まんぷく 2話 感想あらすじ視聴率(10/2)ラーメンの歴史を笑うなかれ

ヘタな関西弁は【台湾ルーツへの伏線】か!?

このあと、立花萬平(長谷川博己さん)が登場します。

関西弁が下手くそで気持ち悪い――そこについては、もしかしたら
【台湾ルーツへの伏線】
かもしれません。

ただ、そうなると、本作は発声指導のレベルが低いということの証明にもなってしまうんですよね。
立花の発音、中国系ルーツの日本語発音とは違いますよね。

ここでナゼ立花が登場するのか?
というと、福子のドジっ子アピールのためですね。

英語圏外国人の部屋に間違えて繋いでしまい、英語で謝りに行く福子。
日中戦争の後、英語圏の国からも日本は厳しい目を向けられておりますが、まぁ、本作では触れなさそうですね。

「マイネームイズイマイ〜〜〜!!」
英語が下手くそというわけではなく、いちいち顔に両手を当てて、ぴょこぴょこ頭を下げる仕草がなんなのか。

「なんだ、この子は、日本では児童労働をさせているのかね?」
って、相手も勘違いしたかもしれません。

※『チェンジリング』の電話交換手描写と比較しますと……

こういう格式の高そうなホテルで下っ端がミスしたとき、普通はもっと上役が何かを添えて謝罪に行くものでは?
リッチそうな外国人客ですし、支配人謝罪でもおかしくない気がします。

要するに、ペコペコヒロインのドジっ子アピールが続くワケです。

※丸の内のとある高級ケータリングサービスが5分遅れたとき、後で責任者がやってきて手土産片手に陳謝した例など聞いたことがあります(編集談)

 

お母ちゃん……野良猫じゃないんだから

このあと福子が帰宅すると、鈴が台所でツナ缶を盗み食いしています。
はいはい、仮病ね。知ってた。

あのですね。もしかしてこれが面白い、とか、笑えるコミカルだとか思っていますか?
武家の娘が、こんな野良猫みたいな調子で缶詰を食うかっ!

『花燃ゆ』ではおにぎりを。
『西郷どん』では鰻を。

やたらと武士がモリモリ喰っていますが、彼らの気概は食わねど高楊枝なんです。
江戸期以降の武家にとって、ありのままにモリモリと食欲を見せることは恥ずかしいものです。

『八重の桜』では「買い食いは駄目」って言ってました。

ったく、今年はファッション武家ばっかりでイヤになる><;
国民的番組で流すなら、少しぐらいは勉強して欲しいです。

それともヒロイン周辺のゴタゴタが本作のやりたいことなんでしょうか。
ラーメンを作るうえでの、台湾の食文化とか、戦前の台湾と日本の歴史とか、色々と見たいものがあります。

ヘタをすれば、『花燃ゆ』と『西郷どん』との記念すべきコラボになってしまいますよ……。

 

ラーメン男子の育て方になりそうな

昨日、平日朝枠で『西郷どん』が始まったようだと書きました。
申し訳ありません。どちらかと言うと『花燃ゆ』に近いかもしれません。

「ラーメン男子の育て方。」というキャッチコピーを使われても違和感がないのです。

・夫の功績を描くはずなのに、妹や妻が主役
・その強引な女主人公設定から、何か歴史的忖度臭が漂っている
・くどい食べ物アピール
・女子マネージャー系ヒロイン推し

これはもう「内助の功」じゃなく、もっと恐ろしい何かだ……と言いたくなる展開です。
となると、今後はこんな懸念も湧いてくる。

・歴史を描くと何か都合が悪いらしく、ヒロイン周辺のゴタゴタラブコメで話を引っ張る
・深刻な歴史を能天気にしてしまう(黒船をデートグッズ、日中戦争やらなさそう)
・テーマが迷走し、当初掲げたものが描かれない詐欺になる(幕末の長州はどうなった? ラーメンの歴史はどうなった?)
・松坂慶子さんの誤用(要潤さんも……)

この朝ドラがいくら理不尽でも笑顔でこう言えばいいのか。

「せわぁない!」
嗚呼、3年ぶりにこの呪いの言葉を言うことになるなんて……。

 

普通のヒロインとは何ぞや?

昨日の福子でこりゃないわと最も感じたのは
「不器量」
と言われて顔をみにょんみにょんしている場面です。

戦前は、女性の器量への目線は今より厳しいものがあります。
当時の女性の回顧録を読んでいると、親からすら
「不器量だから嫁にもらってもらえるかさんざん心配された」
なんていう記述が。

地獄みがあふれている……そういう時代を生きている18歳の娘が「不器量」と言われて、過去を触ってきょとんとして、笑い飛ばすもんですかね。
本当にそうなら、あの嫁がせたがりの母親からジャッジされていることでしょう。

んで、思い出したのが、私がかつて勤務していた会社で起きていたセクハラです。

若手女性社員で気が強い方が、ブスだのなんだのと言ってきた上司に、面と向かって言い返したのです。

「この仕事をする上で、私の外見は関係ないですよね」

すると言われた上司は、苦笑いしながらこう言ったものです。

「顔はブスだし、性格もかわいくねえよなあ。いい女はこういうとき、やだぁ〜って受け流すもんだよ」

彼女より上の年代の、一部女性社員もそんなふうにアドバイスしておりまして。
本作は既にこういう評価があります。

『まんぷく』、『半分、青い。』と真逆のヒロインに「やっぱり朝ドラは王道」と絶賛の嵐

鈴愛は異常でおかしな女。んで、福子は王道で普通。
その中身って何か?

