うまいぜ、咲太郎のカツ丼!
ここで、煙カスミとレミ子のコンビが店に入ってきます。
いつもと違うと戸惑う二人。なつの就職祝いと聞いて驚きます。
呼ばれていないと、ちょっとくやしそうに見えなくもないレミ子です。
咲太郎魔性被害者の会員だからね。
カスミは仕事前の腹ごしらえをしたかったけど、と戸惑っています。
「水臭いことを言うなよ」
ここで、そんな戸惑いをぶった切る、水も滴る江戸っ子の咲太郎です。
こういう粋に迷いをスパーンと断ち切ってこそ、江戸っ子だからね。
そしてそんな咲太郎、自信満々の天丼が出てきます。
これがアップで美味しそうなんだなぁ。
江戸の天丼って感じ!
今日の昼は天丼にしたくなるっ!
信哉は、こんなにうまい天丼は生まれて初めてだと言います。
咲太郎は苦労しているからそんなことを言うんだと謙遜しつつ、嬉しそうです。
これ、褒めたら褒めたでこうですけれども。貶したら貶したで怒りますからね。
江戸っ子だから。
『いだてん』の播磨屋パターンです。
裏方の生きる道
咲太郎のマルチな才能に、皆が興味津々になって来ます。
水曜日で評価がどん底になったかに思えた咲太郎ですが、週の後半で盛り返しましたね。
先週末から今週の前半で下り坂。
水曜で逆転。すごい脚本だな!
しかし、その頂点で疑問が湧いてきます。
こんなに才能があるのに、演劇でも表舞台には立たないと亜矢美も指摘するわけです。
役者なり、歌手なりにはならない。昔から裏方ばかり。
それが合っているのだと。自分が支えた表舞台を見るだけで満足するのだとか。
「私も同じかも。私もそういう仕事をしたい」
なつが目を輝かせます。
信哉も、仕事って本来そういうものだと納得しているのです。
聡明で、一を聞いて十を知るようなところがあります。
かといって、それで引っ掻き回す軍師・夕見子とは違うんだなぁ。
夕見子が記者なら煽りまくって危険でしょ……。
「仕事は裏方で作られている。何でもいい。自分を生かす仕事を見つけた者は幸せだ」
そんなグッとくるセリフがここで示されるのでした。
表舞台で目立つ人。裏方の人。どちらも重要です。
足の引っ張り合いは不毛なのです。
さぁ初出社!
なつはいよいよ、東洋動画初出社を迎えます。
ここで、その下宿のプラス面が明らかになります。
鏡の前で、亜矢美によるファッションチェックと衣装の貸し出しをしてもらうなつ。
これはいいですねぇ!
服にも金がかかります。
なつはおさげを切り、肩までの長さにしています。
レモンイエローのカーディガンを着て、明るくおしゃれに。この配色もファッションもレトロで、可愛いですねぇ〜。
亜矢美さんに選んでもらった衣装で、いよいよ東洋動画スタジオに初出勤のなっちゃん。#朝ドラ #なつぞら #広瀬すず pic.twitter.com/jdcCAFCksw
— 【公式】連続テレビ小説「なつぞら」 (@asadora_nhk) May 31, 2019
ファッションの変遷を真面目にやれ!
そう主張してきたこのレビューも納得できます。
NHK大阪における、レトロゲーの呪い(マリオおてんちゃん、魔王リリコ、ルイージ*ちゃん、ピカチュウ**)は解けたんだ、よかったよかった。
黄色だからピカチュウと思わないでくださいね。
ピカチュウはレモンイエローではありません。
※スクリーンではいいけど、朝ドラではピカチュウはいらんから
三畳でいびきをかく咲太郎の寝顔だけを見て、出発するなつ。
なつよ、新しい日々が始まる。
思う存分、新しい絵に命を吹きこめよ――。
父がそう告げる中、来週へ!
そういえばあの要素どうなったのかな?
放送開始から三ヶ月目に入る中、なつのロマンスの相手は不明です。
なつ自身が、そういうものについては無自覚なタイプに思えます。
天陽が完全に想いを断ち切れたのも、そういうなつあってのことでしょうし。
照男には「きょうだいだと思っていたのに、気持ち悪い!」ですし。
実はなつって、結構言動がきついと思います。
織田信長の本拠地で生まれ育ち、岐阜魂を秘めたヒロイン・楡野鈴愛ほどではない。
あそこまでガツンと焼き討ちにしませんが、火矢を放つレベルのことは割としていますよね。
ひとまず、北海道編は全員現時点で脱落に思えます。
一番いいところまで行けた天陽すら、辞退です。
そうなると東京ですが、セオリー的には信哉が本命という気がしてきました。
理由はもう書いていますが、これはもう王子様じゃないですか。
・初回冒頭に運命の人のように登場
・まっとうな就職先を見つけた
・戦災孤児として苦労を分かち合える
・性格が極めてまとも
・とても寛大
ただし!
