わろてんか75話あらすじ感想(12/27)乙女組はチーム単位でスカウトすべし

大正10年(1921年)、商都・大阪は南地に本拠を構える興行元「北村笑店」。
新たな出し物として、安来節の女踊りを始めようとします。

四人の娘を島根からスカウトしてきましたが、さてどうなるのでしょうか?

 

4人娘の芸名は「乙女組」に決まり

女子寮はあっという間にできていました。
どこか物件でも借りていたのでしょうが、あまりにスピーディでちょっとびっくりしました。

今朝も4人娘はキャーキャーとはしゃいでおりまして、心がささくれだったおっさんハートとしましてはなかなか耳に厳しい展開ですね。
『あまちゃん』や『ひよっこ』の時は、結構抑えた声だったので、そうでもなかったんやけどな。小言でサーセン。

一膳飯屋だった万丈目歌子の店は、西洋風のおしゃれなカフェに改装しておりまして。
歌子も女給風エプロン姿です。ここで4人娘歓迎会というわけです。

こういう、わちゃわちゃした場面は、キャラが立って愛着もあれば、まあ楽しいもんでしょう。
しかしこれまでの描写が物足りないせいか、風太が「カミナリ風太」と呼ばれている、なんて聞かされても正直思い入れできず(´・ω・`)

4人娘の芸名は「乙女組」に決まりました。

てんは「大阪のお母ちゃんだと思ってな」というわけですが、女学生時代から髪型と衣装しか変わらず、演技そのまんまというのも……。万丈目歌子さんに言われたらすごくシックリ来るんえすけどね。

 

ついに来た 子供がイジけて母ちゃん困らせパターン

さて乙女組。
都がリーダーになったことを、なつが認めずどこか険悪な仲間に。

どうでもいいことではありますが、乙女組の4人中2人が『おんな城主 直虎』の女性と名前がかぶっているのはなんでしょうね(”とわ”と”なつ”)。

翌朝てんは、女子寮を見に行くために急いで支度。
仕事しながらも育児をしている描写として、隼也にお弁当を渡します。

しかし隼也は不機嫌そうで、パンを買ってもええとふくれ面です。

あぁ、ついに来てしもたorz

これは……BK朝ドラ名物「おかあちゃんが仕事ばっかりで構ってくれへん」ターンの狼煙があがりおったで……アカンて!

それにしても、家には女中、女子寮には寮母を雇えば、とつっこませてください。これのどこが大正の資産家やねん。

出来のいいほうの乙女こと『ひよっこ』の「乙女寮」には、名物寮母の愛子さんがおったやろ。
経理の片手間に寮母やられても、そんなん中途半端ですやんか(´・ω・`)

そもそも相変わらず長屋暮らしなのは、贅沢しませんよ、というアピールですかね。安全面を考えたら、それって不自然な気がします。

 

振りからして違うのだからチームでスカウトしかありえない

てんは女子寮に向かうと、ギスギスした残念なほうの「乙女」たちに、こう声を掛けます。

「一日は、朝ご飯と笑顔から!」

う……うん……。綺麗事ばかり言う学校の教師って、子供心にも『ウゼェ』と思わせ、言うことを聞かなくなるものですが、てんの印象もそれに近いのでは?

さて、残念なことに乙女組はチームワークが最低で、振り付けもばらばらです。

とわは見るからにノロノロ。昨日もさんざん突っ込みましたが、なんでこの人が高倍率オーディションを合格したのでしょう。
藤吉の見る目が発動したのか、あるいは「外見じゃない!」というてんの意向を汲んだものか。

亀井はここで、
「踊りのふりもちゃいますし」
と指摘します。

そうそう、そこなんです!

こういう地元に根付いた踊りは、それこそ集落ごとに振り付けや衣装も異なっていて、その違いを楽しむものなんです。
隣村と踊りが全然違うというのもあります。

ですから、本来はチーム単位でオーディションをして、息がぴったり合った組を連れてくるやり方が正解です。

それを、なぜか北村夫妻はやらなかった。ダンスユニットを解体して、ばらばらのチームからメンバーを連れてくるような、非合理的なことをした、と。
『あまちゃん』のGMT47とは違うんやで……。

そういう選抜をしていれば、チームワークを一から作り上げるようなことはしなくてもいいわけで。

マトモな神経の興行元ならそうします。無理に揉め事を持ち込もうとする制作サイドの意図がすけて見えて……(´・ω・`)

そんな乙女組をみかねた風太が、プロデュースをすると言い出しました。

 

かすり傷程度で親呼び出しって時代設定があまりに雑

そこへ、隼也の学校から電話がかかってきます。
なんでも隼也が友達に軽い怪我をさせたとか。

いやいやいやいや、ありえへんて!

