なつぞら143話 感想あらすじ視聴率(9/13)マコプロの福利厚生

新作アニメ『大草原の少女ソラ』。

それは、北海道を舞台にした少女ソラと少年レイが、出会うところから始まる物語――。

二人が成長を遂げ、その姿を通して描く、そんな開拓ストーリーが、いよいよ始まります。

福利厚生の良いマコプロ

なつは時間に追われつつも、充実した毎日を送っています。

優と一緒に買い出しをして、マコプロに入ってくる場面がありました。
ここも、短いけれど、よい職場だと判断できる材料が多い。

・買い出しに行くこと
→食料供給ができている

・優への思いやり
→頑張って荷物を持っていた優。マコは出迎え、重かったと気遣っている

「会社は家じゃねぇんだ!」
とかいう口さがないツッコミがあるかもしれませんが、職種によっては【空気を読んで席に座っていることではなく、成果物をあげることが第一】というケースもある。
働き方、服装などは問われません。

このあと、モモッチは自作着せ替え人形で優を遊ばせています。

モモッチは、優のセンスが良い、気があうと褒めながら楽しんでいるのです。

「センスあってる!」

モモッチと優、どちらもメリットがあるんですよね。
自分だけでは気づきにくい色彩センスを磨くことができる。

しかも、目線が対等でもある。モモッチは、自分が色彩のプロだと威張ることなく、優と同じ目線で遊んでいます。

優にとってもやさしい場所。それがマコプロだとわかります。

ちょっと気になるのは、モモッチの仕事ですね。
最終段階の着彩まで進んでいないから出番がないと、なつとのセリフでわかります。

これもよい職場だと思います。

分業体制がしっかりしているし、出番がなければ別のことをしていてもいい。
仮眠で休養していても何ら文句は言われないでしょう。

これが、ダメな職場だと、休憩している相手を責め立てるとか、態度云々とかそういう曖昧なことを言い出しますからね。

最悪の場合、業務外のことを押し付けられて、しかもそれが偶然適性高かったりすると、次から次へと仕事が降ってきて、どうにもならなくなります。
業務外のことは断らないと!

この着せ替え遊びは、ある意味モモッチのような色のプロには適切な息抜き兼業務にもなっていそうですね。

マコさん特製のナポリタン

そしてここで、抜群の福利厚生が出てきます。

「マコさん特製のナポリタン!」

どどーんとした皿は、割と漫画というかアニメみたいな盛り付けではある。
ボウルではなくて、皿にどーんと盛り付けるところに、そんなセンスを感じます。

※こういう盛り付けね

なつが、本場の味か? と尋ねますが、マコは即答します。

「イタリアにナポリタンはない」

そうなんです。
本作は食文化知識にぬかりありません。

今ではレトロな味わい。あれは日本人が考えたナンチャッテイタリアンなんですよね。
日本の洋食は、アメリカ経由も多いものです。

◆日本で生まれたナポリタン、その起源を知っていますか?

思えば半年前、「本場アメリカのカレーライスよりうまい!」だの「エビは洋風だ!」と言い張る教団員どもがいた。
あれには突っ込みすぎて、精神疲労が半端なかった。

本作はそでないんだわ。いいなぁ、マコプロ。ご飯もおいしそう。

マコのこの造形も、何度も指摘しているようにテンプレ通りではない。
彼女のような強気タイプはメシマズで、なつタイプに嫉妬を燃やしていたり、そういう描写をされがちでした。そこをきっちりと否定してきます。

にしてもマコさんのナポリタンが食べたいなぁ……。
腹が減る! 朝っぱらから何をするんだ。今日は、お昼にパスタの人、増えてるんじゃない?

あの子の声を探して

イッキュウさんの発案により、声優はオーディション選考となりました。

川に流れされてくるレイを見て、叫ぶソラ。
その演技を白本知香子がこなしています。

この声を聞いて、イッキュウさんも、なつも、感無量の表情に。

演じているのは、なんと、沢城みゆきさんです!

◆「なつぞら」声優・沢城みゆき 異例の顔出しドラマ出演「オンエアが恐ろしく…」若手女優役でソラの声も

そりゃうまいわな!
またしても声優枠だ!

