【18話の視聴率は21.0%でした】
本作は安定感&安心感がバツグン!
なんせ、何が起こるか大体予想ができてしまうんですから、こんな驚きレスな物語もありませんよね。
ただ、そんな作品のドコが楽しいんだかサッパリわからない……。
今朝もイキナリそうでした。
【ボタン連打でブケムスメプログラムを打破して結婚せよ! 難易度:ベリーイージー】
に向けて、女子マネ兼クエストクリア報酬の福子(まんぷく立花福子モデル→安藤仁子)ちゃんによるアピール。
立花(まんぷくモデル→安藤百福)にせっせと弁当運んでます。
戦前の子供が武士を知らない、だと?
その頃、実家では……。
克子相手にキレる鈴さん。
さらには克子の子供による「武士ってなにぃ〜?」というセリフが入ります。
あのですね。
話し方からして『たぶんボケではないでしょう……』という見立ての上で申し上げますが、あまりに当時の子供をバカにしていませんか?
昔は今よりもずっと時代物が存在感を持っており、チャンバラものは現在よりはるかに人気がありました。知らないワケがない。
【伊藤彦造】で、ちょっと画像検索でもしてみてください。
当時の子供たちが、どれだけ精密で素晴らしい挿絵を楽しんでいたものか、よくわかりますよ。
というか、それ以前に教育から徹底してます。
武士の心、武士道、武家の生き方。
そういうものを「お手本にせよ」と戦前の子供は叩き込まれたものです。
仮に、克子の子供達が昭和10年前後の生まれだったとしましょう。
昭和10年とは1935年になります。
【参考】
◆1868~1912年(明治時代)
◆1912~1926年(大正時代)
逆算して克子は1910年、鈴さんは1880~90年ぐらいの生まれってところでしょうか。
さらにその親となると、さすが鈴さんが「武士の娘です」というだけあって、ほぼ間違いなく幕末ド真ん中を過ごしておりますね。
んで……その孫・曾孫世代がですよ。
急に「武士を知らないほど遠ざかる」って、不自然すぎやしませんか?
これは、どこの日本なのでしょう。
前述のとおり、この時代は教育でも文化でも武士がずっと身近にありました。
忠彦にも来ていた赤紙
やっぱり本作には【女子供は無知なもの】という考え方が根底にあると思えてならない。
福子はじめ、女性も無知ですもんね。
こういう、おばかさんな女子供に教えてやってこそ【ファイナル上司ファンタジー】ってなもんよ。
克子の子供たちにしたって、まるでファミコンの背景のように動き回るだけで、性格も人格も見えてきません。
皆さん、誰か一人でも子供の顔は浮かんできます?
所詮は背景、あるいは無知なオブジェなのでしょう。
忠彦にもついに赤紙が来たようです。
入隊するなら、本人も送り出す側もいろいろ準備が必要ですが、そういう配慮は一切ないんだなぁ。
「あのとき」って、どんなとき?
いたぶられモードが終わった立花は、ピッカピカ♪
「日に日に元気になって」というセリフもありますが、このクソゲードラマで拷問の深刻な後遺症なんかやるわけない。ジェントルゴーモンだったもんなぁ。
ここで立花、「あのとき何を言おうとしていましたか?」と福子に尋ねます。
しかし、「あのとき」って、何を指しているのか?