あのとき上司に言い返した女性社員が鈴愛タイプで、上司が求めたかわいい女が、普通で王道なのでしょう。
もういいよ、王道でなくて覇道を邁進してくれ。そういう女性がいても、増えてもいいじゃんか。

前作では男性人物が年上女性と付き合っただけで、
「ババア脚本家の妄想!」
ってバッシングされましたけど、いい歳こいて、ブス呼ばわりされてもはにゃーんとしているこっちの方が、妄想臭さ強烈ではないでしょうか。

でも、こういう男の妄想に世の中甘いんですよね……。

 

義兄弟ですすった同じ鍋のラーメン

台湾ルーツの抹消について、私の態度が異常なほどに怒っている――そんなご意見もあるかもしれません。

いや、エスノセントリズム(自民族最高主義)は差別の一丁目一番地ですよ。
そこは、やっぱりいかん。

ここから先は、私の個人的な家族史であり、感慨です。
おつきあいできる方のみ、おつきあいいただければお読みください

戦前。
ちょうどこのドラマの舞台くらいの年。
私の先祖は、とある町に流れ着きました。

先祖は素行にちょっと問題のあるワルでして、流れに流れて「タコ部屋」といいますか。
そんな、ちょっと荒々しい職場で働くことになったのです。

その職場には、中国大陸や朝鮮半島からやって来た人がおりました。
彼らが楽しみにしている味が、故郷の味であるラーメンだったのです。

差別や、様々な困難、辛い労働。
そうしたことを乗り越えて食べる、一杯のラーメン。
それが、彼らを励ましてきた。
私の先祖も、彼らと一緒にラーメンをすするようになりました。

彼らは私の先祖にとって、大事な仲間でした。
そのうち一人は、先祖にとって義兄弟のようになったほど。朝鮮半島から来ておりました。
喧嘩になった際、私の先祖をかばい、怪我をしたこともあったそうです。

その町のラーメンは、国を超えた男同士の、友情の味なのだと、そう教わりました。
一杯のラーメンには、そういう歴史があるのだな。
そう思いながら食べる味は格別でした。

ラーメンは、そういう先祖と国を超えた友達の、友情の味なんだと私は思ってきた。
そのラーメンの歴史を、日本が盗んだように描かれれば、やはり怒りを覚えてしまう。

きっと私の先祖のように、ラーメンで結ばれた国を超えた人間関係があった。どうしてもそのことが頭から離れないのです。

先祖が同じ釜の飯、もとい同じ鍋のラーメンを食べた相手を、なかったことにされて、黙っているわけにはいきません。
ある方から、埼玉名物の「やきとん」も、朝鮮半島出身の方が根付かせたと聞きました。

そういう味が、この国にはある。
その歴史や由来を無視しちゃいけないはずです。

※レビューの過去記事は『まんぷく感想』からお選びください

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『まんぷく』や『半分、青い。』全話ほか多数の朝ドラ・大河作品を視聴できます。
スマホでもOKですよ。

文:武者震之助
絵:小久ヒロ

以下は、まんぷくモデル安藤百福氏の生涯です。

まんぷくモデル安藤百福の生涯96年をスッキリ解説! 日清食品の誕生物語

ラーメンの歴史は明治維新後にスタート~日本の歴史と歩み、世界の食となるまで

 

3 Comments

匿名

もう、武士の娘ですから!という似合わないセリフが…そんな事言う人が仮病使うなんて…本当に、製作者サイドは武士に対して悪意を持っているとしか思えません…本当に…とにかく、ぐちゃぐちゃで…番組を見るのはやめて、こちらの総評のみ読むこととしました。見ていて気持ちの悪いものすごい違和感しかありませんもの…

Susuka

台湾系であることを隠す動機付けって、どこにあるんでしょうね。
台湾は安藤の出生時から日本領でしたし(だから、日中戦争下でも「敵国」ではなかった)、戦後も一貫して、日本と友好的な勢力でした。
だから、秀吉の朝鮮出兵や西郷の征韓論のような「ややこしさ」は相当薄いはずです。
もし制作サイドが軋轢を恐れて回避しているのならば、大阪制作は相当守りに入っていることになりますね。「純と愛」のバッシングのトラウマでしょうか?でも、「あさが来た」はそのあとの作品だしなあ…
あるいは、「考証が面倒くさいから」「キャスティングやロケにお金がかかるから」とかいう、内向きな理由でしょうか?「西郷どん」も「働き方改革」の一環で放送回数を3回減少、「特別番組」を挿入しています。経費削減の方向が間違ってるのではないか?と言いたいですね。「半分、青い。」は、脚本家のアイデアで傑作になりました。もしかして、考証ぶん投げの衣装使いまわしも、経費削減の一環だったりして…

さつき。

立花さん、元?外国籍の青年である可能性もでてきましたね。
ただ、公式には帰化云々の解説は一切なく。
たんに関西圏育ちでない、という可能性も…
てるてる家族にも安藤さんをモデルとした男性が出てきましたが、こちらでもそうした話はありませんでした。ただ、こちらの場合はストーリーに直接は関係ないので略された、でなんとなく納得はできますね。

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