日曜日の風車にて。
坂場の「一緒にアニメを作りたい」宣言に、ドキドキ&ぼーっとしてしまう。そんななつ。
気をつけろ、そやつは【表裏比興】……。
そこへ、あいつがやって来ます。
【ジャーンジャーンジャーン!】
げえっ、夕見子!
日曜だ、出かけるぞ、出陣じゃ!
さて、なつが驚く理由ですが。
「ナゼじゃ、日曜は休みであるぞ!」
「むっ、日曜が休みとな?」
日曜は休みでした。
うーん、夕見子のこの残念さよ。
頭がいいし、気がつくわりには、日常的なことをスッポ抜かす傾向があるのでしょうか。
休講日に教室に行ってしまうタイプか。あるいは駆け落ちで授業を出なくなり、曜日感覚がなくなってる?
「いつものジャズ喫茶へ向かう、では!」
さっさと帰ろうとする夕見子の腕を、なつが後ろからしっかりと掴みます。
「せっかくだから、共に遊ぼうではないか。一緒の休みでござろう」
むむむ……なにがむむむだ!
というわけで、雪次郎の部屋に向かいます。
雪次郎の部屋は、洗濯物だらけです。
どういうことかと聞いてくる雪次郎に、夕見子はこれですよ。
「不満があるのか?」
こいつは一々なんなんだー!
夕見子は雪次郎の生活に興味津々です。初恋云々ではなく、純粋に観察対象としていそうで、そんな夕見子に雪次郎はこう返します。
「芝居とバイトだけだよ……」
「こやつめ、ハハハ! まさか雪次郎がこのような親不孝をするとはのう!」
しかも、訛っていると指摘します。
雪次郎は戸惑いながらも、二人といるとどうしても訛っててしまうというわけです。
あったかいなぁ〜。本作の北海道弁は、ぬくぬくしています。
同郷あるある、道産子はこうでないと。
一方で、なつは探りを入れたい。
「ところで夕見子よ。約束の通り、家に電話はしたであろうな」
「その話を蒸し返すのであれば、話はここまで、帰る」
「待てぇい!」
そして夕見子は話を変えました。
脅迫、そして話題をコロコロ変えることで、尻尾をつかませない軍師の弁舌を使います。めんどくさすぎるだろっ!
雪次郎が翻弄されておるわ
「ところで雪次郎よ。劇団に好きな相手はおるのか?」
口ごもる雪次郎に、なつはこう来ました。
「なんだ、蘭子殿でござったか」
「なんだってなんだよ! 役者として憧れているだけ」
本当にこの「なんだ」がなかなか強烈です。
サイボーグなつという言葉もあるとニュースで見かけましたが、むしろ熱い武将魂もありましょう。
しかし、話題転換と脱線の王者・夕見子はこう切り替えします。
「なつはおらんのか? いるのだな! むむっ、同じ会社に? もしやあの踊っていた中におるとな?」
なつぞら90話 感想あらすじ視聴率(7/13)起点は夕見子「なんと、あのいっきゅうさんでござったか!」
どういうことなんだよ、おい。
知恵と頭脳を相手を追い詰めるために使う、夕見子がおそろしすぎるわ!
「好きな人いるのぉ〜」
「やだぁ〜もぉ〜❤︎」
的な、そういうめんこさがなさすぎです。
「左様なことを申すのであれば、それがしも帰らせてもらおう!」
なつ、キレおった。それからこう来る。
「今は……そのぅ、絵で繋がっている人がいればそれでよいのだ!」
「それはダメだよ。天陽は人の旦那だ」
「むむむ……」
なつぞら84話 感想あらすじ視聴率(7/6)男子厨房に入るべき天陽ではないのか、傷口に塩を塗ったのかと一応気遣われるどころか、むしろ傷口に思い切り辛子を塗り込んだ後のような気がします。
凄まじい乱世ですね。
「では、これからいかがいたす?」
ここで、なつによってさらりと話題を切り替えられます。
「これからとはどういうことだ!」
夕見子が動揺しますが、今日のことだと訂正。
「映画、それしかねえべ! 休みの日は映画だ!」
雪次郎が元気よくそう言い切るのでした。
楽しい道産子トリオではあるのですが、なかなか厳しいやりとりもあります。
メンタルが弱い人だと、ついていけないかもしれない。
そんな会話ではありました。
※あっけらかんとズバズバもの言う北海道水準かも……という指摘もあります
映画館では静かにしよう
映画館では、洋画がかかっておりました。
本作って、西部劇といい、こういう映画といい、一から撮っているあたりに気合と予算を感じます。
見る側の顔のアップだけでも処理できますからねぇ。
「君の瞳に入国する」
この映画のモデルは『カサブランカ』(1942年)でしょう。
こういうモデルを詮索することも、楽しいでしょうね。
でも、作る側は大変ですよ。
雪次郎がいちいちセリフを読むものだから、手抜きできません。当時のハリウッドぽいセリフを書くわけですから、楽しいながらも大変なはず。
楽しみながら、汗をかいて作っていることがわかる――ハイカロリーなドラマ。
雪次郎が映画を観る理由は、ここにありました。
字幕と口の動きにあわせて、セリフを読んでいるわけです。うーん、迷惑だなっ!
※マナーは守ろうね!
なつは勉強熱心だ、努力をしていると褒めますが、夕見子はこれです。
「うるさいのぉ、ぶつぶつ気持ち悪いわい。迷惑だ」
容赦がなさ過ぎるでしょ。まぁ、これが夕見子だけど。
【理想の夕見子と現実の軍師】
「声優失敗? ショックでしょ?」
→期待するだけ無駄ァ!
「芝居とバイト漬け? 体は大丈夫? 何か作ろうか?」
→それも無駄無駄ァ!
「まさか雪月を捨てるなんて……心細くない?」
→たいした親不孝だなクククッ!
「私に美味しいお菓子を作る約束は?」
→覚えていると期待するだけ無駄無駄無駄ァ!
「字幕を見てそんなに熱心に取り組むのね」
→やかましいッ! うっおとしいぜッ!!
※期待するだけ無駄無駄無駄ァ!
雪次郎……大丈夫か?
さっちゃんは待てませんでした
映画のあとは、川村屋でランチです。
野上になつが、夕見子を紹介。
姉か妹かと聞かれて、夕見子はこう答えます。
「なぁに、双子でござるよ、わははははは!」
※続きは次ページへ
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