今日は鯉登少尉再登場ですので、こちらの記事を。
◆(ことばの広場 校閲センターから)「西郷どん」の掛け声:朝日新聞デジタル
まとめますと、薩摩示現流や薬丸自顕流の気合いの声として、
「チェスト!」
は言わないとのこと。
薩摩琵琶による語りが頂点に達した時に言うのだとか。
つまりは攻撃時に
「キエエエエエエ!」
叫ぶ鯉登は正しいわけです。
この点「チェスト!」が万能化して
「チェスト関ヶ原(※薩摩弁でブチ殺せ)」
「誤チェストにごわすか」(※誤チェストする=ブチ殺す相手を間違えたのか)
という使い方をする『衛府の七忍』と『ゴールデンカムイ』は違うよ、ってことですね。
本作は考証的に正しい。
『衛府の七忍』は、あれはあれで大傑作ですけどねッ!
ただし、四六時中キエエエエと猿叫が出てしまう鯉登は、明らかにおかしいと思います。
そこは薩摩隼人全員がそうなのではなく、彼の個性なのでしょう。
そういうところだぞ、鯉登少尉!
そうそう、このレビューはシーズン2に関しては過去にさかのぼって掲載しております。
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ウコチャヌプコロがない……そりゃそうだ
さて、この杉元一行と谷垣一行の再会。
本作で一番危険なウコチャヌプコロ関連がカットされています。
いろいろなカットについて不満だった原作読者も、
「仕方ないな……」
と皆頷く、そんな描写ですので、アニメのみではなく原作も楽しみましょう。
原作よりも入手刺青枚数が減っているところはちょっと気になりますよね。
今後も重要な役割を果たすことになるアイヌ男性のキラウシは、しっかりと登場します。
カムイホプニレ
このあと、カムイホプニレの場面です。
ウコチャヌプコロがカットで楽になったかと言いますと、そうじゃない。
まずこのアイヌ独特の、発声まできちんと把握した掛け声。カムイの宗教観の説明。
かなり大変だと思います。和人にとってはなかなか馴染みのないもの。
何度でも言います。
こういうものが映像化されて放映されるのは、とてつもなく素晴らしいこと!
アシリパの語る、
「人間がカムイを酷い扱いをすると、降りてこなくなる」
という発言も貴重です。
和人が本格的に開拓を始めた明治以降、北海道の野生生物は絶や激減が相次ぎました。
ニホンオオカミ、ニシン……乱獲を防いでいたアイヌの知恵や考え方を、今こそ見直すべき時ではないでしょうか。
ヒグマ肉の味、アイヌのお料理の味も気になりますねえ。
ツキノワグマは草食ですが、ヒグマはそうではありません。そのあたりの違いもありそうです。
夢占いの話
さて、この再会で気まずいことになっているのが、谷垣と尾形です。
尾形は鶴見が追っ手にしたのではないか、そんな疑いが捨て切れておりません。
谷垣の頭を撃っておきながら、上から目線で容赦なくネチネチとそのへんを突いて来る尾形。
感じ悪いよねー!
個性といえばそうですけれども。
ここで杉元が尾形の誤解を解こうとしますが、たかが夢のせいでアシリパ探しとかおかしくねえかと尾形はツッコミます。
アシリパは、フチがナゼ夢占いを信じているのかと語り出します。
予言、夢占い。
そういう要素が信じられるのも、本作がアイヌの世界観をきちんと扱っているからでしょう。
こういうところに独特の魅力があるんですよね。
マタギの村田銃
ここで、キラウシは過去出会ったことのある二瓶鉄蔵の村田銃を、谷垣が所持している点に目を付けます。
武器性能が劣る銃では不利なのですが、マタギならば実は対処できます。
幕末の戊辰戦争でも、秋田藩は武器において劣っておりました。
そんな中、マタギは素早く装填し、一発撃つと身を伏せ、その間に装填するという戦法で、戦い抜きました。
谷垣の戦い方は、まさしくマタギの流儀なのです。
キラウシの話から、二瓶の息子が日清戦争で戦死していたと語っていたことがわかります。
本作のこうした描写から、日清・日露戦争戦死者慰霊碑のことを思い出します。あの慰霊碑に刻まれたひとりひとりに、二瓶の子のような思いや人生があったのでしょうね。
銃ではなく、二瓶の愛犬・リュウも登場!
犬の嗅覚は奇跡を起こします。
会津戦争では、とある白虎隊士の命も救いました。
忠犬には杉元でなくても感動しちゃいます!!
江戸時代には、犬による「伊勢参り」もブームだったというのですから、犬の知恵と忠誠心は素晴らしいモノがあります。
※うわぁあああああああ、金カム、見逃してしもたっ><;
って、方はPC・スマホでゴールデンカムイ見放題のFODがありますよ
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個人的には鯉登少尉は第7師団メンバーで唯一、生き残りそうだと思っています。
モデルがご健在だし。
た・だ・し…月島軍曹が目の前で身代わりになって死んでしまい、サバイバーズギルドに陥るとか、反逆の罰としてシベリア戦線に投入され、尼港事件に遭遇とか。生き地獄には陥りそう。