大森氏がそんなセオリーに、あっさりと乗るかどうか。
ここがわかりません。
『半分、青い。』は、朝ドラセオリーである、すぐに結ばれるヒロインカップルを敢えて避けて、あの結ばれるようで結ばれない構成になったそうです。
本作は、鈴愛に対する律すらいない、そういうひねりがあります。
どうなるのか、全くわからん!
※真田昌幸でも全くわからん!
料理する男はカッコいいんだぜ
恋愛だけじゃない。
NHK東京の朝ドラって、実は二作連続共通点が結構あるんですよね。ヒロインの男親が飲食店経営者という点もそうです。
『半分、青い。』における楡野家男性は、鈴愛を含めた女性に食事を作りました。
萩尾家の弥一も、病気になった和子に、食事を作ったものです。
そして本作では、雪次郎は夕見子のために美味しいお菓子を作ることが目標。
咲太郎はなつのために、天丼を作ると。そしてこれは修行だと、咲太郎は言い切ります。
「料理は愛情!」
と言う言葉があります。
が、いくら愛を込めようと、美味しくなるかどうかは別です。道具、そして修行や食材次第でしょう。
それが女性だと、ともかく強調されます。
そして家族間ですと、料理が愛情のパラメータとして不幸な使われ方をするものです。
クックドゥを使っただけで「愛情不足かっ!」と不機嫌になるだの。
◆彼女がCook Doを使ってご飯をつくるのはNG?!Cook Doご飯を認めない彼氏
凝った弁当を持たせてこそだの。
夕食は三品以上出せだの。
◆おかず3品以上、ご飯は手作り呪縛は誰のせい?BUSINESS INSIDER
その一方で、プロ料理人からは女性を締め出す。寿司職人なんて、手の温度が高いだの、迷信由来でそう言われてきましたからね。
そんなに女の愛でうまくなるなら、雇えばエエやん。
海外では、女性の寿司職人は多く、国によっては女性の方が多いそうですけどね。
「カリーシ、こういう料理愛情論をどう思われますか?」
「ドラカーリス」
※カリーシは女だし、愛情を込めて燃やせばエエやろ
この、「料理は女のものなんだ」論の頂点朝ドラが、前作****でした。
モデルとなった人物が【料理を得意としていた】という史実すら捻じ曲げる――意味不明の極みだったものです。
そんな不幸な作品を挟み込んで、NHK東京は、
「料理する男はカッコいい」
と示したように思えるのです。
咲太郎は、カッコいいどころか魔性の男です。
料理する男はモテモテだぜ!
そこまで到達しました。
男だって胃袋をつかんでいい。
そもそも、それが日本の伝統でもあります。
細川幽斎「料理できない男って、もう話になりませんね」
伊達政宗「自ら包丁使ってもてなしてこそだよな〜」
細川忠興「ほんまそれな。武士なら料理くらいできてこそって言うし」
本作って、応援する対象が女性だけではないのです。
変わることのできる、今時のカッコいい男性も応援しているんですよ!
働く女は自分を支えるのだ
マダムのセリフも、よいものでした。
女が働くだけで大変なんだから、自分のことを考えて、自分自身を支える。
よいセリフではありませんか!
思えば半年前でしたか。
****主演女優の広告が、新年初炎上しましたね。
◆西武・そごうCM新春初炎上「女に生まれたら罰ゲーム」をパイ投げで再現か
女が大変だって言うけど、気の持ちようだし頑張ればいいじゃない♪
広告代理店は一体何をしたいのか。
こんなものは燃えて当然としか言いようがない、愚劣の極みのようなものでした。
マダムのセリフと、咲太郎の料理が同じ日に出てきたこと。
なかなか奥が深いと思うんですよね。
働くだけでも大変なのに、女だとさらに家族を愛で支えろとつきつけられます。
朝ドラは、そんな社会を反映するかのようでした。
明治時代の上流階級であり、家事育児を自ら担っていたわけではない。
そんな広岡浅子がモデルの『あさが来た』ですら、家事育児の両立に悩む描写が出てきて、うんざりさせられたものです。
ナゼ、男も女も支えるのではいけないのだろう?
男ばかりがよりかかるのだろう?
互いに支え合ってこそ、よりよい世界になるのではないか?
