイン像を見せてきました。
『ゲーム・オブ・スローンズ』を見て開眼した『真田丸』からのスタッフも多い本作です。
国際的基準に合致するヒロイン像を示す。
そして新しい領域まで行く!
そうではないか?
と、何度も何度も主張してきましたけれども。
新キャラ登場の回でも、ぬかりなく女性軍師枠を入れてくるわけでして。
女性であっても、男性的な行動を取るヒロインというのは、昔からいないわけではありません。
典型例が女戦士ですね。
ジャンヌ・ダルクにせよ。
山本八重にせよ。
誰かのために、世の中のために、戦うヒロイン!
素敵〜!
自己犠牲だよね。そういう風潮は長いことあります。
この間も指摘しましたが、女性の高等教育の理由として、教育関係は早めに認められたものです。
理系進学コースでも、看護師や栄養士になるのであれば、認められやすい。
女が学ぶということであれ、それを社会に還元するのならばよい。
本来女は学ばない。頭を使わない。従うことこそが正しい。
その例外を破るのであれば、社会や家庭への奉仕へのためならばよい。
そういう考え方ですね。
今でも、女子教育問題について「女性ならではの視点」と言い出したら要注意です。
ロゴマークがハートやピンク、お花でももういいから……皮を剥がれた人が逆さ磔になったロゴとかでではできんの?
※すまん、それはやりすぎだった
自分のための知性追究とか。
家事育児以外の発明とか。
ダメですかね?
※世界初のプログラマーはエイダ・ラブレイス。女性です
これに変化が起こったのが、先程あげたアイリーン・アドラーの時代あたりでした。
誰かのために、世の中のために?
知らないし!
私が私のために戦って何が悪いの?
自分の知性を証明するため。相手に挑む、不敵な女。
前世紀ならば悪女でおしまいか、あるいは、男への情や嫉妬のせいだと思われた女でした。
そうじゃない女がいて何が悪いの?
なつはそこまできつくはありませんが、夕見子といい、マダムといい、その方面に突き進みそうです。
『ゲーム・オブ・スローンズ』にも、この典型例がおりました。
****の*ちゃんと並べて悪かった!
それがメリサンドルです。
※祝いの席に呼んではいけない女ナンバーワンです
メリサンドルは、家族はいない。奴隷出身であったかもしれません。
友人? いませんね。
そんな彼女を支えたのが宗教かと思われたら、それだけではありませんでした。
知性と強い意志。
それがあった。
スタニスを支持し、他の宗教を迫害し、殺人も厭わないメリサンドル。
しかし、どうにも愛や忠誠心はない。
スタニスが死んだら、きっぱりと次の道を探ります。
そして最終シーズン、あいつは何だったのかわかりました。
自分の信念が、予言が、正しいかどうか。
それさえ確認できれば満足。
愛じゃない。忠誠心じゃない。ただひたすらに、知性探究に生きた女でした。
乱世ではないから、本作ヒロインがそこまで極端だとは思いません。
しかし、謀略で相手を手玉にとってニヤリ。
我が策の通りよ……と満足するヒロインはいるんじゃないかな。
それが新しいセクシーですから。
期待しています!
【注】編集部より
5/6より本コーナーを武将ジャパンに移動して連載させていただきます。
突然で申し訳ありませんがよろしくお願いします。
※スマホで『なつぞら』や『いだてん』
U-NEXTならスグ見れる!
↓
文:武者震之助
絵:小久ヒロ
北海道ネタ盛り沢山のコーナーは武将ジャパンの『ゴールデンカムイ特集』へ!
武者さんの更新が待ちきれないからここにこそっと書き込み。
夕見子ちゃん、東大に進学しよう。上野千鶴子が昭和23年生まれで夕見子ちゃんよりちょっと下になるけど。
雪月の修行先が東京(新宿)でしょ、雪次郎くんも行くんでしょう?行こう、夕見子、東京。夕見子ちゃんがいてくれたら私も心強いよ。なっちゃん、東京行く(帰る)もん。
今朝は雪月が川村屋に関係がありそうなことより、夕見子ちゃんに東大行けー!と一人勝手に盛り上がってしまいました。
「上京して世話になることになるのが、怪しげな、もとい不思議な店」という展開。
『まれ』での嫌な記憶もありますが、本作はそれを払拭し、「本当はこう作られるべきだった『まれ』の横浜編」を示してもらいたい…とも思いかけたけど。
いやいや、やっぱり『まれ』なんか引き合いに出すのも野暮ですね。
「宴に招いて謀殺」
唐末の朱全忠も忘れてはならないですね。
マダムがただのいい人ではないのがいいですね。
咲太郎が何をしたのか気になります!
煙カスミの場面のところに「リンゴの唄」の動画が貼られてますが、彼女が歌っていたのは美空ひばりの「リンゴ追分」ではないでしょうか?
富士子となつの東京行は2日がかり。
さすがに、道内・本州内とも急行列車を利用したようですね。道内、函館までは急行まりも号かな?
信哉ともども、前年の洞爺丸事故の復旧途上の青函連絡船の利用だった訳で、なかなかに落ち着けない旅路だったかもしれません。
あの前作のおかげで『どんど晴れ』も、まともに思えてしまいます。あの作品は、『天地人』のプロトタイプですから。
どこからオーバーオールが出てきたのやら?
舞台衣装は別として、広瀬すずになって初めてのスカートの衣装で、久美子ちゃんが貸してくれたのかなと思いました。
>匿名様
ご指摘ありがとうございます。
修正させていただきます!
確かに朝ドラのヒロインの性格は、問題ありますよね。子供のとき、あんなに賢かったあさが10年も経たないうちに、キャラが変わって、戸惑ったものでした。広岡浅子の性格も、どちらかというと初に近い気がしますし、後にクリスチャンになるとき「私は今まで甘えたことがないら甘え方がわからない」と言っています。
でも、最終的にすごい人気だったですが。
オーバーオールは着てないですよ。
三つ編みおさげはその通りですが、グリーンのチェック柄のワンピースでした。
都会に出たからそれなりにオシャレしたんだろうと思いますよ。