ここでこの様子を見守る風車プロダクションの咲太郎が、納得の表情を見せています。

絶対に白本だと、確信していたのだとか。

ただ、自分のプロダクション所属ではない。
ここで、光子ともどもしみじみと語ります。

風車プロダクションは、自分たちの利益だけを求めているわけではない。
作品をよくするのが一番。

「それが結局、信用を生む。そうやってきたからこそ、今がある」

奥深いセリフです。このセリフは重要だ。

それに、風車プロダクションはもう軌道に乗っています。

レイは、今や売れっ子。少年声優の定番になりつつあるレミ子。

お母さんは、ベテラン声優・蘭子。

お父さんは、これまたベテラン声優の島貫。

レミ子のマネージャー時代。蘭子の雪次郎とのこと。そして咲太郎逮捕の一因である島貫が、立派にここまで来ました。任侠だねえ。

藤正親分は、かつて誤解したままで咲太郎の起業を褒め、芸人たちを食わせろと言っていたもんですが。

「こいつらを新劇場に出してやってくれ!」

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咲太郎は、立派な仁義溢れる男になりました。
これぞ江戸っ子、カッコいいぜ!

なつはかつて、咲太郎は自分のやりたいことをしろと詰め寄りました。

「それがお兄ちゃんのやりたいこと?」

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神輿になって、親分になって、そしてルパン。
咲太郎も立派な男になったもんです。

ラスボスがデカくなるのはナゼなのか?

神っちは、牛のリアルな絵を描くコツをなつに相談しています。

怖くすると、ギャグっぽくなるし。
怒っているにせよ、どうすればいいのか?

子供目線で怖くするには?

なつはここで、子供の目から見ると大きくて怖いと言います。

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劇画経験もあり、そういう大きさの誇張に覚えがある。そう説明するのです。

神っちは『キックジャガー』と『魔界の番長』経験が生きているとうれしそうだ。
なつの助言を受けて、神っちは自信満々ではある。

「子供はいないけど、いつだって子供になれるんだ!」

そうして描きあげた牛には、イッキュウさんも驚いています。

「これはこれでありです!」

「よっしゃあ!」

マコも感心しています。

「作画監督として、いろいろな奥原なつの力をつけてきた」

『半分、青い。』にもそういうセリフがあったっけ。迷う時間は無駄じゃないって。

確かになつには不本意なフィルモグラフィーかもしれませんが、無駄じゃないんですよ。

なんだっけ……「発明できないお前はもう死んでいる」発言とかあったなぁ。北斗神拳伝承者じゃない。どこぞの教祖夫人がそう教祖に迫っておりました……。

ここの部分、面白いですよね。
これも、漫画とアニメのお約束ではあーりませんか!

ボスになるほど巨大化する問題。

「オーラでデカく見えるんだよ!」

と、それっぽい説明は入りますが。その他、誇張としてはこんなところですかね。

・老け顔の高校生(これで17歳だと?)

 

・見た目が若い元人斬り、見た目が若すぎる女性能力者(一応説明入るけどさぁ)

 

・同じく筋肉がすごすぎる高校生(いつ鍛えたんだよ)

 

・どういう構造なのか理解できない制服(色もすごいし)

 

・公式設定180センチ、作画上はどう見ても300センチくらい(どうやって屋内に入った?)

 

・公式設定150センチ、作画上はどう見ても100センチない(成長期でしょ!)

 

・初登場時6頭身、今は4頭身くらい……?(愛嬌ゆえに縮む感覚?)

 

・スポーツの技が、銀河単位になっていないか?(これでどうして生きていられるの?)

※一応人間じゃないという断りはあるものの、オーラででかくなった一例(『彼岸島』の師匠)

そういうアニメのお約束を、きっちりと落とし込んできました。

「何も考えずに見られてこそ楽しい!」
なんて主張もある漫画やアニメですが、調べたら調べたで、楽しいんですよ〜。

そもそもオタクのアイデンティティって、なんでも調べて突っ込むところでしょ?
原点回帰しないと。

負けないでコミカルに描くぞ!