そんなメッセージを発してこなかった。
それどころか、あまりに一方的な女性像の刷り込みをしてきた。
そんな朝ドラとは決別するーー揺らぎ無き決意を、本作からは感じるのです。
裏方で何が悪い
本作って、従来は低評価にさらされがちな層を応援してきています。
それが咲太郎となつの裏方論です。
自分のために生きてこそと対立した――そんな兄と妹ですが、裏方になりたい点では一致しました。
そしてそれも意義があると信哉が解説しています。
その通りでしょう。
これも画期的なことかもしれません。本作には挑戦的な部分がいくつもありますが、その一つでしょう。
目立ってこそ。
ちやほやされてこそ。
セレブになってこそえらいんだ!
細かいことをぶん投げて、発明家というセレブの証だけをかっさらう――そんな浅ましいドラマが****でした。
本作は違います。
セレブを支える裏方にも、ドラマがあり、ロマンがある。
その方が向いている人もいる。
そう訴えかけて来ます。
これも、軍師を描いた『風林火山』の大森氏だと思うと、感慨深いものがあります。
軍師は後世のフィクションで盛り立てられているわけでして。
実際には身体頑健な猛将の方が華やかなものです。
隻眼で足を引きずる山本勘助。
裏方で策を練る男。
ああいうのは、本来主役にならない、名脇役扱いだったものです。
そういう意味で、裏方の軍師タイプにもしみじみと優しいドラマだなぁ、と納得してしまいます。
不遇な扱いを受ける人はいる。
それはその本人だけの問題なのだろうか?
意識と解釈次第では、そんなことにはならないはず。
そういう柔軟性と機転を、本作からは感じるのです。
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文:武者震之助
絵:小久ヒロ
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広瀬すずさん、昔とんねるずのみなさんのおかげでしたで
正に裏方の音声さんの仕事をディスって炎上しましたね。
脚本家の方がご存知ですずさんに「裏方やりたい」と言わせているのなら凄いな、
もうあの頃のスタッフさんの苦労を分からない広瀬するじゃないんだって事を
知らしめる為のセリフかなと妄想しました。
ひろぶ様
私もドラマを楽しんでいて小物の考証などに殊更目くじらを立てるつもりはないのです。
今回はレビュワー様がわろてんかと比べて花束の考証が正しいと書かれていたのが気になりました。
後でわろてんかの画像を検索したら今回のなつぞらと大した違いもなく両者とも現代風だったので、なつぞらを好きな余り他のドラマを貶して何としてでも褒めようとしている感じが目についてしまったのです。
別件ですが48話レビューのコネ入社の下りが「ひよっこ」と書かれたままなのはそのような認識ということなのでしょうか。
ちょっと残念です。
背景や小道具の検証不足が、なかなか熱い議論の的になってるようですね。
真っ赤な炎上と言うより、いつまでもくすぶり続ける青い炎のようですが。
電車に関しても花にしても、どちらにもさして造形を持ち合わせていない自分には論ずる資格はありません。
なつぞらにはまったく関係ありませんが、バイク好きな私は、かつてのドラマや映画などで違和感を感じる事が往々にしてありました。
それは、エンジン音です。
あきらかに2ストローク車で走行しているのに、音は4ストローク。
シフトチェンジの必要がない場面でのギアチェンジ音。
土、砂、あげくのはてには雪道でのスキッド音。
ありえません。
しかし、気になったのはその瞬間だけで、後はストーリーに入り込み、忘れてました。
「なつぞら」は、今のところ前作の反動もありましょうが、とても良い出来のドラマだと思って視聴しています。
数名の方々がご指摘の細かな部分も、さして気にせず視聴しておりました。
一度のご指摘の際には、成る程そうなのかと感心しつつ、自分の知識不足の糧とさせて頂いておりました。
しかし、繰り返し何度も同じ部分を言い続けられますと、さすがにそこまでなのかと感じます。
視聴のしかたや感想の持ち方は人それぞれですから、今私が述べているのもあくまで一意見としてご理解下さい。
一部が気になってしまったが為に、それがいつまでも後を引くのは辛いのでは無いかと思い意見させていだだきました。
私の考えとして、せっかく良いストーリーと認めていながら、「エンジン音」ごときで作品の評価を少しでも落としてしまうのは残念と思った次第です。
わんわんわん様のご投稿を拝見して、あの花束は時代考証的におかしいことはよくわかりました。
この小道具の考証が甘かったことは、確かだと思います。「間違い」と断定できるレベルでしょう。
