パブリックエネミー化しとるやん
萬平はもう【パブリックエネミー】です。
いますよね、会社でもこういう人。
・育児休暇取得、幼稚園出迎え等、育児に参加をする男性社員を小馬鹿にする
・女性は育児があるからと、二流戦力扱いする
・お茶汲みのような雑用を、女性社員に押し付ける
・女性社員は経験ではなく、若さで採用&退職を強制する
・周囲は早く帰りたいのに無理矢理飲み会に参加させ、しかも割り勘
社会の問題をじっくりコトコト煮詰めた、ダネイホンどころか、ダサい奴。
そういう存在を感じます。
編集さん曰く、昨日の萬平と律の比較は如何なものかというご意見をいただいたとのこと。
あんな奴と並べたら律が汚染されるとのご指摘でした。
ナルホド、その通りですね。
それを前置きとしつつ比較しますと、前作は男女共に古臭いジェンダー観から逸脱した言動をしておりました。
【女性】
・可愛らしいピンクハウスや個性的な服を着ていても、モテや男ウケを狙ったわけではない
・知識、知能、弁舌で男を言い負かす
・プロとして金を稼ぎ、そのことを誇りに思う
・経営者である、人の上に立つ役職である
・必ずしも結婚願望があるわけではない、独身であることに引け目を感じていない
・老若や婚姻関係の有無で、過剰に同性同士が嫉妬しあわない(「女の敵は女」の否定)
・(誤解が生じてしまったものの)プロポーズを断る
・男相手でも反論する、きっちりと怒る
・夫とではなく、自分一人のために趣味を持ち究める
【男性】
・シャドウワークを妻のためにこなす
・シャドウワーク要員にしっかりと賃金を払う
・子供の面倒をしっかりと見る
・女に言い負かされても、負けを認める
・妻が自分一人の趣味に没頭しようが、見守る
・年上女性と恋をする
・男を愛するから、女性と同居しても安全であると鈴愛に伝える(ボクテ)
・下の立場に若い女性がいても、下心を見せずにプロとして指導する
・女性が好むとされる少女漫画を職業にしており、誇りを持っていて、そのことを卑下しない
こうしてみてくると、やっぱり前作が叩かれた理由がわかります。
古いジェンダー感から逸脱したくない層、できない層、できる人を嫉妬する層、そこからの反発があったんでしょう。
前作の執拗な叩きに似た事例を、アメリカでも見かけました。
「ゲーマーゲート」と「コミックスゲート」です。
前作は女性脚本家が、女性ということを前置きにして叩かれたものです。多様性を訴えた女性が、執拗にバッシングを受けるこの構図。そっくりじゃないですか。
◆SXSWで論争の的。3秒でわかるゲーマーゲート(GamerGate)問題
◆コミックで多様性を伝えることはできるのか 多様性に反対する「コミックスゲート」が広がりを見せる
アメリカですらこうなのかぁ……とため息が漏れるものの、問題視されているからまだマシです。
日本では、
「生意気な女が悪い!」
で終わっていましたからねえ。ヤレヤレ。
鈴さんがむしろ大正義です
当初こそは鬱陶しい設定であったバグだらけの【ブケムスメプログラム】ですが、やっと改善されて来ました。
ゴッドマザーモードです(以前が酷すぎたというのもありますが)。
今朝も懲りないロリコン神部に、未成年に手出しするなときっちりダメ出し。
これをギャグ扱いにするのがわかりません。むしろ鈴さんこそ大正義でしょ!
大暴れする従業員を前にしてしかり飛ばすところも、大正義です。
ちなみに中国語圏あたりでは、どっしりとしたゴッドマザーが解決するという展開はお約束です。
『三国志演義』の呉国太とか、『楊家将演義』の佘太君とか。
そういう中国語圏の作品と比べて胸糞悪いところは、そういう作品にあるゴッドマザーへの敬意がまったくないところです。
むしろ本作は、
「鈴さんすらまともなのに、それに気づかない立花萬平と福子とは一体何なのか?」
「大正義鈴に逆らうアホどもがウザい!!」
というドツボにはまりつつあります。
幽霊システム実装しました〜
昨年の『わろてんか』で、私を含めて大勢の視聴者から、
「ば~~~~っかじゃねぇの!?」
と罵倒されまくったシステムがあります。
【土曜日にセーブポイント仏壇前で「鳥の鈴」を振ると、幽霊が出てくるシステム】
それを改悪実装した本作、マジすか。
『わろてんか』ですらこのシステム実装は年明けだったぞ!