「よし、負けないぞ!」

下山は、レイが牛から顔を舐められる場面を描いています。

そのユーモラスな作画に、皆感心しています。

やりすぎかな?
そう言う下山ですが。

「やりすぎでない、あり!」

「さすが、下山さんです!」

「確かにこんなの、下山さんにしか描けない!」

「おもしろい!」

「よかった……」

ダメ出しは容赦ないけれど、褒める時は具体性があって、かつ情熱的。
そんなマコプロの仲間たちです。

教祖たる俺様の言うことを忖度しろ。そんな会話ばかりの前作****教団とは違うんだ……。

腹が減っては戦ができぬ

連日連夜、マコプロの作業は続きます。

石沢と町田は下請けとの折衝。合間に出前も届く。
このおかもちを運ぶ出前さんも、実に当時らしい風俗です。

それに、作画する場所と食べる場所を分けている。
ひっくり返して原稿台無しは避けている。

そこにスリルを感じていた、秋風先生とは違うからさ。

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この出前のメニューも、細かいんですよね。和風と中華風がちゃんと混ざっている。
蕎麦、ラーメン、チャーハン。
どんぶりやレンゲまで、しっかり当時のものなのです。

ラーメンどんぶりも変遷がありまして。
昭和のころは、中国風を強調した雷紋が定番でした。現在は無地も多いですけどね。

なつが家で原画を直すころ、マコプロは、夜も作業をしておりました。

泊まり込みもしばしばあり。
イッキュウさんが、夜間は作画チェックを単独でこなすマコに、焚き火の見直しまで頼んでいます。

マコも呆れつつも、断れません。

マコプロは、昭和の深夜作業神話をこなしているようで、実はちょっと違うんですよ。

一例として、本日複数回にわたって出てきた食事ですが、これはかなり大事な要素です。

◆日本企業の「食事代支給」があまりに少ない事情

この記事は、海外と比較してどれだけ日本の食糧事情が恐ろしいことになっているのか、実感できるものでもあります。

こういう記事を読むと、インパール作戦(※日本人は草食だから現地で草を食えばいいと、補給を無視した惨劇。2017上半期『ひよっこ』の宗男おじさんが参戦した。2020年上半期『エール』主人公も従軍するはず)から日本は進化していないのでは……? と、暗い気持ちになります。

食品開発をメインテーマにしながら、教祖がドヤ顔で【飯食っていない!】アピールするなんかもありましたっけ……。

マコプロの場合、衣食住に気遣いがあります。

衣:服装規定は自由!

 

食:マコさん特製ナポリタンに出前、そこは気遣う!

 

住:はっきりとは映っていないけれど、二階に休憩スペースがあると推定できる!

福利厚生がしっかりしているんです。

そこは、『半分、青い。』もそうでしたよね。
秋風塾にせよ、スパロウリズムにせよ、寝泊まりしつつ作業できる。休むこともできる。きっちりと、そこは気遣いがあった。

「育児女優に配慮して働き方改革ですぅ〜!」
と、アリバイじみた記事を出しつつ、劇中では社畜自慢。ドラマクオリティはやっつけ仕事丸出しで、デスマーチ感が漂っていた……。そんなどこぞの教団とは違うのよ。

いや、あのドラマについて誤解がありますけど。
あんなやっつけ仕事に追い込まれたスタッフおよび出演者には、心の底から同情しているのです。

◆NHK、朝ドラ週5日への短縮を正式に発表 来春から

まぁ、NHKが来年から週5日に切り替えるのも納得できる話です。
※続きは次ページへ

2 Comments

こけにわ

マコさんのナポリタンのシーンで、
紅の豚の飛行挺工場のシーン、
YouTubeで見た、宮崎監督自ら大鍋にラーメンを作って、作画スタッフにふるまうシーンを思い出しました。
マグカップでラーメンをすする若い人もいたかな。
素敵な、仲間で食べる御飯。

マコさんの表情豊かな演技にも見とれます。

できれば幸せな千遥を見たいです!

あしもと

神っちの、子どもは居ないけど云々のくだりは、直虎最終回のセリフ、子どもがいないから等しく我が子に見える…も思い出しました!

ちなみに、ソラのアニメのナレは、なんだか素人ぽくって残念、と感じていたら安藤さんだったと後から知りました…二重にザンネン。やはりサスガ!と言いたかったです

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