なつぞら100話 感想あらすじ視聴率(7/25)朝から魔性が恐すぎる

雪次郎はしんみりしています。
これはなつだけの問題でもありません。

ほら、天陽とか信哉とか。

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けれども、なつはそういうことに鈍感ですので。

「雪次郎君も言ってたでしょ、好きだのなんだの言っている場合じゃないって。今はテレビの成功だけ考える!」

そう言い切ります。

ムキになっていないかな?
亜矢美あたりの意見も聞きたいですねぇ。

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雪次郎はしんみりと言います。

「人に甘えたらいい。好きなら好きと、言ったらいい……」

これは大事かもしれません。
戦災孤児のなつは、泰樹が感情を解き放つまで、そうできなかった過去があります。

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なつはしかし、こう突っぱねます。

「私が一番好きなのは仕事! 夕見の言う通り【同志】でいい!」

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雪次郎も芝居の成功だけ考えればいい。
そういう結論に持っていこうとしてはおりますが。

そうかな〜?
その夕見子だって、泰樹じいちゃんに抱きつくことで、解放されていたじゃないですか。

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甘えも大事じゃないですか。
じいちゃんには、さみしいって言ってたじゃないですか。

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夕見子は高山という偽物を引き当て、抹殺パンチで撃退しました。
なつにだって、本物のそういうタイプが必要なのかもしれません。

夕見子先駆けの法則を適用するのであれば、そろそろなつは本物の【表裏比興】、開拓者魂の持ち主を引き当てることもあるのでは?

気になりますね!

ワイン、キャンドル、そして覚悟

さて、雪次郎は最終日まできっちりと主役をこなせました。

舞台上の事故や怪我もなく、無事終了までこぎつけたのです。よかったね。

彼は蘭子にお礼を言います。

「今日まで本当に、ありがとうございました!」

「打ち上げのあと、家で二人だけでお祝いしましょう」

ここで彼女は、微笑みこう告げるわけです。

そのあと、なつが風車でレミ子と話す場面となります。

「今頃どうなっているんだろう……」

レミ子はそう不安そうです。

「えっ? 二人がどうかしたんですか?」

気になりますね。

蘭子が赤いワインをグラスに注いでおります。キャンドルまで灯して。

レミ子は不安なのです。
恋愛だろうとなんだろうと全て芸の肥やしにする女。それが蘭子。

「雪次郎が溺れたら、潰されるかも……」

おっ、なんだか朝からすごい話になってきたぞ〜。
咲太郎も朝にしてはギリギリの魔性だと思っていましたが、今度は蘭子ですか。

蘭子の家を訪れる雪次郎。
ケーキの箱を差し入れます。

これもうまいんですよね。
ワインにケーキは合わない。せいぜい紅茶でしょう。おつまみを買ってくるほど、人生経験豊富じゃないんです。

そういうことが、ケーキから伝わってきます。
菓子店の息子ということもあるのでしょうが。

北大の夕見子ちゃんに、美味しいお菓子を作ると言っていた雪次郎。
あれは初恋。これは大人の恋なんですよ。

ケーキは後回しにして、まずは乾杯。
そこへ座ってと促される雪次郎。

雪次郎は席に座らず、立ったまま思いの丈をぶつけます。

「蘭子さん……俺は、蘭子さんが好きなんです!」

「からかってんの? 気の迷い?」

「俺は迷ってません! 俺は、ずっと蘭子さんが好きでした!」

「私は芝居しかない女……」

「だから好きなんです、だから、蘭子さんとずっと芝居をしていきたい!」

「こんなところに呼んじゃったから、何か勘違いさせちゃったのかしら、もしかして」

「これは俺の勘違いですか?」

「そういう覚悟をして、ここに来たわけ?」

「はい、来ました」

意味ありげに見つめ合う二人。
続きは明日!

魔性の蘭子

はい、朝からなんだかおそろしいものを見せられました。

これを朝から放送していいんですか?

おそろしい妖艶さがミッチミチ。蘭子……おそろしい女ですわ。
演じる鈴木杏樹さんも、本当にすごい。昭和の、往年の、女優めいた風格がバッチリですよ。

この色気も濃淡があります。
別作品ですが『半分、青い。』のひしもっちゃんは、そういう要素はゼロでした。美人ですが、ともかく強くて違う。

マダムもぴしりとしているし。
亜矢美もかぶき者だし。
全員魅力的ではありますが、そう単純なものではない。

蘭子からは、危険な色気、魔性が漂っております。

彼女は本音もわかりません。
共演者で面倒を見るものではないと言い切る。
それでいて、家に誘ってワインを出す。

全くわからん!
はぁ〜、朝から何が起きているんでしょうか!