この時代、電話が各家庭にあるわけでもなし。電話で保護者呼び出しって不自然です。
まぁ、風鳥亭に電話があることを前提にした連絡方法なのかもしれませんが、他の一般家庭には当然電話などないワケで。

そもそも骨折くらいの重傷ならまだしも、かすり傷程度で保護者同士を呼び出すなんて、昭和の学校でもありません。

戦前の学校というのは今よりはるかにバイオレンスで、竹棒や下駄で友達の頭をパッカーンとひっぱたいて殺しかける、なんて話もあったぐらいです。

取っ組み合って擦り傷だらけになるくらいなら、先生だって、
「子供は元気だな! よし、男なら負けないでやりなさい」
くらい言いかねない。

おそらくや40代以上の視聴者さんも、ご自身の学校を思い出していただければ、擦り傷ぐらいで呼び出された経験などなかったことを実感されるでしょう。

要は、この場面は完全に、コスプレ現代劇なんですね。
土台がありえない話に、いくら何を積み上げたところで、何も感じられないのです。

 

今回のマトメ「ついに来た、育児描写の罠」

先日に引き続き、イントネーション問題です。
乙女組4人の発音がバラバラというのは昨日指摘しましたが。間延びしたイントネーションのとわは、北関東・東北訛りに近い、東日本系の発音に思えます。

ほかの3人の場合、標準語イントネーションで時々語尾を島根訛りにしている程度ですが、とわの場合は東日本系の訛りと島根訛りが混じり合った、よくわからないことになっているんじゃないですか。

これはあくまで推察ですが、『ひよっこ』の澄子っぽくしているのかな、という気がします。
澄子は福島県出身で、あの山羊といわれた「うんめぇ~~なぁ~~」も、福島弁だからああないっています。

しかし、それをそのまんま島根出身のとわでやると、おかしなことになる、というわけで。

今にして思えば、『ひよっこ』の方言はうまくできていたと思います。
ほかの地方出身者もいたわけですが、ヒロイン周りは北関東から東北訛り、あとはせいぜい若干の江戸っ子口調で固めていました。
メインキャストはネイティブではありませんが、大変上手にこなしていたと思います。

まぁ、『ひよっこ』について今更語ってどうする、ということで話を戻します。

前述の通り、今週描いた「乙女組のチームワークがバラバラ」、「隼也反抗期」の設定からしておかしくて、突っ込みどころしかない……という状態になっています。

乙女組は、脚本家さんが好きそうな、
「バラバラだった少女がひとつになる」
という青春ものあるあるなんでしょう。

チアリーダーの話なら、ダンス経験の差がある女子高生たちが、同じ高校に集まるからにはそういうこともアリ。
『あまちゃん』のようなアイドルユニットなら、地方からの選抜だからアリ。
『ひよっこ』の乙女寮は、地方からバラバラに出てきた女の子の話だからアリ。

しかし本作は「チーム単位でスカウトしろや!」で終わるから、もうここからしておかしくてシラけてしまうのです。

隼也の反抗期は……完全に平成の保護者と子供で、もう言葉が見つかりません。
今後また「魔の反抗期パターン」が来るんでしょ、とウンザリすることが今からキツいです。

こうなることをちょうど一ヶ月前に予想しました。
当たりました。
別に嬉しくはないです。

わろてんか49話あらすじ感想(11/27)育児描写は魔のターン

著:武者震之助
絵:小久ヒロ

【関連記事】
吉本せい 吉本興業の歴史

【参考】
NHK公式サイト

 

 

2 Comments

しおしお

毎日ストレスを解消に拝読しております。もはや真面目に突っ込む気力もなくなりそう。
花アンが楽しくて、正座して見て、わろてんかが始まったら、 大急ぎで支度して出勤です。
リリコと栞と風太が癒しだったのに、それさえつらい展開。
時計がわりだからつけてますが、完全離脱するかどつかの瀬戸際です。

匿名

本当にひどい展開でしたね。
視聴者として想定してる高齢の世間知らず主婦層なら共感するだろうと思ってるんでしょうか。
でもそういう人の親の代までは中流でも女中がいたり、子供一人につき一人ねえやが付いてたりとかいうのを親から聞いてると思うんですけどね。
書生さんが何人もいてもおかしくないし。
学校だってこのクラスの家なら人力車で送り迎えくらいしてそう。
ケチだからそうだというならそういう描写がないとおかしいです。
興行みたいなヤクザの世界と近い所であんな長屋暮らしとか。
貧富の差を描きたくないんですかね。
今の時代の感覚からしても仕事と子育てのの両立で悩むとかうんざりするような一昔前の感覚ですし、この時代の描写としては事実誤認だし、もう脱落しそうです。

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