ただ、この点を以て、「だから東京編全体がやっつけ仕事だ」と結論付けるのは、やはり行き過ぎでは、という感じです。十勝編で小道具に同じような不備がなかったのかどうかも不明ですし。
スタジオ撮影によるシーンについては、「十勝編と変わらず良くできてる」と感じる部分は多いので、全てを「やっつけ仕事だ」と決めつけてしまうのは、もったいない。そう言い切れる材料は乏しいし…と感じてしまうのです。
屋外ロケでの制作分については、十勝編と東京編の差は歴然ですが。
発言した手前、気になって調べてみました。
カスミソウは明治の頃には日本に入ってきていますが、切り花(宿根カスミソウ)として栽培されるようになったのは、乾燥芋さんのおっしゃるとおり昭和50〜60年頃です。なのでこのドラマの時代に花束として登場するのは、やはりおかしいですね。(電車に例えるなら昭和54年に登場した201系電車が、ドラマの時代の新宿駅に止まってるようなものです。)
朝ドラは視聴者が多く、いろんな人が見てるので「これおかしくない?」と気付くポイントも様々だし、「電車くらい大目にみたら?」「花なんてどうでもいいでしょ」という基準もちがいます。だからこそ気を遣って欲しいのです。
十勝編で乗用と農耕用に馬を使い分けたように、電車や花束にもこだわることが出来なかったのかと思った次第です。
つまるところ、屋外ロケについて、
「十勝編は緻密で巧み」
「新宿編は粗雑で下手」
である、というだけで、それ以外の要素には、十勝編も新宿編も有意差があるわけではない。たぶんスタジオ撮影分の制作グループは共通ではないか。
少なくとも、スタジオ撮影分については、『わろてんか』以降の大阪制作ものとは比較にならないくらい優れているし。
件の「花束」のような小道具の不備は、十勝編でも細かく検証すればあったかもしれませんし、「東京編はやっつけ仕事」と決めつけるのは早計。かえって決めつけのようになりかねないのでは。
私は、新宿編そのものについて、あの「本来は明治期のものであるロケ施設」でやらかしてしまった「幽霊電車」と「明治期風の建物」が、ひどい欠点だとは主張していますが、それ以外については、十勝編と比べて質的に劣っているわけではないことも、繰り返し指摘しているつもりです。
外部のロケ施設を借用して撮影された路面電車等の街角のシーンが問題だらけであるだけで、スタジオ内のセットで撮影されたシーンは、新宿の裏町の雰囲気や屋内の造り、登場人物の生活習慣など、十勝編と同じくよくできていると思います。
「東京編全体がやっつけ仕事になってしまっている」とは、現段階では判断できません。
まあ、花束の問題は、検証は必要でしょうが。
大は新宿の町並み、電車から小は花束まで…
東京編の時代考証は雑ですね。
904bis型さんへのNHKの回答も開き直っているかの様ですし。
やはり北海道編でお金と時間と気力を使い果たしてしまって、東京編はやっつけ仕事に走ってしまってるのでしょうか?
映像の世界に飛びこもうとしてるヒロインの物語なのに、これでいいのかなと思います。
小見出しのカツ丼って何ですか?
まさかとは思うけど
千遥と、あの亀山蘭子は、何らかの関係があったりして?
私は、なつは、天陽のお兄さんと結婚するのではないかと予想しています。単にモデルと言われている人が同僚と結婚したからですが、違うかな?やっぱり信さん?
本作裏方さんたちの仕事ぶり。良さがはっきり表れていたのは、十勝編の酪農を巡る様々な描写が筆頭でしょう。
「例外的な一部」は、ろくな考証なくロケ施設で撮影された、あの「明治の幽霊電車」 の登場する諸シーンですね。
咲太郎の話が出ると、ほぼ反射的にムキになるマダム。
口では否定しても、その反応が全てを物語っているような。
名残を惜しむ野上の姿も良かった。厳しいけどいい人だったんだ。
「裏方」の大切さ。それはこの『なつぞら』のあり方それ自体が、極めて明瞭に示しています。例外的な一部要素を除いて、「裏方」がしっかりした作品だと思います。
花束にふんだんにあしらわれていたかすみ草が一般的に使われるようになったのは昭和50年頃からだそうですよ。
ラッピングも現代風です。
わろてんかの花束がどんなものか知りませんが、NHK東京が違うというのは贔屓が過ぎるのではないでしょうか。
て、てんぷらがサクサク!
うまそぅー!
さいちゃん、今後の人生路線変更してくれー!
でも、母ちゃんの為にムーラン再建を果たす男気を通す所も見てみたい。(笑
別れのシーンで川村屋の面々が「なっちゃん」と呼んでいたのは良かった。
純朴かつ勤勉に働いていたのが評価されたんでしょう。
マダムと野上さんの反応が物語ってますね。
「バケモノの子」での声優、「ちはやふる」での演技といい、広瀬すずさん凄いですね。
それもやはり”良い脚本“が成せる技なんでしょうかね。