咲太郎といい、蘭子といい、その魔性は言動から醸し出されるものです。

咲太郎が褌で横たわるとか。
蘭子がスリップ姿で出てきて足を組み替えるとか。
そういう露出反応狙いは前作の****教団だけでエエですね。

坂場に何を期待しているのか

そういえば、女性の家に夜間上がった男は、雪次郎だけではないんですよね。

坂場です。

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なつの部屋まであがったじゃないですか。
あのやりとりと、今日の雪次郎を思い出してください。

雪次郎の場合

・気遣ってお土産持参

・動揺を感じさせる

・これには意味があるとわかった言動をしている

・覚悟があると言い切る

坂場の場合

・気遣い一切なし、お茶を淹れると相手が言おうがどうでもよい

・いつも通り。女性の部屋の中を見回す

・仕事上の確認以外、一切意味があると思っていない

「女の家に男をあげるって、そういうことでしょ〜」
ということが、昨今問題になっておりますが、坂場のように、意味が全く理解できていない奴もいます。

坂場は彼なりのルールがある。
ガッチガチのルールです。

そのせいでかえって傲慢に見えると言われても、改善は望み薄です。

「いちいちそういうことに同意をとったら、雰囲気が壊れるでしょ」
ということも言われています。

しかし、ここで考えてくださいよ。
坂場みたいに、明確な意思疏通を伴わないとわからない。雰囲気? 書面で確認しましょう、それでダメならそれまでです……というタイプもいるんですね。

「空気を読め」
「雰囲気で察すること」
と言われても、できない人が一定数いることは確かなのです。

そこをふまえて、同意をしっかりすることは大事でしょう。

※イギリスの警察作成動画で学ぼう

「同意を得るなんて面倒くさい」
「いちいち確認するなんて、ムードをぶち壊す」
という意見は、坂場と同じ人間を追い詰めて、社会から疎外する危険性を示している。

誰も彼もが、空気を読めるわけではありません。
ムード云々よりも、もっと大事なことはあります。

ムードを理解している蘭子と雪次郎にせよ、無理強いはそこにはないのです。

空気を読めない、マイルールにこだわる人たち

坂場は空気が読めない。
そして順序もおかしいのです。

【理由】→【結論】
というマイルールのせいで、あんな物言いになってしまいます。

この手の厄介なマイルール持ちが、本作には複数登場しておりますね。

まずは夕見子。
いきなり咲太郎を泥棒呼ばわりしたわけですが。

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照男(一般常識):どういう人であれ、いきなり泥棒呼ばわりは【失礼】。

夕見子:泥棒は【冤罪】だったから不正確だったね。

礼儀云々、そういう気持ちは横に置いている。いや、そもそもその概念に気づいているのかどうか。

感情よりも理屈なのか。
そういえば、高山とああなっても理屈で納得できていたからか、ケロリとしていたように見えました。

次に、そんな夕見子が似ているとされている泰樹。この二人は血縁関係です。かといって、同じ血縁かつ教育環境だった照男は、この傾向はないわけです。生まれながらの何かがあるのでしょう。

泰樹はなつにいきなり酪農をやらせ、学校には行かせなかった。
はじめに、酪農を通して心を開かせてから、学校に通わせるのだと周囲に説明すればよかっただろうに。そういうことはできないし、説明が面倒くさいのかもしれません。

農協にせよ、あれだけ頑固だったにも関わらず、山田家の牛乳が買い叩かれていると知ると動揺。なつの舞台が最終的な一撃となって一転しました。

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この三人には、ある傾向を感じます。

それについては専門家でもないので【表裏比興】を気持ちがコロコロと変わるマイペース一族として使っておりますが。個人差と強弱はあり、三人中坂場が一番わかりやすい出方だとは思います。

あの話題作『逃げるは恥だが役に立つ』にも、そういう傾向のキャラクターが出ております。

ハセヒロさんはいいぞ。いうまでもない

海外ドラマで明確にその傾向があるとされているのが、BBC『SHERLOCK』のタイトルロールです。

フジテレビでも同じタイトルのドラマが放映されるそうで、ファンの間では動揺が走っておりますが……。

◆ディーン探偵「ホームズ」 三代目岩田が相棒「ワトソン」で月9 東京舞台にリメーク― スポニチ Sponichi Annex 芸能

どうせ古典探偵をリメイクするなら、日本の誇る金田一耕助でも、銭形平次でも、半七の現代版でもいいじゃない……そう思ってしまうのも確かです。

BBC版は原典要素を取り入れているということも大事ですが、シャーロックのある傾向をきっちりと学んだ上で作劇に生かしておりましたので、そこがどうなるかも不安です。

それとキャスティングですね。
ベネディクト・カンバーバッチの日本版は、ハセヒロさんじゃないかと個人的には思っております。
それならば納得しました。来年の大河でお忙しいのでしょうけれども。

ああいうエキセントリックさと天才性を持ち合わせた役を演じたら、ハセヒロさんの右に出るものはいないでのでは?
****はそれが裏目に出ていたからおそろしかった……なんてことをしてくれたのだ。

まぁ、もういいです。
来年大河において、本能寺へと追い詰められる光秀には期待しかありません。

高笑いしながら、
「天下布武なんて無駄無駄無駄ァ! URYYYY!!」
って、謀反しちゃってくださいよ。

明智光秀の生涯55年をスッキリ解説!なぜ織田家No.1の出世頭が本能寺へ?

さて、日本版『シャーロック』ですが。

マリリン・マンソンが流れていた、ハセヒロさん金田一『獄門島』でよかったんじゃないか。
そうなりそうではありますが……。

※これでいいんじゃないですかね。来年の本能寺に期待しなくちゃ!

この手の空気を読まない枠。
若手では、やっぱり空気を読めない『MAGI』で原マルティノを好演した井之脇海さんがその後継者かと思っておりました。

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中川大志さんもいいですね。
話し方が平板だったり、目線が不安定だったり、演技の細かいところまでお上手です。まぁ、金田一なんかよりはるかに穏健ではありますが。

ただの変人として面白がるわけではなくて、理解を周囲に求めるためにも、こういう人々はきっちりと描いて欲しいところ。
本作は丁寧だと思います。

文:武者震之助
絵:小久ヒロ

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【参考】なつぞら公式HP

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