わろてんか48話あらすじ感想(11/25)啄子の渡米が雑すぎる

時は明治。
日本一の「ゲラ(笑い上戸)」娘ことヒロインのてんは家を捨て、船場の米屋・北村屋の長男藤吉のもとへと嫁ごうとするものの、藤吉の実家で姑の啄子からは認められません。
そうこうしているうちに、藤吉が詐欺に引っかかり北村屋は倒産。店も家を失います。

藤吉とてんは、てんの実家藤岡家から五百円(現在の貨幣価値で五百万円)を借りて、寄席小屋を買い取り、寄席「風鳥亭」開業にこぎつけました。
ようやく軌道に乗りそうなときに父・儀兵衛の死を知り、てんはそれを乗り越えて飛躍を目指します。

開業から一年。風鳥亭の観客席には、儀兵衛の遺影を抱えたてんの母・しずの姿がありました。

 

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いい加減、食傷気味になってきた藤吉の決めセリフ

風鳥亭一周年記念の場には、から酒も届きます。

ここで藤吉とてんが挨拶します。実質的な妻とはいえ、まだ籍も入れてないてんが壇上にいてチョット違和感……。ケジメの挨拶の場でしたら、ここは舞台袖でジッと見ていても健気でよかったかも。

「笑いにはとんでもない力があります」

そう挨拶をする藤吉。
何度も繰り返されるこの件(くだり)にも、いいかげん食傷気味になってきました。

もしも現代ならば?と、こんな場面を想像してみました。

例えば、爆笑問題・太田光さんの奥さんで、お笑い事務所タイタンの社長でもある太田光代さん。
彼女が、お笑いLIVEで、バクモンの登場前に同じ挨拶をするのです。

「笑いにはとんでもない力があります…………では、爆笑問題の登場でーーーーーす♪」

って、これ、めっちゃ、やりづらくありません?
さすがの爆笑問題も身内からこんだけハードル上げられたら、顔真っ赤にして出てくるかもしれません。

いくら笑いが大切だからって、バカ正直に何度も人前で「笑いは最高」と語るのは野暮の極みってもんで、他にいくらでも言い回しがあるのではないでしょうか……というか、そこで人の興味を惹く文言を考えるのが脚本家の仕事なワケで(´・ω・`)

 

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「ナポレオンの祖先はイタリー出身やで!」でドヤ顔って(´・ω・`)

ここから一周年記念興行のスタートです。

「くだらんわ~」
「ほんまにぃ~」
という、風太としずの声が洒落にならないほど、儲からなかった当初と代わり映えしない芸に困惑させられ><;

万丈目はいいんですよね。これは中の人(藤井隆さん)の力です。
ただ、「売れない、笑えない」設定の万丈目が一番いいというのは、これいかに?

問題はキースですよ……今回はナポレオンのものまねですよ……(ため息)。
風太に「フランス人に見えない」と突っ込まれて「ナポレオンの祖先はイタリー出身やで!」と返すキース。

はいはいはいはい、ナポレオンは彼の誕生のちょっと前にイタリア領からフランス領になったコルシカ島出身ですね。
だから何やねん!
そんな“やや高度”な世界史トリビア、現代の歴史ファンでもほとんど知らんわ!
明治時代にウケる観客おるんかい!

大野拓朗、大阪“移住”で大御所芸人の魂学んだ!朝ドラ「わろてんか」で漫才師好演

大野さんは頑張っているのに、こんな脚本で本当に本当に気の毒です……><;

しずは「あんた、笑てはりますか?」と儀兵衛に語りかけます。
天国の儀兵衛はどうか知らんけど、そんなことより視聴者が笑えるかどうか考えて欲しい。

 

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「人の財」はドコにあったのだろう

ここで再会するしずと啄子。
啄子はてんを褒め出します。免許皆伝、立派なごりょんさんとベタ褒めです。

しかし、この褒める内容がおかしいんです。
「親身になって芸人の世話を焼き、晴れていても下駄を磨く」
この、一銭も儲けにならない、スマイルゼロ円みたいなものを褒めるのが、商売人らしくないと思います。

「始末」
「才覚」
「算用」
それだけではない無償の善意があるからよい、ということを言いたいんでしょうが。そういう、特に女性に求められやすい無償労働を美化するというのはいかがなものでしょうか。そもそもそこを褒めるのは商売のドラマらしからぬ話だと思います。

あと、ここで啄子の言う「人は財なり」というのもあんまりピンと来ないのでして……。
寺ギンに売上を絞られている風鳥亭の経営陣は、なかなかのブラック企業体質で、以前はギャラすらろくに払っていなかったと思われる節があります。

「人は財なり」なら、友達だけで芸人を回そうとする藤吉の代わりに、てんがダイヤモンドの原石のような芸人を見つけてくるとか、そういう工夫が必要ではないでしょうか?
それで新しい芸人さんが売上を伸ばして、更に人の輪ができて――こういう経験を積んでこそ「人は財」となるハズです。

あるいは「てんという人が財」と言いたいのかもしれませんが、そこまでの片鱗は見せてくれなかったような……。むしろ、畑の違う京都からやってきて、いきなり物販の工夫をしてみせたトキの方が有能に思えてしまうのです。

 

啄子渡米の伏線が絵葉書だけって雑すぎるだろ!

