わろてんか110話あらすじ感想(2/12)風太モデルも歪みがキツい

創業から25周年目を迎えたお笑い興行元「北村笑店」。

キース&アサリに続いてリリコ・アンド・シローの売り出しにも成功して、とにかく順風満帆です。

さあ、主人公てんと仲間たちは、記念すべき節目に、どんな企画を立てるのでしょうか?

 

「北村といえばお笑いや! 25周年は漫才だけをやる!」

25周年を記念するため、万丈目はいままでの歴史をまとめた社史を出すと言い出します。

アイデアとしては素晴らしいと思います。
が、本作に限っては
「そんなもん、わざわざ出すほどのものあるんかいな?」
そう突っ込みたい気持ちがムクムクと。

いや、確かに出す必要はあるかもしれません。
ナレーションでざくっとスッ飛ばした藤吉死後の4年間とか。
結局、画面に映らなかったおてんちゃんの「300人の芸人の顔と名前、飲食物の好みまで把握するスーパーごりょんさんタイム」とか。
私も見てみたいです。

風太は、キース&アサリ、リリコ・アンド・シローの二枚看板をひっさげて、東京に乗り込むと意気込みます。

一方でショウの要素を入れたいと言い出す伊能栞。
そもそも栞のモデルは元祖日本のレビュー、宝塚歌劇団の産みの親である小林一三ですからね。

まさか今更見せるのか?と思ったら、風太はドンと机を叩いて、否定します。
「北村といえばお笑いや! 25周年は漫才だけをやる!」

何か言いたそうな隼也も一蹴される勢いでした。

 

話ぐらい聞けよ、と思う一方、隼也のプレゼンもヘタか?と

落ち込む隼也に声を掛ける栞。
待ってましたとばかりに隼也は話し始めます。

アメリカでせっかくショウビズを学んだからには、それを生かしたい。2年間下働きをしている間に、その知識が古びてしまうと。

「マーチン・ショウをやりたいんです!」
そこを通りがかったてんは、笑顔で隼也の提案を一蹴。
深い考え合ってのことではなく、なんとなく却下しているように見えてしまいます。

風太とてんの指摘通り、確かに隼也は経験不足でしょう。
が、それにしたって少しも話を聞かないんだったら、最初からアメリカなんかに行かせず、早いうちから北村笑店で下働きさせておくべきだったかもしれません。

「マーチン・ショウの話だけでも!」
それでも必死にすがる隼也。しかし風太は、
「俺はお前の父親代わりやと思っている」
とかなんとかあんまり関係ないというか、そういうことを言って却下します。

家族だからと言いつつ下の者の意見を聞かないのって、ブラック企業あるあるなんだよなぁ……(´・ω・`)

「おっちゃんの頭は古い!」
隼也はそう言います。

それはそうかもしれませんが、隼也もそろそろ
【なぜマーチン・ショウが人気があって、日本でも流行るのか?】
という説明に入った方が良いと思います。

そういや、こうした場面では藤吉もロクに説明することなく、無理矢理に押し切って来ましたよね。
そんなゴリ押しDNAを隼也にも受け継いでしまったかorz

 

プレゼンゆるゆるは、お父ちゃん譲りかな…?

風太が酒を飲んでいると、栞が隣に座ります。
これまた既視感のある展開ですなぁ(わろてんか39話あらすじ感想(11/15))。

対立した男同士が飲み会で一緒になると、なぞの友情が生まれる本作の必殺技。
今回は、藤吉と栞のときのように、しょーもない乱闘シーンがなかっただけ、マシかもしれません。

隼也は、自宅で、てんにマーチン・ショウのカタログを見せます。

おっ、具体的に良さを語るんやな?
さぁ、来い、隼也!

「お父ちゃんの夢を叶えたい!」
ヽ(・ω・)/ズコー
って、やっぱり北村夫妻の息子ですわ……。

何がいいのか理由は語らず「夢だから!」「やりたいから!」でゴリ推すスタイル。
文化祭は続くよ、ドコまでも。

「お父ちゃんそっくりやわ」
そう嬉しそうなてん。確かにそっくりですわ。
でも、悪い方の意味ですから~! ザンネン><;

ここで隼也は、風太ではなく栞のもとで修行をしたいと提案します。
てんは苦い顔です。

再び酒場のシーンへ。
レビューをやりたい栞と、漫才だけやりたい風太が対立。
栞は総合エンタメの魅力を語り出します。

すると……翌日、風太は隼也の教育を栞に任せたい、と言い出しました。

栞の本業はどうなったか、ということはこの際考えないようにします……。

そのあと、風太はキースとアサリに何かを頼み込みつつ明日へ。

 

今日のマトメ「吉本は漫才だけにこだわらず」

先々週から先週にわたって、女興行師クエストのおかげで存在感を取り戻したおてんちゃん。
それが終わるとまた微笑み地蔵に戻った気がしてなりません。
もっと頑張って><;

今週のテーマは、ジェネレーションギャップのようです。
新世代の代表が隼也。
旧世代が風太とてんなんでしょう。

しかし、旧世代の二人がきちんと加齢して見えないので、なんだか不自然な印象なんですよね。
ドチラかというと、文化祭で、
「手堅くたこ焼きがいいか、今流行のチーズダッカルビがいいか」
で揉めている、その程度の印象なんだなぁ。

10年後20年後の社運までは、とてもじゃないけど考えられていない。

史実を考えると虚しくなるのですが、風太のモデルである林正之助は、若くして吉本入りしたから昭和前期では十分若い。
戦時中の彼は『徴兵があるかもしれない』と思っていたくらいですからね。
劇中ではおてんちゃんより年上ですけど。

隼也のモデルである穎右は、このころは小学生。当然、ショウの提案なんてできないわけです。

年齢について突っ込むのはこのくらいにして。
もっと大きな問題があります。

風太のモデルとなった林正之助は、エンタメならなんでも来いというタイプでして。
キャバレー経営から、プロレスやプロ野球といったスポーツ興業にも関わっている人物です。

※林正之助さんの史実については以下の記事にてどうぞ。

【関連記事】わろてんか武井風太(濱田岳)のモデル・林正之助の生涯92年をスッキリ解説!

それをなんでこういう設定にするかというと、ショウに反対する頭の固い頑固親父にしたいから。
ただ、それだけなんですよね。

お笑いではない乙女組のプロデュースしていたのも、風太なんですけどねえ。
乙女組はなかったことになっているんですかねえ。

ちなみに、
https://profile.yoshimoto.co.jp/

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文化人、タレント、パフォーマー、ミュージシャン、スポーツ選手……と、とにかく幅広く抱えているのが、長い歴史の中で培われてきた吉本の強みなんですね。
そこを勝手な都合で歪めてしまうこのドラマ。
あまりに不誠実ではないでしょうか。

著:武者震之助
絵:小久ヒロ

【関連記事】
吉本せい 吉本興業の歴史 風太(林正之助) 伊能栞(小林一三)

【参考】
NHK公式サイト

 

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