【編集部より】
『まんぷく』公式ツイッターにおいて福子(まんぷく立花福子モデル→安藤仁子)が記したという手紙が劇中でもあった――というご指摘を頂戴しました。
ありがとうございますm(_ _)m
該当の手紙が視聴者にわかるよう取り上げられてないと後日Twitterで取り上げる意味もないはずですが、正確さに欠けるということでしたらこちらに非もあり、記述を控えさせていただきます。
謹んでお詫び申し上げます。
【73話の視聴率は21.5%でした】
舞い上がる歴史修正主義
今朝もGHQプッシュで税務局が動いているアピールです。
GHQ支配について描くにせよ、なんじゃこりゃ感が半端ない。
昔のアクション映画ですと、米兵に襲われる女性を主人公が空手で助ける、なんていう場面は定番なのですよ。
あと瓦割りとか、牛と戦うとか。
しかし、本作では街中にいる米兵の姿すらろくに映さないわけです。
このへんも、実に言い訳がましいのです。
主人公から台湾ルーツを隠さなければ、安藤百福氏が直面した出自や人種差別が背景にあって、もっとわかりやすかったはず。
ただし、そうなると、こうなる。
↓
差別する側:GHQと日本の財務局
差別される側:台湾ルーツの主人公
それが、本作ではこうなるわけだ。
↓
差別する側:GHQと日本の財務局
差別される側:日本人
差別される台湾人は消えて、差別される側は可哀相な日本人になる、と。
こういうものを何と呼ぶかご存じですか?
【歴史修正主義】ですよ。
差別されてかわいそうなのは、日本人だけ! 差別なんかしていないのに! ってか?そういう考えの方には、心地良いドラマですわなァ。
今回だけじゃありません。手榴弾逮捕の際に出てきた日系人の扱いでもそうでした。ヤレヤレ。
気がつきゃ昭和24年 季節感がまるでない
舞台は昭和24年(1949年)。
本作って、常に春から初夏に似合いそうなグリーンのスカートと半袖なので、時間の流れや四季の移ろいがまったくわからん!
季節にあわせて服の色を変えるだけ――そんな気遣いすらどこかに落としてきたようで、克子の子どもたちの成長もおかしい。
時空が歪んでいるのです。
そして今朝も、ノルマ的に鈴いじめが出てきました。
克子が鈴の苦境を即座に否定しにかかり、小馬鹿にする。
そしてタカと一緒になってニヤニヤしながら、手のモデルになるだけなのに浮かれるババア受けるよね〜♪ みたいなことを言うわけです。
こんなゲス笑顔で実母と祖母の悪口を言い合う女を見せられても、どうしろと?
鈴と娘の間には思いやる気持ちがある、読み取れない武者は性格が悪いって?
『日頃の行い』という概念をご存じでしょうか。
連日、下劣な笑顔でニヤニヤしながら、鈴の背後でバカにして盛り上がる。ぞんざいな態度を取って、鈴の悩みを聞くことすらない。
そういう積み重ねからしたら、面倒くさそうに悩みを遮る娘たちなんて、母を足蹴にする酷い連中にしか見えないのです。
当時は、もっと親孝行が大事にされていたものですよ。
ブスとは言ってない( ー`дー´)キリッ
前作のヒロインは、男性である秋風先生、夫である涼次に暴言を吐いたがために、こんな悪逆非道の女はいないとアンチから罵られまくりました。
女性である脚本家のSNSでの発言も、バッシングされたものでした。
これに対し、毎日ネチネチと家族を小馬鹿にして、悪口を言い、ニタニタする本作の福子、克子、タカ。
彼女らの特徴は、男相手ならエヘラエヘラと媚びまくるところです。
タカの容姿にケチをつけて盛り上がるロリメンたち。
というかタカは「ハッキリと【ブス】呼ばわりされてない( ー`дー´)キリッ」と主張される視聴者さんもおるようです。
ちょっと説明しますね。
神部とタカについて、ロリメンたちは
【蓼食う虫も好き好き】
と小馬鹿にしていました。
これって「ブス!」とストレートに言うよりはるかに酷い台詞ですよ。
女性について「美しい、美しくない」という話をしていた直後にそう言われれば、当然ながらブスも含んだ上で、さらには神部をもこき下ろす表現です。
もしかして【蓼食う虫も好き好き】という慣用句をご存知ない?
だとしたら例文で補足しておきましょう。
こんな使い方ですね。
「A子さんて美人だけど、B子さんの顔は、ちょっとなぁ……」
「B子をいいと言う男だっているだろ。ほら、蓼食う虫も好き好きって言うじゃんwww」
どうです?
ブスなんて一言も言ってませんよ。
でも、酷くないですか?