更には啄子が結婚を認めると言い出すのですが、これも食傷気味の件でした。

この時代、ひとつ屋根の下にダラダラ一年以上も未婚男女を生活させていたって、周囲からは今よりずっと厳しい目で見られていたのではないでしょうか。
やっぱりこの物語は、寄席小屋の経営に重点を置いたストーリーにして、2人の結婚をいたずらに伸ばさなければよかったと思います。

ともかく、藤吉とてんの結婚式。
当日はアサリもひょっこり戻って来ます。

「一生笑わしたるさかい」
そこでまた例の言葉をてんに誓う藤吉。

その夜、藤吉は啄子に向かって、「北村笑店」という会社を興す、掲げてええやろかと問います。
えっ? そのネーミングセンス、どうなのよ><;
お笑いを売りにする会社が「笑い」を看板に掲げたらハードル上げるだけで結局スベるというのに、なぜそんな基本的なことが原稿執筆の段階で気づけないのでしょうか。

しかし、その後の啄子の決断は、すべてを吹き飛ばすインパクトのあるもんでした。

「あめりかに行く」
と、突然の渡米宣言です。知人がいるそうです。
啄子、何があったんだ><;

絵葉書が一応、それとない伏線ではあったんですね。
それにしてもこんなに雑に回収するとは思いませんでした。
「女の夢に年齢はない」
と言うけれども、当時アメリカに移住することは今よりはるかに大変だったと思います。

啄子は、序盤を好演で盛り上げた、存在感のある人物でした。
そんな彼女を、こんな雑な退場って、キャラクターへの愛情がまるで伝わってこない、まるで成長していない(´・ω・`)

そして舞台は大正4年(1915)へ。開業から四年が過ぎて、二人には隼也という一歳になる長男が産まれていました。
4年経ったならば、キースの芸も少しはマシになっていますかね。

 

今回のマトメpart.1

一週間前の土曜日、笹野高史さんの独演とユニークな予告編で、結構盛り上がっていました。
火曜日に冷やし飴売りもよかったと思います。
しかし、水曜日には無理矢理に栞をぶっこんできて、失速。

今さら話を蒸し返して悪いとは思いますが、やはり木曜日に儀兵衛を亡くなったことにするのは、タイミングがよくなかったのでは?

木曜日は、続けて物販エピソードをやっておけばよかったと思います。
んで、金曜日に、やっと風鳥亭が軌道に乗り、借金全額返済もできるようになったてんと藤吉が、藤岡家の皆さんを呼ぶ。
すると、そこに現れたしずは儀兵衛の遺影を手にしていて、てんは動揺する……と。
「こんな日に寄席なんかできない!」と泣き崩れるてん。ここで金曜日終わり。
そして、土曜日。藤吉が励ましてなんとか寄席が無事終わる。

ってな感じで、かなりベタではありますが、金曜日がクリフハンガー(さあどうする?と視聴者が焦るタイミングで次回へ引っ張る)になりますし、よかったんじゃないかな、と。
もちろんプロの脚本家ですからいろいろと考えているでしょうし、ワタシなんかの素人意見では重大な欠陥があるかもしれませんが、とにかく一度きりしか使えない「父親の死」というカードが、無駄に消費されたのは間違いないのでは?

 

今回のマトメpart.2

無駄にしたカードは、父の死だけではありません。

吉本せいの商才そのものが無駄なものとして扱われました。
これはかなりショックでした。

むしろ今回の脚本家さんは、せいの工夫を卑しい、ストーリーにとって邪魔なものだと思っていそうな扱いで、本当に酷いと感じましたね。
吉本せいが自慢げに語っていた工夫を、邪魔者扱い、です。

せいの工夫や発案を、亀井、栞、啄子、トキのものにしてしまいました。
かろうじて残ったのは、たったひとつ、ゴロゴロ冷やし飴だけ。
代わりに入れられたのが、無償の下駄磨きです。

なんだか徹底して、お金儲けやその工夫すら嫌っているんだなぁ……と引いてしまいました。
そんな気持ちで何故、清濁併せ呑むような実業家をドラマの主人公にするのでしょう。

この気持ちは、「流血や策謀を極端に嫌う」人物を主人公にしてドラマを作っているくせに、その主人公が戦国時代の軍師や謀将だったという、数年前の大河ドラマを見た時以来です。だったらはじめから平和に生きる人を題材にしてよ、と思ったものです。

『真田丸』で草刈正雄さんの演じる真田昌幸が口八丁手八丁の策謀を愛したように、ノリノリでお金儲けを愛する主人公ではダメなんですか?
それが駄目だと思うなら、慈善事業や奉仕活動に一生を捧げた主人公にしたらいいのに。

最近のNHK大阪は実在した実業家・企業ものが多くなっていますけれども、その中身や人の志すらねじ曲げて作るくらいなら、『ごちそうさん』のようなオリジナル作品にして欲しいと思います。
これでは来年の『まんぷく』も不安になってしまいます。

著:武者震之助
絵:小久ヒロ

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吉本せい 吉本興業の歴史

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【参考】
NHK公式サイト

 

1 Comment

ビーチボーイ

まだあと4ヶ月もありますが、全て丸くめでたくおさまり、全員が幸せをかみしめて、もうやることがなくなってしまいました。皆様、突然ですがこれで最終回と致します。ほなさいなら~
という雰囲気充満してましたね今回は。脚本家殿、またもやご自分でハードルを最高位置に上げてしまい、残り3分の2をどう持たせるつもりなのか、他人事ながらハラハラします。
あ、そうか、こうして心配になった視聴者が続きを見ざるを得ない状況にする作戦かも(なわけないかw)

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