こちらが戸惑っていますと、あのおばかさんの福子ちゃんが、わざとらしく顔を出しながら一発で正解を出します。
これが運命? まさかな、ハハハ。
「牢獄で結婚したいと思っていました!」
「私もです。でも、やっぱり母の許しをもらわないと」
ボタン連打恋愛モードなので、要するにあのときの福子ちゃんは好きだと言いたかったとのこと。
はい、規定数ボタン推したからクリアね。
このくらいサクサククリアできないと、今週分のクエストノルマ達成できないから仕方ないよなぁ。
【ブケムスメプログラム】のクリアまで、あと10分ぐらい。
しっかし、ここ数年の朝ドラでも、ここまでしょうもなくて、全く盛り上がらない主人公カップルの恋愛もなかったと思うんですよね。
ただのボタン連打クソゲーだもんあなぁ。
結婚して子供できたら母親の助けが必要だから
このあと、
「本当に日本は戦争に勝っているのかしら」
という時代考証で大ペケにもほどがあるセリフ。
ラーメンの普及速度でもどでかいミスをしつつ、池の側でデートする福子と立花。
缶詰パクリ野郎野呂と乗り換え歯医者の間でモテモテ気分の保科などなど、しょうもない場面が時間稼ぎとして挟まります。
だから、なんなんでしょう、このヌルい戦時中は。
仮に戦時中じゃないヤリトリだとしても、絶望的につまらない……。
ついでにいうと、喫茶店でみんなと飲食中に頭をポリポリする福子ちゃんもありましたね。インスタントラーメン開発中も、このポリポリ継続するつもりでしょうか。
福子は、結婚について克子に相談します。
んで得た結論が
「結婚して子供できたら母親の助けが必要だからぁ〜」
というもの。
なんだソレッ!親の許可を得たい理由、そこなのか……親孝行の概念すら感じさせない戦前の女性って……。
「国も産めよ増やせよっていうしぃ〜克子姉ちゃん手伝ってよ」
もう、どこまでバカっぷりを極めるつもりなの、福子ちゃん!
1ミリたりとも悲壮感なき戦時中
たしかに国策でそういうことはありました。
が、当時の日本が母子を保護していたというわけではまったくありません。
むしろ、出征兵士および戦死者妻子の面倒については、他国と比較しても状況がよかったとは言い難い。
このような女性の厳しい状況に胸を痛め、現在の憲法に女性の権利を盛り込もうと奮闘したのが、ベアテ・シロタ・ゴードンです。
【関連記事】ベアテ・シロタ・ゴードン
戦時中なのに、出征しそうな年齢の男性を結婚相手としながら、ノホホンと親の許しさえあれば結婚できるしぃ、と思う福子のバカさ加減が底なしで辛すぎ。
赤紙が来た忠彦もそうです。
家族の絵を完成させたい――って、特になにも変わらず、前と同じようにキャンバスに向かうだけやん!
こんなもんで感動しろって?
これまた私の親族の話で恐縮ですが……。
彼は出征前、貯金をはたいて、人脈を使い、妻のために小さな商店を買い与えました。
自分が出征しても、戦死しても、妻が幼い子とともになんとか暮らしていけるよう、そこまで考えてそうしたわけです。
本作には、そういう悲壮感が全くない。絶望的に薄い。
拷問も薄っぺらだし、戦中の苦労なんかも、【刺身乾燥防止用フィルム】並の極薄っぷりだわっ!!
「家族を絵に描くなんて泣けちゃう」とは思えない。
それどころか、絵に描かれたものを見て、また疑問符が浮かんできましたです。
克子の髪型、パーマネントちゃいますのん?
本作、時代考証10年単位で間違っておりません?
真一も丸坊主にする気ゼロですし……。
第二次世界大戦が始まってから多くのラーメン店が閉店したと聞いたのですが、なぜ登場人物はラーメンを気軽に食べられるんですかね?そこからも時代考証のいい加減さが感じられます。
戦時中の描写は短時間でしたが、同じNHKの「昭和元禄落語心中」が、原作付きとはいいえあれだけの表現ができているのに・・・いや、同じ大阪制作朝ドラでも「カーネーション」であれだけ凄い戦時描写をしていたのに・・・・何なのでしょうね、これは。「分かりやすく、見たいものしか見ない」という風潮にクリエーターが合わせてどうする、というう話です。
並行して絶賛再放送中の『べっぴんさん』のほうは、これからいろいろな展開をしていく段階になってきた。こちらを見ているほうが断然意味があるし、面白い。
もう見るの辞めました。正確には武者さんのレビューを見るための垂れ流し。来年の4月を待ちますわ………
まんぷく見るとオープニングからなんだか胸やけするんですよね。ここのレビュー読むとなぜか緩和するんですよね。ナンダコレ。