あるいは
「あなたの頭の出来は、もしかしてひょっとすると、あまりよろしくない、かもしれないですね……」
と言われたら、
「よかった! バカとは言われていない!」
と、プラス思考で考えるんですか?
普通は気分良いワケがありませんよね。
『ちょうどいいブスのすすめ』を、タイトル変更すればOKだと思っているドラマスタッフじゃあるまいし、なんであのシーンで「タカはブスと言われてない( ー`дー´)キリッ」って言えるんだか、意味がわかりません。
それと私は「ブス!」という言葉そのものを叩いているわけじゃありません。
『あまちゃん』では、アキが正面切ってブスと罵られましたが、それにきっちり反撃しました。
本作の福子のように、遠回しにブスだからフロント係になれないと言われても、顔をつまんでとぼけていたのとは全然違います。
東京支社のロリメンたちも、いざタカを目の前にしたら「神部さんも、ほんまに蓼食う虫も好き好きやで」とは言えないでしょ。
そういった描写や心理の問題なのです。
だいたい、ですよ。
チキンラーメン・カップヌードルを開発した偉人の物語に、ブスという表現やら、鈴のイジメって必要ですか?
ろくに業務内容を描かずに、そんなことをやっている意義なんてないでしょ。
女から男への酷いとみなされた言動は魔女狩り
話を戻しますと……。
そういう、女同士での酷い言動。
男から女への酷い言動はスルーされます。
むしろ面白がれ、コミカルだと誘導すらされる。
一方で、女から男への酷いとみなされた言動は、魔女狩り扱いです。
こういうのを【#男女格差110位ショック】の証拠って呼ぶんですよ。
本作の女性蔑視について、時代がそういうものだから、時代考証的にあっているという擁護があるそうですね。編集さんから聞きましたけれども。
そういう問題じゃありません。
時代考証からツッコミましょうか?
本作は、当時の男性が遭遇した理不尽な酷い目を、ミニマムに押さえ込んでいるのです。
例えば、三姉妹のヒロインたちの夫である忠彦、真一、そして萬平(まんぷくモデル→安藤百福)の、誰も婿入りしていないのはどういうことでしょうか?
家の存続を考えている、ましてや武家の娘であることが誇りである鈴ならば、一人は最低でも婿に入れるはずです。
昔は、娘しかいない家への婿入りは今よりよくある話でした。
来年の大河ドラマ『いだてん』主人公である金栗四三も、戸籍上では婿入りをしています。
こういう現代の男からすればマイナスとなる要素は、カットするんですよね。どこが時代に合ってますか?
似たようなものだと思うがね。
「ちょうどいいブス」炎上の件をまんぷくに結びつけるのは無理矢理ではありませんか?
タカの容姿問題とは根は違うと思います。
蓼食う虫問題が酷すぎて成人男性が子供を恋愛対象にするヤバさが忘れ去られそう、というかそんなのばっかりですねこのドラマ
岸井ゆきのさん出演の「映画」のファンです。
彼女がブス扱いされてる事に怒りを覚えます。
これからますます伸びて行くであろう若手女優なのに・・・
>匿名希望様
ご指摘ありがとうございます。
手紙のところは確認させていただきます。
それからタカの容姿についてですが、
一度でも「蓼食う虫」発言があり、同じ様な会話が複数回に渡って行われていれば
すべて同じ意図での会話と見るのが普通の感覚かと思われます。
残念な朝ドラと言えば、私が見た中では「まれ」と「どんと晴れ」が思い浮かびます。
まれの放送時、どなたかのレビューで「突っ込む人間がドラマのなかにいないから痛い」と指摘されているのを見て、なるほどと思いました。好評だった「今日から俺は」だって、主人公が卑怯なやつだと周りが呆れているから面白いのであって、「すごい!」て言っちゃったらダメですもんね。
どんと晴れでは、数あるダメポイントの中でも、大女将が主人公にわけもなく肩入れすると言う設定が特に受け入れ難くて、白けてしまいました。
まんぷくを見ていると、「ハイブリッドだよぉ~」といつも感心します。
【使用例】
「こんなひどい手抜き、いい加減の限りを尽くした作品を、『王道の作品』などと誉め称える人がいるんだって!」
「へぇ~! とても理解できない。全く、蓼食う虫も好き好きだね。」
お前の蓼は日本には生えていない。残念!
そもそも、「ブス」の定義って何なんでしょうか。
容姿を指すのか、性格を指すのか、頭の回転を指すのか、学歴、収入、恋人の有無、etc…
件のドラマがどんな粗筋なのかは知りませんが、夏菜さんのキャラに全く合わない設定にされていたら、本人もとんだとばっちりだなあ…