こうなると、不本意ながらどこまで落ちてゆくのかに期待するしかなさそうです。
召喚幽霊になった内田有紀さんは災難としか言いようがない。
そしてこの一連の描写が、
【中の人(脚本家)が複数じゃないの?疑惑】
を深めているんですな。
だって以前、
「夢枕の幽霊なんて、見る側の意識を反映するだけのもの」
とぶった切っていたじゃないですか。
そのとき福子は鈴にそう反論し
『まあ、大人の諸事情から幽霊だしたけど、バカバカしくてやってられないよね』
という書き手の抵抗感が伝わって来たものです。
それがどうでしょう?
今回は全肯定です。おい!おいおいおい!
もはや中の人はチームになっているどころか、チームメンバー力量に差があることすら伝わってくる。
駄作に対する抵抗感があり、比較的マシな脚本を書いてしまう人がいる――そんなことを想像してしまいます。
頼むから、もっとうまくやってください。
次回の朝ドラは記念すべき100作目の記念ですよ。
※スマホで『半分、青い。』や『八重の桜』
U-NEXTならスグ見れる!
↓
文:武者震之助
絵:小久ヒロ
※レビューの過去記事は『まんぷく感想』からお選びください
※まんぷくモデルである安藤百福の記事、ならびにラーメンの歴史もリンク先からどうぞ!
ドラマの視聴率って、個々の作品の質よりも、枠全体の視聴習慣の影響が大きいんですよね。「どんな駄作でも惰性で見てくれる固定支持層」は過去数年の選考作品の継続的な努力で決まっていて、あとはそこからどれくらい上積みできるか、といったところでしょうか。
朝ドラの場合、2000年代の終盤で底を打って、「ゲゲゲの女房」からヒット作を連発したため、相当な固定客を持っています。ですから、今作がこの調子で続いても、それで即行過去最低水準に戻ることはないかと。逆に、朝ドラブランドの固定支持率を知るには、ちょうどよい機会かもしれません。
それで考えると、「花燃ゆ」「西郷どん」で史上最低視聴率争い状態の大河ドラマは、固定支持層が過去最低に払底しているといっていいでしょう。過去2年の新規支持層が今作でほとんど離れてしまったことを思えば、当分いばらの道が続くかと…
今朝は約2ヶ月ぶりにまんぷくを観ました。褌の男衆の雑魚寝姿に血の気が引きました!観たくないもの観てしまった嫌な感覚しかありません。そして、武者様が書いている通り、今日は鈴さんが1番まともな事を述べているのに、その意見がスルーされるってどういう事⁇と、ストーリーも描写も呆れてしまいました。そして、朝イチの朝ドラ受けするレギュラーの3人が、苦笑で言葉に詰まってるように見えたのは私だけでしょうか…。
セリフが一貫しないのも、数人で脚本書いている疑惑、さもありなんですね。辛い経験や人との関わりから何かを学び成長する主人公をドラマには期待しますが、死者が出てきてアドバイスされて次のステージに進むって、どういう人生観を持って制作しているのでしょうか。前作が懐かしいです。りーつー、すずめーと私も叫びたい気持ちです!
脚本担当の福田靖氏が所属する事務所の公式HPによれば、口述筆記をされているとのこと。口述筆記が悪いとは言いませんが、当然、文字起こしという工程が発生するわけで、その要員が複数いる可能性はありますね。普通なら、出稿前に先生のチェックが入り、各話に矛盾がないかぐらいのすり合わせはするはずですが、もしかして・・・スルーなのでしょうか?それとも、スケジュールがタイトでそんなことする暇ない。あるいは、そもそも最初からそんなこと気にしないぜ、ウェーイなのか、どうなのでしょう?